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2023年9月26日 (火)

一流経済紙の表紙を飾った清掃の「最強のチーム」

ある日、東京駅21番線で車内清掃作業中、ホームから熱心に作業を見ている海外からのお客様がいらっしゃいました。作業終了後、整列、退場の一礼をすると、ホームで待っていた30人くらいの海外のお客様全員から大きな拍手と歓声をいただきました。見えているから頑張るわけではありませんが、見えているからもっと頑張らなくてはとも思います。

上記は、株式会社JR東日本テクノハート(TESSEI 略称:テッセイ)は、東京都中央区に本社を置く、JR東日本グループの清掃会社の一人のスタッフの後日談です。このときの海外旅行者がネットで広めたのでしょうか、平成20年度に国際鉄道連合(UIC)の会合が日本で開かれた折、その分科会のメンバーたちがテッセイを視察に訪れました。

同じ年にドイツ国営テレビも取材にやってきました。さらには、映画俳優で元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツネッガーさんや米国のラフード元運輸長官までもが視察に訪れました。この清掃会社らしからぬテッセイの取り組みは、多くのメディアや団体の関心を集めましたが、最初に関心を持つのが海外だったのは興味深いですね。

このテッセイには「エンジェル・リポート」と呼ばれる仕組みがあります。現場でコツコツと頑張っている人たちを、現場の上司や仲間たちが褒める仕組みで、一つひとつは小さいが、清掃の現場で起きている「ちょっと素敵な話」の数々。そこには、仕事とは何か、働くとは何か、そして経営とは何かを改めて考える大きなヒントが詰まっているのだと。

駅前が汚い街はダメだと思っている  土地の文化を取り入れたデザインで、鉄道とその土地の“光”を再生するというコンセプトを掲げ、活躍を続ける水戸岡英治氏は、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」ほか12路線を設計したことでも知られます。その水戸岡氏は、ある「街おこし会議」で「駅前が汚い街はダメだと思っている」と語気強く発言されたことがありました。

「街づくりは、デザインの中でも最も難しい。一番大切なのは、そこに住んでいる人たちの意識を変えることです。そこを変えられなければ、街なんて変わらない」。じゃ、何をすればいいか。「私は駅前が汚い街はダメだと思っている。街が汚いのは、その街の住民の意識が低いから。だから、毎週みんなで掃除する。そこから始めないとダメなんです」。

ナイチンゲールの掃除力  クリミア戦争中、彼女が配属されたスクタリ英国陸軍病院の、院内での兵士の死亡率は42%にもなっていました。そこで、衛生委員会を組成し清掃活動をしたところ、なんと半年で院内での兵士死亡率が2%にまで下がったのです。これは、病院自体が換気できなく、下水道の上に建っていたことが最大の原因でした。

ナイチンゲールはこの経験から、どんなに優秀な医師や看護師がいても、衛生管理がなされていないと、根本的な死亡率が低下しないことを痛感しました。そして、彼女はその後の活動を環境整備に重点を置くようになりました。1859年に発表した『病院覚え書』では排水設備、床、壁の素材、なかでも換気を最重要とした病院建築を呼びかけました。

参考文献:『新幹線お掃除の天使たち』(遠藤功著/あさ出版刊)

AERA』(朝日新聞社/2013610日号)他

『夢をかなえる「そうじ力」』(舛田光洋著/総合法令刊)

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