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2016年3月 3日 (木)

他の変数の統制 それは本当の原因ですか?

朝ご飯食べた? 『原因を推論する』より(5)
文部科学省の平成25年度「全国学力・学習状況」では、朝食を食べないことがある小・中学生の割合は、小学6年生で11%、中学3年生で16%に達しています。そしてその調査では、朝食をとるかとらないかで、勉強のできが違ってくるというのです。少なくとも試験前には朝食をとった方がよさそうですね。

朝ご飯を食べない子どもが増えています
平成24年版『食育白書』では、「子どもたちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養・睡眠が大切。しかしながら、最近の子どもたちを見ると、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る」という成長期の子どもにとって当たり前で必要不可欠である基本的な生活習慣に乱れが見られます。

朝食を摂らないことによって起きる身体的変調
朝食によるエネルギー補給がないと、不足分を補うため肝臓から取り出されたグリコーゲンや、筋肉のタンパク質中のアミノ酸をそれぞれ糖に変え脳に供給します。この結果イライラや攻撃性・興奮・ストレスに関与するアドレナリン、ノルアドレナリンや副腎皮質ホルモンの分泌が、精神的に微妙な影響を与えるのです。

非行少年は明らかに朝食をとっていない場合が多い
内閣府が行った「第4回非行原因に関する総合的研究調査」(平成22年3月)は、朝食をとっているかどうかと非行に走るかどうかが関連しているとの結果を発見しています。この調査は、全国の公立小・中・高生と公立大学生、そして補導された少年、少年鑑別所に入っている少年を対象とする大規模なものです。

朝食を摂らないことの因果推論の検討
非行で補導される少年は、夜遅くまで街で遊んでいたりするでしょう。その結果、朝起きられなくて朝食を抜くこともあるかもしれません。この場合は、非行行為が原因となって、朝食を抜いてしまうという逆の因果関係が存在することになります。そうだとすると、朝食を一所懸命とらせても、非行はそれほど減らないかもしれません。

用意された朝食に目もくれずに出かける家庭もあれば、朝食が用意されない家庭もあるでしょう。家庭環境が、朝食を食べる子どもと食べない子どもで異なっている可能性があります。家庭環境の違いが、非行に影響しているのかもしれません。そうすると、朝食と非行の共変関係、相関関係は、偽りの相関関係かもしれないのです。

※:『原因を推論する』~政治分析方法論のすすめ~(久米郁男著/有斐閣)

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