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2016年3月17日 (木)

問われることで救われることもある   『聞く力、話す力』より(4)

アメリカにラリー・キングという名前の名インタビュアーがいたそうです。番組の名は『ラリー・キング・ライブ』。政治家、経済人、スポーツ選手、ハリウッドスターから芸術家、さらには事件の渦中にいる人間など、ありとあらゆる分野の人をゲストとして呼び、1時間にわたって話を聞くスタイルでした。

彼はしゃべり方が早く、矢継ぎ早に質問をあびせた
これは、参考文献の著者が初めて番組を観たときの驚きの感想です。ゲストから見れば、まるでラリー・キングの質問がシャワーのように降り注いでくる、という状況に置かれるのです。これではゲストは神経が参ってしまうだろうから、みな一度経験したら出演するのが嫌になるだろうと思ったそうです。

ところがそれはまったくの見当はずれだった
めったにテレビに出ないのに、彼の番組なら、といって出演するゲストも少なくないというのです。どうしてなんだろう? 著者には理解できませんでした。でもしばらく見続けているうちに、だんだんその理由がわかるような気がしてきました。たとえばスキャンダルが発覚し、批判にさらされていた女優がゲストに出たときのこと。

彼女が失意のどん底にあっても、ラリー・キングは辛辣な質問を浴びせる
ラリー・キングは遠慮するどころか、いつもと変わらず質問をぶつけ、相手はそれに答えていきました。1時間たっぷり、ふたりのやりとりが繰り返されたあと、著者は彼女の表情を観てはっとしました。失意のなかにいたはずの彼女が、どこか晴々とした顔をしていたからでした。

ラリー・キングのカウンセリングのようなインタビュー
遠慮ない質問が、あなたの身に起きているのはたいしたことじゃない、大丈夫だというメッセージを、結果的に相手に送り、そのことで相手の女優も自分は肯定されていると感じることができたのではないかというのです。そして洗いざらいしゃべることで、気持ちが落ち着いたのではないだろうか、と。

問われることで救われることもあるのかもしれない
インタビューは、癒しになることもあるのです。それはどこか精神科医によるカウンセリングにも似ています。日常生活でも深刻な話をするのは面倒だから、ついあたりさわりのないことばかり話す。でも人に話すことが癒しにもなる。自分ひとりでは出口が見えないときは、思いきって誰かに話を聞いてもらってはどうでしょうか。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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