3通りの「言い回し」と吉牛3語の「並べ順」など
テレビの番組やCMで露出度の高い梅沢冨美男さん。舞台では女形で、歌手としては小椋佳さんの『夢芝居』が大ヒット。その梅沢さんが役者として通用するためには「好きだよ」というセリフを3通りに言い回せなければ一人前になれないと先輩役者からご指導を受けたことがあるそうです。
その「好きだよ」の3通りは、心からの「好き」、半分ではそうでもない「好き」、うその「好き」なのだと。役者さんはこうした使い分けが演技力につながるのでしょうが、私たちの日常でこのような使い分けをされても、その見極めは難しいでしょう。このため人を判断する場合は言葉だけでなく、非言語表現を読み解く力を備えて置く必要があります。
非言語とは「顔の表情」、「声のトーン」、「さりげない手足の動き」、「服装」などを指します。そして「非言語コミュニケーション」とは、こうした挙措から相手の感情を読み取りながら意思疎通を図ることです。もし、非言語コミュニケーションに関心の方は本ブログの「非言語コミュニケーション」のコーナーをご覧ください。
次は前回取り上げた京セラを創業した稲盛さんが大ファンだったという牛丼の吉野家さんのお話です。吉野家さんのキャッチフレーズは「うまい」「やすい」「はやい」。でも1980年、1990年代は「うまい」「はやい」「やすい」だったそうです。「うまい」の先頭は変わりませんが、「はやい」より「やすい」が2000年代には先に来るようになりました。
低成長時代が長く続き「やすい」ことが重視される時代と読み取ったからでしょう。cになみに、バブルの余韻に浸っていた1970年代は「はやい」「うまい」「やすい」でした。「はやい」が最初に来るのは、忙しい時代だったからなのでしょう。たった3つの言葉の並べ替えで変化の激しい時流を巧みに読み取り、繁盛を続けるのはお見事ですね。
最後は英語です。英語で「仕事」を表す場合、主に3つの単語「レイバー(Labor)」と「ジョブ(Job)」と「ワーク(Work)」が使われます。それぞれ、仕事をするときの「心の立ち位置」に違いがあります。具体的にはLabor・・・いやいや言われた業務をこなす。Job・・・普通に業務をこなす。Work・・・にこにこと笑顔で仕事をする。
しかし、リッツ・カールトンでは笑顔だけでは不十分で、そのワンランク上を目指しています。英語表現なら「Play」感覚です。つまり、「レッツ・ハブ・ファン」「レッツ・エンターテイン」を合言葉に、お客様に楽しんでいただくことを考え、ワクワクしながら働く。言い換えれば「遊び心」を持って仕事をするのが、リッツ・カールトンの心情と言えます。
参考文献:『「売り言葉」と「買い言葉」心を動かすコピー発想』/『絆が生まれる瞬間 ホスピタリティの舞台づくり』
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