自分なりのリーダーシップ 『リーダーシップの哲学』より(3)
資生堂相談役で、社内大学であるエコール資生堂で自らリーダーシップ論を教えた経験を持つ前田新造氏が「一瞬も一生も美しく、をめざして」を参考文献に寄せています。中でも興味深いのがビジネスは先手必勝、行けるとの確信が60%あったら即行動し、誤りに気づいたら都度修正し100%に近づければよいとの考え方でした。
リーダーとは、自らが行動することで周りがついてくる人
リーダーという立場上、私欲を持たないことはとても大切です。前田氏が自分の上司や役員の姿を見て感じたのは、リーダーとは自称する(立場や地位を振りかざす)ものではなく、他律的な称号だということでした。人から信頼されたり、尊敬されたりして、おのずとリーダーになるというのです。
前田氏が社内大学であるエコール資生堂で教えた自らリーダーシップ論
前田氏はいつも言うことがありました。それは、「とにかくリーダーシップについて勉強してほしい。いろいろな人と接して、話を聞いてほしい。大学に通ったり、本を読んだりしてもほしい。けれども、最後にはそうしたことを全部捨てなさい。そうして、自分なりのリーダーシップを確立していくのですよ」と。
リーダーにはこういうものだという定義や類型はない
人がそれぞれの人生を歩む中で蓄積されたものの中に、リーダーシップに関するたくさんのヒントが詰まっていると前田氏。いくら他人を真似てもしょせんはよそ事で、そこに真実は生まれてきません。リーダーにはこういうものだという定義や類型はなく、いろいろなものを学び抜いて、捨てて、自分で創る。それが大事なのだと。
もう一つの大切なこと。それは、最後は自分で判断し、結論を下すこと
特に注意すべきなのは、決断内容の正否よりも、決断すべきときに決断できないときのほうが、性質が悪いと前田氏はいいます。資生堂でも動物実験を廃止したり、大きな買収をしたりするなどの大きな決断を下してきましたが、どのような提案にもリスクは含まれ、どちらのリスクをとるかが判断の決め手になるというのです。
煮詰まるまで待って、時期を逸してはいけない
石橋を壊れるほど叩いて待っていれば、ある程度の安全は確保できても、そのうちに他社に先手を打たれてしまいます。60%で行けると思えばすぐに決断し、間違っていたら、意地やメンツにこだわらず、修正して100%に近づけていけばよいのです。そのときは恥ずかしくても、恥ずかしさは一瞬で過ぎ去ります。
参考文献:『リーダーシップの哲学』~12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方~(一條和生著/東洋経済新報社)
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