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2016年3月13日 (日)

問われることで発見することもある   『聞く力、話す力』より(3)

わたしたちは人から何かを問われ、それに応える中で、これまで気づかなかったことに思いが至るということあります。そのことに関して劇的なインタビューが紹介されています。インタビュアーとしての著者の相手は、イギリスのロイヤルバレエ団*のプリンシパル(主役を踊るダンサー)を長くつとめたバレリーナ―の吉田都さん。
*:バレエの本場であるヨーロッパで1、2を争う代表的なバレエ団。

誰にも負けないほどの高い技術と繊細な動きが彼女の武器だったが・・・
でもその一方で、もっと表現力を豊かにすることを求められていました。
彼女を育てた世界的な振付家であるピーター・ライト氏は言いました。
「妨げになったのは、日本人特有の控えめな性格です。都はシャイで自分を表現できずに苦労していました」

でもあるときから、彼女は大きく変わった
このことは、先の指摘をした振付家のライト氏も同じように感じたそうです。なぜ彼女はこれまで以上に人を感動させることができるようになったのか。
そして人を感動させるものとはなんなのでしょうか。彼女にインタビューしたところ思い当たることがないというのでしたが…。

この素晴らしい変化を彼女にもたらしたものは、故障のブランクだった!?
アクシデントは、彼女にとって重大な局面で起こりました。イギリスのテレビ局BBCが10年ぶりにロイヤルバレエ団の公演を生中継し、彼女の文字通り晴れ舞台になるはずの前日、彼女はひどく腰を痛め、動けなくなってしまったのです。腰はダンサーの命であり、突然踊ることができなくなった彼女はひどいショックを受けました。

もう踊れないのではとの恐怖から彼女を救い出してくれたのは
そのとき、すべてを犠牲にしてバレエを優先してきた彼女の心のなかに変化が起きます。「ずっとバレエが一番でした。でもわかりました。バレエよりも大切なものがあることを。家族や友人、そして人が何より大事だと」
彼女は穏やかな表情で続けました。「バレエが一番じゃなくなったんです」

バレエより大切なものを見いだした瞬間、その踊りは観客たちをより魅了した
このことに彼女は、著者のインタビューの中で気づいたのだといいます。インタビューというのは相手の頭のなか、心のなかに既にあることを引きだすものだと思っていたのです。しかしこの吉田都さんへのインタビューをきっかけに、著者は相手のまだ気づいていないことを引きだすことがあることを発見したのです。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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