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2023年4月 3日 (月)

活躍中の日本大学理事長・林真理子さんの近著から

ご馳走してもらう時のワイン選び方 「山梨のワイン大使をやっているので、山梨のワインをお願いします」と言うように。山梨ワインなら高くても一万円台で済み、ちゃんと故郷の山梨も立てられるから。もし山梨のワインを置いてないお店なら、「ナパバレーのワイナリーに行ってからはまっているので、カリフォルニアワイン(外国産ワインでも安い方)でお願します」とリクエスト。

宮尾登美子さんの気遣い 1983年(昭和58年)の『NHK紅白歌合戦』の審査委員を務めた時のこと。当日、審査員控室でやはり審査委員だった宮尾先生にご挨拶をしました。紫色の着物をお召しになっておられましたが、審査委員の一人だった女優さんも同じく紫色の着物であることに気づくと、宮尾先生はスーッと姿を消されました。

しばらくすると、何事もなかったかのように違う色の着物に着替えていらっしゃったそうです。色がかぶってしまう事態に備えて着物を二枚用意していらしたのです。その気配りと立ち居振る舞いを見て、「わぁ、なんて素敵なんだろう」と、若き日の林真理子理事長は、いっそう憧れの気持ちを強くしたそうです(交友関係はその後長く続く)。

WBC栗山監督の全選手との3時間の個人面談 「気遣い」につての話に触れたところで日本中、いや世界中の野球ファンの心を揺さぶった、侍ジャパンの栗山監督のことに触れておきたいと思います。一人ひとりと3時間の個人面談といっても、代表選手は30人で、故障による交代の2人を加えると32人。時間にすると面談時間だけで96時間となります。

面談は自分の都合だけで成立するものではありませんし、ときとしては海外にも足を運ばれたはず。国内でも長距離の移動もあり、どう少なく見積もっても96時間の3倍。300時間は最低でも必要だったと思われます。1日の稼働時間を10時間とすると、休みなしで丸1月を個人面談にだけ費やしたことに。想像を絶する取り組みだったはずです。

そして、研修講師として最も驚嘆させられたのは、その面談3時間のほとんどを栗山監督は聴くことに徹したことでした。今回の侍ジャパンのメンバーは若手が多く、良い成果を出すためにはチームコンセプトの共有を優先し、自らの考えを伝えることに重点が置かれてしかるべきところを、選手を知るために、自分のことを話してもらったそうです。

秋元康氏の「なぜ嫌いか」で自分が見える 【閑話休題】さて、秋元氏によると、俯瞰力は、人を謙虚にさせてくれたり、時に励ましてくれたり、物事を長い目で考えさせてくれると。そして自己愛は、バッシングされたり落ち込んだりした時に、たとえ根拠のない自信であっても自分を力づけてくれるのだと。

ちなみに秋元氏の場合、誰かからバッシングされると「なぜ、この人は自分のことを叩きたいのだろうか」と考えると、いろいろなことが見えてくる。また、氏は年に一回、自分が凄く嫌っている人とわざわざ食事をするのだと。すると、自分という人間が見えてくるそうです。その人を嫌いなのは、自分と似たところがあるせいだと気づかせてくれると。

参考文献:『成熟スイッチ』(林真理子著/講談社刊)

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