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2022年7月23日 (土)

スポーツ競技と熱中症対策

今回は『医療者のための熱中症対策Q&A』という本の中から主にスポーツを取り上げます。特に熱中症のリスクが高い競技はありますか?  熱中症発症、死亡者は野球、サッカーに多いですが、重症の割合が高いのは陸上競技です。運動を行う環境や運動の強度、持続時間、特有のユニフォーム、ヘルメットなどの装備などが危険因子となります。

環境面でリスクが高い競技は?暑熱環境下ではいかなるスポーツも熱中症に陥るリスクがありますがが、特に日射を受ける野球やサッカーなどの野外運動やマラソンや競歩のように道路から輻射熱を受ける環境は危険度が高い。バドミントンや卓球のように、無風条件が要求されるスポーツは締め切った体育館で行うので、これも危険であります。また、登山のように身体を冷やして休ませる場所が得られにくい医療関係が身近にないような状況では、たとえ発症時は軽症で会っても重症化のリスクが高くなります。

インターバルトレーニングのような強度が高いものや、ランニング、競歩のような連続運動するもの、野球やサッカーの様に区切りの時間が長く思う通りに休憩や給水が取れないスポーツはリスクが高い。さらに剣道やアメリカンフットボール、フェンシングのようなヘルメットや防具、野球のような重ね着のユニフォームは高いリスク因子となります。

連続運動する場合には気楽に水分補給できる環境を整えることが必要であり、いつでもトイレに行ける環境を整えることで、選手や参加者たちが尿意を抑えるために水分を控えることが決してないように配慮する。ヘルメットや防具はできるだけこまめに外して熱の放散を促すように指導する。衣服も頻回に交換することを勧める。休憩時には日陰を確保し、症状出現の際は速やかに冷房の効いた部屋で休ませることができるようにしておく。

プールでも熱中症は起こるのでしょうか? 水の中でも運動をすれば、体内で熱を産生し汗をかきます。口渇を感じにくく、水分摂取量も怠りがちです。そのために水泳の練習中に熱中症を発症することがあります。また、プールの水温が高いと熱中症になる危険性が増します。

汗をかきにくい体質の人が気を付けることは? 特に気をつける必要があるのが室温と湿度です。冷房使用時は室温「28℃」を目安に、適切な温度となるように冷房を設定することが推奨されています。ただし、窓際など室内の場所によっては温度が高くなる場所がありますので、注意が必要です。また、湿度が高いと同じ室温でも汗が蒸発しにくくなるため、湿度は70%を目安にコントロールしましょう。なお、室温が24℃を下回り、外気との室温差が大きいと部屋に出入りする際に体の負担になるため、注意が必要です。

熱中症予防の食生活の基本は? アルコールや多量のカフェイン、糖分の摂取を避け、偏りのない食事を定期的に摂取し、十分な休息をとり規則正しい生活を送ることです。熱くなる前にはたんぱく質やビタミンCを中心に、暑くなってからはビタミンや水分、電解質を中心に摂取するとよいでしょう。

※:参考文献『医療者のための熱中症対策Q&A』

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