「ありがとう」を口癖にする 高橋みなみさんのコミュニケーション術(3)
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高橋さんは、リーダーにとって必要なコミュニケーション(たかみな流コミュニケーション)を15の項目にまとめています。前回紹介した★「ひとりひとり」が集まって「みんな」になる が最初で、その次が★ヘラヘラしてコミュニケーションの壁を低くする でした。それ以降の13項目(★)を今回から順に紹介していきます。
★相手の名前を読んで距離を縮める
ちゃんと相手の名前を呼ぶことは、「私はあなたのことを知っています、気にかけています」というシグナルになります。例えば、あるメンバーがダンスの立ち位置を間違っていて声をかけたい時に、「〇〇ちゃん」と名前を読んでから「立ち位置がね」と言葉をつなげると、コミュニケーションがスムーズになります。
挨拶をする時も、ただの「おはよう」ではなく、「〇〇ちゃん、おはよう」と名前をつけることで、さらに距離が縮まります。新しく入った人はメンバーに限らず名前をなるべく早く覚えて、名前を呼ぶようにしていたそうです。ドライバーさんや音響さんなど、スタッフさんと仲良くなると、不思議と現場が回るようになるのだそうです。
★「ありがとう」を口癖にする
「ありがとう」「ごめんね」という感謝表現を、相手の目を見てしっかり伝えることで、関係性が豊かになる(ポジティブな言葉を言い合っているチームは、必ず強くなる)と思った高橋さんは、疲労から心に余裕がなくなった場合でもギスギスした関係にならないよう、普段から「ありがとう」や「ごめんね」を口癖にしてきたのだとか。
★メンバーのグチは問題解決のヒント
グチの中には、その人を理解するための情報がたくさん入っていると高橋さんは考えました。「この子はあの子に対してモヤモヤしているんだ」「でも、あの子はこう思ってるって前に聞いたぞ」というふうにグチとグチを突き合せていくことで、絡まってしまった人間関係をほどいてあげることもできるのだそうです。
★一度でいいから、「本音」を聞く
本音を伝えることが苦手なため、根っこにある真面目さが理解されずに孤立気味の子がいたそうです。そのような場合高橋さんは、自ら歩み寄り、声をかけるだけでなくシグナルを送り続けました。そして、彼女と気の合いそうなメンバーを絡めて警戒心を解き、彼女の中にある本音をがっつり聞かせてもらえるようになったそうです。
●高橋さんが卒業を発表したとき、その彼女から長い長いメールが届いたそうです。そこには、これからのAKBの未来に対する本音が綴られていたそうです。リーダーの思いやりと、それに応えて成長してきた後輩の関係はすばらしいですね。
参考文献:『リーダー論』(高橋みなみ著/講談社/2015年12月24日刊)
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