アドベンチャー精神はどのように育まれるのか?
子どもが果敢に新しいことに挑み、冒険することができるのは、失敗しても守ってくれる、自分には帰る場所があると思うことができる「安全基地」があってこそだ。安全基地があることで、目新しいこと、不確実なことに対しても意欲的に向き合おうという気持ちが起きる。
この「安全基地」の概念は、もともとは子供と保護者間の問題だった。 「安全基地」というのは、イギリスの心理学者ジョン・ボウルビィが提唱した理論「愛着理論」に基づく考え方。人間は生まれたときから目新しいことに挑戦することで、成長を遂げる。でも、新しいことにチャレンジするには、意欲が必要だ。その意欲を支えるのが、会社での上司と部下との関係、教師と生徒の関係にも通じる安全基地の概念なのだ。
ボウルビィが発見したのは、子どもの発達にとって父母などの保護者が与える心理的な「安全基地」が不可欠であるということだった。問題行動を起こす人の多くに、どうも幼い時にこの安全基地となる環境が欠けていたらしい。そこで、保護者が子供たちが幼いころに安心感を与えることが、いちばん大切なのだとボウルビィは提唱した。
山で亡くなる登山家の8割が、下山のときに遭難する 世界最高峰のエベレストをめざす登山家には、登頂前に、必ずやっておかなければならないことがあるそうです。それは「次の目標を立てること」。エベレストは登山家にとって、最も厳しい山です。山頂までの登山の過程があまりにも苦しいために、山頂に立ったときに、もうこれで思い残すことはない、と思ってしまうことがあるのだとか。
そのため、下山のときこそ、必ず生きて帰るという強い意志を持つことが必要になります。生きて帰ったら自分の体験を本にするとか、自分の記録を塗り替えるような次世代の登山家を生み出す学校を作るとか、まったく新しい冒険に挑戦するなど、生きて帰る理由をきちんと持ってから登らないと、登頂後、すぐにバーンアウトしてしまうのだそうです。
ソフトドリンクのサンプル提供実験から 実験前に、「あなたは冒険心のあるタイプで、新しいことを試すのが好きですか?」と尋ねると、ほとんど全員(72人中70人)が「はい」と答えました。その後連絡先を尋ねると75.6%の人がメールアドレスを教えてくれました。ところが、同じテスト「無料サンプルを差し上げますので、メールアドレスを…」では、33%しか教えてもらえなかった。
なお、本稿は8月30日「冒険家の日」にちなんでいますが、この日は、1965年(昭和40年)同志社大学南米アンデス・アマゾン遠征隊がアマゾン川の源流から130kmを世界で初めてボートで下った日であること、もう一つは。1989年(平成元年)に海洋冒険家の堀江謙一氏が世界最小(全長2.8m)ヨットで太平洋単独往復を達成した日でもあります。
参考文献:『化粧する脳』(茂木健一郎&恩蔵絢子著/集英社刊)
『元気になる法則』(福島正伸著/中経出版刊)
『影響力と説得のための革命的瞬間』(ロバート・チャルディーニ著/誠信書房刊)
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