気になる間違いやすい言葉遣い 日本語のあれこれ(8)
①お名前をいただけますか(または、頂戴できますか) →
②~と申しますと →
③〇〇社長が参りました →
④〇〇の件、了解しました →
⑤〇〇を持参していただけますか →
葉遣いは少々間違っていたとしても“思い遣りの心”が一番大切ですから、気にし過ぎてガチガチにならなくていいと思います。しかし、何が正解なのか分からず使っている人も多いと考えられます。実際にビジネスの場面でよく耳にする言葉で、間違っているフレーズが沢山あります。上記にほんの一部ですが取り上げてみました。皆さんも上記の①~⑤をおさらいとして正しい言葉に変換してみてください。解説は山本がマナーや電話応対、接客接遇研修の際に説明しているものです。
回答と解説:
①お名前をいただけますか → お名前をお聞かせいただけますか
「いただく」はモノの受け渡しに使います。名刺は物ですから「お名刺頂戴出来ますか」でOKですが、お名前はモノではありませんから「頂戴」と言われてもあげられないからです。(なんか屁理屈言ってるみたいですが、悪しからずです)
②~と申しますと → ~とおっしゃいますと
「申します」は「言う」の謙譲語です。申したのは自分ではなくて、相手です。こちらは相手の言動を指すことになりますから、「いらっしゃいます」の尊敬語を使います。
③〇〇社長が参りました → 〇〇社長がいらっしゃいました
こちらも⓶と理屈は全く同じです。相手の行為を指すので、謙譲語ではなく尊敬語です。例えば社内の会議の場面では、出席する社員に対してのアナウンスは社長のことを敬った言い方(尊敬語)でなければないことから「いらしゃいます」しかし、取引先の皆さんにアナウンスする際はいくら社長でも身内になる訳ですから、「社長の〇〇が参りました」と謙譲語を使います。冒頭の言い方も変わるので注意してください。敬称が先で「社長の〇〇」に変更。
④〇〇の件、了解しました → 〇〇件、承知しました かしこまりました 承りました
「了解する」は基本的に目上の人やお客様には使いません。上司が部下に「了解です」と使うのはOKですが、部下が上司に対して「了解です」はNGです。
⑤〇〇を持参していただけますか → 〇〇をお待ちいただけますか
一見丁寧に感じるかもしれませんが、持参するは謙譲語です。自分の行為を言う際には「私が〇〇を持参いたします」はOKですが、相手が持ってくるという行為を言う時には尊敬語の「お持ちいただけますか」が正解です。
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