冬季性うつ病(ウインターブルー)にご注意を!(前編)
日本には四季があり、その時々の素晴らしい季節感あふれる素晴らしい景色を愛でることができますね。また、一年を通して季節に応じたレジャーやスポーツ、食べ物を楽しむことが出来ます。11月中旬になりすっかり冬らしくなってきた近頃ですが、皆さんは体調など崩されていませんか。本日は東京や大阪は冬晴れですが、北海道は暴風雪に警戒とウエザーニュースでは呼びかけています。
さて、「冬季性うつ(ウインターブルー )」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単に言うと、日照時間が短く、セロトニンの分泌がうまくいかずに様々な症状を発しうつ状態を引き起こします。太陽の光を浴びることって大切なのですね。国会図書館で分かりやすい文献『女性のひろば2009年8月号/滋賀医科大学 睡眠学講座 特任教授 大川匡子』がありましたのでその中から冬季うつについてご紹介です。
冬季うつ病とは?
季節性感情障害(Seasonal Af-fective Disorder)という病名がつけられたのは、1984年と、ごく最近のことです。生体リズムの異常に関連した疾患で、欧米ではうつ病患者の10~30%が季節性をもつとの報告があります。日本では、53の大学付属病院の精神科外来を受信した患者さんを調査した結果に」よると、うつ病患者の1~3%が季節性を持ち、東北や北海道といった緯度の高い地域に多いことが報告されています。
冬季うつ病の特徴
・女性に多い
・20代前半で発症することが多い
・東北や北海道といった高緯度の地域で多くみられる
・晩秋から冬(10~12月ごろ)に調子が悪くなり、春先には自然に症状が改善する
・意欲減退、集中力低下、自己否定的、疲れやすい、ひきこもり
・日中眠くて仕方がない、普段よりも睡眠時間が長くなる
・食欲増進、体重増加、炭水化物や甘いものが欲しくなる
とくに大きな心理的・身体的な原因がないのに、晩秋から初冬にかけて調子が悪くなります。個人差はありますが、抑うつ気分(気分の落ち込み)、不安焦燥感などよりも、意欲減退、疲れやすさ、制止、ひきこもりなどの抑制症状が多くみられます。また、非季節型うつ病ではなかなか寝つけない、夜中に何回か目覚めてしまう、などの不眠や食欲低下、体重減少がよくみられますが、冬季うつ病では日中眠くて仕方がないという過眠や食欲増進、体重増加、炭水化物や甘いものがほしくなるなどを主訴とするのが特徴的です。そして、春先には自然に症状が改善されます。典型的な冬季うつ病は、20歳代前半で発症することが多く、性別では女性の方が圧倒的に多い(男女比1:4)という報告もあります。
●山本は炭水化物や甘いものが大好きで体重増加傾向にあるのですが、冬季だけではなく年中ですから、これはまた違う病気ということのようです。資料作成などに追われ終日デスクワークの日などは気が付けば一歩も出ず、お日様に当たることはなく外の空気を全く吸っていないという日もあります。朝少しだけでもお日様を浴びるような習慣を身につけたいものですね。次回は対処法についてです。
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