ユニクロ最強のヒットメーカー&街づくりのプロ 活躍する女性たちの群像(4)(ウーマン・オブ・ザ・イヤーの大賞受賞者紹介 Ⅱ)
2009年度 白井恵美氏(ユニクロ執行役員)の大賞受賞理由
●「ブラトップ」「ヒートテック」など明快なコンセプトを提示した新商品を開発。爆発的ヒットを創出/●マイナー部門に着目した先見性。業績を牽引したリーダーシップ/●専門学校中退、29歳の留学等を経て、執行役員にまでなったローモデル性
「ヒートテック」と「ブラトップ」の生みの親、ユニクロ最強のヒットメーカー
カシミアセーターをヒットさせた後、売れる商品の「芽」をさらに見いだすため、次に白井さんが取り組んだのは、約200点からなる全単品の選別売り上げと在庫状況のリサーチ。その中で目に留まったのが「ヒートテック」でした。当時は厚手の素材を使っていて、「冬のインナー」というジャンルでわずかな数量を投入していました。
着心地はいまひとつとはいえ温かさは抜群。これを、「アウターに響かないよう薄く柔らかくして保湿機能を持たせれば、女性向けの人気商品になる」と判断。素材の改良を重ね、05年から新素材の「ヒートテックモイスト」として販売したところ、07年には2000万枚を売る大ヒット。丹念なデータ分析が新市場の開拓に結び付きました。
「ブラトップ」原型は04年からあったが下着としての性格が強かった。05年にキャミソールをアウターとして着るファッションが流行。白井さんはここに可能性を感じ、胸のパッドを立体的に変えてホールド力を向上。改良により淡い色の商品展開を可能にして08年5月に夏の新提案商品として「ブラトップ」を打ち出し、爆発的ヒットに。
2010年度 西郷真理子氏(まちづくりカンパニー・シープネットワーク代表取締役)の大賞受賞理由 ●専門家、行政、住民、地権者と様々な立場の人を巻き込み、大型プロジェクトをまとめたリーダーシップ/●住民主導の街づくりという新しい手法をリードする先見性/●長期に渡るプロジェクトに関わり続けたキャリアの継続性
いま最も注目される都市再開発を手がけ、日本再生を担う凄腕リーダー
郊外の大規模ショッピングセンターに客を奪われ、活気を失っていた地方の商店街を再生。建築家、都市計画家という専門家集団を束ね、地方都市の中心商店街再建を担う、まちづくりコンサルタント西郷真理子さん。その代表作のひとつが香川県高松市の丸亀商店街で、国際的な賞を受賞し、国内外からその取り組みが評価されている。
その丸亀商店街には、クリスタルドーム(イタリア・ミラノのガレリアを手本として高さ約32メートル。これは商店街では日本一)があり、そぞろ歩きや買い物を楽しむ市民が行き交う。グッチ、ボッテガ・ヴェネタなどの高級ブランドが店を構える広場や通りのデザインは、欧米の美術館で高い評価を得ている川島猛さんが手がけました。
参考文献:『日経WOMAN』(月刊誌/日経BP社)
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