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2016年7月24日 (日)

あたりまえだと思う⇔ありがたいと思う  認知再構成(6)

appreciateという英語にはふたつの意味があります。ひとつは「感謝する」で、何かを「あたりまえに思う」のとは正反対のニュアンスです。もうひとつは「価値が上がる」で、「資産価値が上がる」といった表現で使われます。私たちの生活において、「感謝」がなされるときは、この両方の意味が絡んできます。

心理学の研究結果によると、毎日感謝すると、ありがたいと思えることが増え、さらに感謝できることが増えていくということが繰り返し証明されています。しかし悲しいことにその逆も真実です。ありがたいことがあっても感謝を忘れ、それをあたりまえのことと思うなら、そのことの価値は下がってしまうのです。

心理学者のロバート・エモンズとマイケル・カッカローは、「感謝できることを毎日5つ書く」という実験をしました。内容は重要なことに限らず、ささいな喜びや束の間の体験でもいいというものでした。参加者は、両親のことからローリング・ストーンズ、朝目覚めたことや神についてまで、あらゆることを感謝のリストに書き込みました。

毎日1~2分の感謝する時間は思いがけない効果をもたらしました。「感謝できることを考えたグループ」は「何もしなかったグループ」に比べ、人生をより肯定的に評価できるようになっただけでなく、幸福感が高くなり、ポジティブな気分を味わえるようになりました。意志も強くなり、エネルギッシュで楽観的になったのです。

また、人に対してももっと優しくできるようになり、積極的に人に手伝いを申し出るようになりました。
最終的に、「感謝のグループ」の人たちはよく眠れるようになり、より多く運動をするようになり、身体的な不調も減ったのです。

生活の中で感謝する時間を取るだけで、なぜこれほどポジティブな効果がある?
研究者は、感謝をきっかけとして、成長と幸福感の好循環が生まれるからだと述べています。感謝できることを考え、それをリストにすることで幸せな気分になり、その気分がポジティブな出来事を気づきやすくさせ、さらにその経験を望むというのです。それによりもっと感謝できることが増え、結果として人生の質が向上していくのです。

感謝できることをしっかり味わうという選択をすることで、あなたはいつでも幸せのポジティブ・スパイラルを起こすことができます。
感謝すべきことに感謝(アプリシェイト)するとき、その感謝すべきことの価値は上がる(アプリシェイト)のです。

参考文献:『Q・次の2つから生きたい人生を選びなさい~ハーバードの人生を変える授業Ⅱ~』(タル・ベン・シャハ―著/大和書房)

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