落ち込んでいる時こそ褒める! 高橋みなみさんのコミュニケーション術(6)
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高橋さんも当初はみんなに好かれたいと思いましたが、それではチームはまとまりません。そのことで悩んでいた頃、秋元氏に「たかみな、嫌われる勇気を持ちなさい。誰からもいい人だと思われる人は、それはある意味どうでもいい人だ、だったら恐れずに自分の意思を曲げずに伝えればいい」と言われ、それが大きな支えになったそうです。
★「キレる」ことと「叱る」ことは違う
ただ自分のマイナスな感情を爆発させるのは「キレる」で、「キレる」ことと「叱る」ことはまったく違うと高橋さんは言います。叱るときは、「これがダメで、こうだから私は叱るんだよ」と、「どうして叱っているか」を冷静に伝えました。仲良しこよしで、その子の「今」を笑顔にするだけでは意味がないというのが彼女の考え方なのです。
★落ち込んでいる時こそ、褒める!
人を褒めることが得意だという高橋さんですが、彼女が本気で褒めるときは、相手が本当に落ち込んでいるときなのだそうです。何を悩んでいるかをわかったうえで、今までのあなたがやってきたことは間違ってない、ちゃんとわかっている人はわかっているよと、褒めてあげる。そして尊敬の気持ちを持って讃えてあげるのだと。
★どこかで誰かが傷ついていることを忘れない
多くの挫折を目にした高橋さんは、そのうちのほんの一部しか救ってあげられなかったことに心を痛めています。ステージの真ん中で起こるものばかり注目していると、袖で起こっている物語に目が行き届かないので、視野をぎりぎりまで広げ、つねにアンテナを張り、どこかで誰かが傷ついていることを忘れないようにしていたそうです。
☆リーダーがしてもらって嬉しいこと
リーダーとしての仕事は決して楽しいものではなく、気苦労が多くて体力もいる地道な行動の積み重ねなのですが、高橋さんは自他ともに認める頑張りを見せました。その原動力になったのは、みんなが幸せになって、みんながいい気持ちでパフォーマンスできる、そのことが気持ちいいからだと彼女は回想します。
さすがの高橋さんも、「どうして自分ばっかりが……」「なんのために、自分を犠牲にしてまで……」と時には心が折れかかってしまうこともあったそうです。でも、そんな迷いを吹き飛ばしてくれる魔法の言葉がありました。それはメンバーからの「ありがとう」でした。この一言で「誰かのためになっていたんだ」と何度も救われたそうです。
参考文献:『リーダー論』(高橋みなみ著/講談社/2015年12月24日刊)
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