バイト敬語「~でよろしかったでしょうか」話法 日本語のあれこれ(4)
木の葉ブログは今回で700回です。これもご愛読くださっている皆様から愛情溢れるアドバイスや叱咤激励をいただき続けているおかげと、心より感謝申しあげます。本当にありがとうございます。情報のストックが無くなったこともあり、今年から週1回程度の投稿になりましたが、なんとか700回まで参りました。これからもお役に立てる情報を発信し1000回を目指します。今後とも木の葉ブログをよろしくお願いいたします。
今回はバイト敬語の「~でよろしかったでしょうか」についてです。今やバイト敬語の代表選手のように扱われているこの言葉ですが、北海道や東北など一部の地域の方言が伝わった可能性があるとされる説もあるようです。 もし、この説が正しいとしたらやはりその方言を知らなかった地域の人たちは違和感を覚得るのも無理のないことですね。山本もそのうちの一人です。
若い人たちはバイト語が沁みついていて抜けない
新入社員研修やマナー研修、接客接遇研修で言葉遣いについてやってみると、若い人たちからも正否について時々質問があります。使っているご本人たちも気になっているのでしょうか。しかし、学生時代のアルバイトで、癖になってしまっており正しくないと分かっていても修正が難しく、そのまま活用してしまっている社会人も見受けられます。
過去形にすると丁寧に聞こえる?
使っている人の様子を見ると、丁寧語として認識しているようです。「よろしかった」のように過去形にすると、話し手と聞き手の距離が遠くなり、謙虚さを出すことはたしかにできます。しかしビジネスでは過去形を使っても、謙虚とは感じてもらえません。謙虚さは他の言葉にして、現在形で明確に表現するほうがいい印象を与えます。※1
「コーヒーでよろしかったでしょうか」はなぜ不愉快になるのか?
国立国語研究所の上席研究員吉岡泰夫氏は、「確認の敬語」として広がったと見ている。「よろしかったでしょうか?」は確認の敬語であり、「よろしいでしょうか?」は許可を求める敬語である。客が不愉快になるのは店員が許可を求める場面で、確認を求めることになるからだ。※2
●確かに、改めて「コーヒーでよろしかったでしょうか?」と尋ねられると、既に頼んで受けているはずなのに、聞いてなかったのか?と突っ込みを入れたくなるところですね。また、人によっては「現在」の話をしているのになぜ「過去形」で言うのかと思う人もいるでしょう。いずれにしても社会人としては、わざわざ過去形にせず相手を不愉快にさせないコミュニケーションを活用するようにいたしましょう。
※1出典:『そのバイト語はやめなさい』(小林作都子著/日本経済新聞社)
※2出典:よろしかったでしょうかー文芸マガジン(ウエブ電藝)
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