馬券の直前購入は的中確信を高め購入額増のリスクが・・・
的中確率五分五分の評価は、購入直前だと70%まで確信が深まる
1968年に古典的ともいえる埋没費用(投下費用や労力のうち戻ってこない費用、つまり意思決定に影響を与えず、考えても仕方のない費用)の実験が行われている。2人の研究者が141人の競馬愛好家を対象に実験を行った。72人が30秒前までに2ドルの馬券を購入したばかり、残り69人はこれから30秒以内に2ドルの馬券を購入するところだった。
これらの競馬愛好家に、自分の選んだ馬が勝つ可能性を7段階で評価するように求めた。すると、今から馬券を購入しようとする人たちは3・48と答えた「勝つのは五分五分」、これに対し馬券購入直後の人たちは4・81で、これは「七分の五勝ち目がある」となる。人は賭けた直後のほうが、自分の賭けがうまくいくとの確信を強めるらしい。
競馬データに関するアメリカの話
心理学者のポール・スロヴィックが賭けの胴元に、過去の競馬に関する88個の変数から、オッズを計算するのに使えるものを選んでくれと頼んだ。変数には、過去の成績に関するありとあらゆる統計的情報が含まれていた。その上で、彼ら自身が一番使えるといった10個の変数を与え、競馬の結果をそれで予測してくれと頼んだ。
次に、変数をもう10個加え、もう一度予測してくれと頼んだ。情報が増えても予測の精度は高まらなかった。一方、彼らの自信は目に見えて高まった。こうして情報は毒なのがわかった。「多いことはいいことだ」とはとても言えないのである」と。この事例は、私たちのビジネスシーンにも当てはまりそうだ。特にSNSにおいてはなおさらに。
雨のアスコット競馬場での出来事が男性モードを変えた
1889年にリッツは偉大なシェフ、エスコフェと組んでロンドンにサヴォイ・ホテルを開店。ここでのサービスのいくつかはいまに語り継がれている。安息日(日曜日)にディナーサービスをした。次のサービスは、スタッフにモーニングを着せたこと。3番目は、客にもレストランでの正装を要求したこと。4番目は、男性を同伴しない女性を断った。
世界で一番在位期間の長いビクトリア女王の皇太子の好みを、リッツは本人よりもよく知っていた。なお、社交界の中心でおしゃれなこの皇太子が、雨のアスコット競馬場でズボンの裾をまくり上げたところ、翌日アスコット競馬場に現れた紳士がみんなズボンの裾を捲り上げていて、背広のズボンの裾の折り返しはこのときに始まったとの伝説がある。
武豊騎手に影響を与えた競馬学校のある授業
先生が馬場の周りから取ってきた季節の花を活け、掛け軸を掛け、水を汲み、茶道具を用意し、縁高の重箱に和菓子を盛りつけて準備完了。一列に並んで畳の上に正座しお辞儀、帛紗の扱い方、道具の呼称と扱い方。立ち振る舞い。いただき方…そして何よりも、自分の心との向き合い方、馬へ、人へ、すべてのことに感謝する気持ちの大切さを学びました。
※参考文献:『人生に必要な心理』(エイドリアン・ファーナム著/近代科学社刊)
『ブラックスワン上』:(ナシーム・ニコラス・タレブ著/ダイヤモンド社刊)
『サービスの本質』:田辺 英蔵著/ダイヤモンド社刊)
『「勝つ」ための思考法』:武豊著/双葉社刊)
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