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2016年10月27日 (木)

オズボーンのチェックリスト(4)大きくできないか?〈Ⅰ〉  発想法(11)

通販カタログでは、モデルの瞳孔を大きくすると売り上げが45%も伸びるといいます。人は瞳孔の変化を無意識のうちに察知しており、相手の瞳孔が拡大すると自分の瞳孔も拡大し、気持ちも高ぶるからなのだそうです(※1)。大きくするといえば、味の素はキャップの穴を大きくして売上を伸ばしたというお話もその昔にありました。

時間、頻度、強度、高さ、長さ、価値、材料を増大できないか?
・・・ディズニーが待ち「時間」を長く伝える理由(※2)
ディズニーではゲスト(来場者)の待ち時間の問いかけに、キャスト(従業員=役者)は故意にやや長め(30分待ちの場合には45分くらいといった感じでしょうか)に告げます。そうしておくと、ゲストは、予想よりも早くアトラクションを体験できるからです。この「ちょっと得した感」が、行列に並ぶという不満足感を和らげてくれます。

・・・店内の滞留「時間」を長くするには(※3)
ある調査によると、全国規模の家庭用品チェーン店の場合、女性の2人連れは8分15秒、子連れの女性は7分19秒、独身の女性は5分2秒、男性と一緒の女性は4分41秒だそうです。通路の途中で客を引き返さないためには、主力商品を奥に置くことが正解なのです。GAPが学んだ顧客誘導法は、一番奥の壁面にジーンズを置くことでした。

・・・配送「頻度」を多くするとパンが売れる(※4)
あるパンメーカーが小売店(パン屋さん)への配送頻度を1日2回に増やしたら売上はどうなるだろうかと14の店舗でテストしたところ、4カ月の平均で118%増(2倍以上)の売上となりました。この時、他のパンメーカーの売り上げが下がっていないことから、その原因は、1顧客当たりの販売量が増えたと結論づけられました。

つまり、お客が、いままでよりもっと多くのパン、おそらくこれまでの倍の量、パンを買って行ってくれたのです。この不思議な現象は、どの家でも、古いパンより新しいパンから食べる。新しいパンがあればそれを食べ、古くなったものは平気で捨てる。だから、食べる量は同じでも新しいパンは2倍売れた、ということのようなのです。

・・・「強度」を上げると、リーバイスのジーンズはさらに売れた(※5)
チェックリスト(1)他に使い道はないか?で取り上げたリーバイスのジーンズの続編。採鉱者たちは、道具や鉱石ですぐにポケットが破れてしまうと文句を言っていました。対応策を持たないリーバイ・ストラウスの元に「ポケットに鋲を打って強度を増す」技術が持ち込まれました。この素朴なアイデアがリーバイスを急成長させました。

※1:『本音は顔に書いてある』(アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ共著/主婦の友社)
※2:『不合理な地球人 お金とココロの行動経済学』(ハワード・S・ダンフォード著/朝日新聞出版社)
※3:『あなたもこうしてダマされている』(ロバート・レヴィーン著/草思社)
※4:『ザ・チョイス』(エイヤフ・ゴールドラット著/ダイヤモンド社)
※5:『あなたの知らないヒットブランド本当の話-なーんだ!47話』(ジャック・ミンゴ著/東急エージェンシー出版部)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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