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2023年10月

2023年10月22日 (日)

新聞広告のユニークな「人材募集」と「商業広告」等

人材募集3例

1900年、ロンドンの新聞に掲載され人材募集が注目を集めた。その特異な内容は、「冒険旅行の隊員求む。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る」であった。募集したのはイギリスの南極探検隊を率いた極地探検家で、南極探検の英雄時代の主役の一人であるアーネスト・シャクルトン。

ある牛乳取扱店が「アルバイト募集 時給いくらいくら まるまる牛乳店」のチラシを打ったが、電話が一本鳴っただけで、応募者はゼロ。そこで店主は、チラシ広告にある工夫をほどこした。すると次には10人近い応募があったという。店主がチラシにほどこした工夫はただ一か所、「牛乳店」を「ミルクスタンド」に変えたこと。

日本にも関連会社が数多く進出している広告業界の巨人オグルヴィ・アンド・メイザー社の事例。その内容は、「当社海外支社の一つが、今『類まれな白鳥』を求めています」というもの。この類まれな白鳥を、英語ではトランペッタースワンと。天才であり、かつスタッフを奮起させるリーダーシップも兼ね備えている存在を指すそうです

商業広告3例

新聞コラム横の2段突き出し広告を立て原稿と横原稿で多少内容を変えて打ったケース  答えは、横書きが32件、縦書きが87件。そもそも、読者はなぜ新聞を読む? それは記事を読むため。すると、パッと見て、広告とわかるものについては飛ばして読もうとする。つまり広告は、広告っぽいほど、消費者に[私には関係ない」と無視されるらしい。

タイトルを変えただけで 問い合わせが10倍になったケース 「経費節減は、まず航空券から/航空券予約前に、まずご一報を」これで3件の問い合わせ。対して、「まだ、ムダ金を航空券に使いますか?」(2行分に1行なので、その分文字Q数は上がる)にすると、30件問い合わせがあった。

江戸時代から長い歴史を持つ八味地黄丸(8つの漢方薬)のケース  さまざまな効能がある伝統薬を、カネボウ(現クラシエ)がこの薬を扱っていたが、新聞広告をしてもなかなか消費者の反応が良くなかった。そこで効能を中高年男性の悩み解決に役立つ頻尿と目のかすみの2つに絞り込んだところ、以前よりも売れ行きが上がった。

参考文献:『集客のルール』(岡本士郎著/明日香出版社刊)

『広告の巨人オグルヴィ語録』(デイヴィッド・オグルヴィ著/ 海と月社刊)

『あなたの会社が90日で儲かる!』(神田昌典著/フォレスト出版刊)

『戦略思考トレーニング2』(鈴木貴博著/日本経済新聞出版社刊)他

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2023年10月17日 (火)

存在感ある宝塚出身の女優たちとその生みの親

あるウェブに現在活躍中の天海祐希さん、檀れいさん、黒木瞳さん、真矢みきさん、真琴つばささんが登場しますが、その先輩格には大地真央さん、小柳ルミ子さんもいらっしゃいます。ご年配の方には八千草薫さん、朝丘雪路さん、寿美花代さん、扇千景さんも忘れられないでしょう。歌のお姉さん森晴美さん(8代目)、はいだしょうこさん(19代目)も。

宝塚歌劇団が設立された「宝塚駅」は、阪急電鉄が運営している鉄道事業においては、1907年(明治40年)に設立された箕面有馬電気軌道が、1910年(明治43年)310日に現在の宝塚本線・箕面線にあたる梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 宝塚駅間、石橋駅(現在の石橋阪大前駅) - 箕面公園駅(現在の箕面駅)間を開業したときに始まる。

当時の箕面有馬電気軌道は阪神電気鉄道(大阪-神戸)など既に発展している都市間を結ぶ路線と異なり、郊外の田園地帯を走る路線であったため、乗客数は少なく経営基盤は貧弱であった。実質的な創業者である小林一三氏は鉄道需要を創出して経営を安定させるため沿線開発に力を入れた。

当時、人口増加が著しかった大阪市は過密化や工場の公害によって住環境が悪化していた。そこで郊外の自然豊かな沿線に住宅地を新たに作り、その居住者を電車で都心へと運ぶアイディアを考案し、路線建設時にもともと地価の安かった沿線の土地を買い上げ、日本初の住宅ローンを活用した戸建て住宅地の分譲販売を行った。

また終点の宝塚周辺では大阪方面からの客を呼び込むために宝塚新温泉、宝塚唱歌隊(後の少女歌劇団、現在の宝塚歌劇団)などの事業を多角的に展開し、現在では当たり前にもなった鉄道会社が沿線開発を行って、自ら鉄道需要の創出を行うという考えの基礎を作り上げ、これをモデルに関東では東急電鉄、西武鉄道などが追随した。

文化の創出者としての一面 1920年に梅田に5階建ての阪急本社ビルが完成すると、小林氏は、3階以上を本社事務所にして、2階を阪急直営の「阪急食堂」に、1階を「白木屋」にレンタルすることにした。白木屋とは売り上げ歩合制にしたが、これは、毎日の売上実績データを入手することでターミナルデパートの可能性を探ることができると踏んだからである。

そして、192711月には地下2階、地上8階建ての巨大ビルディングの建設に着手。1929年(昭和4年)415日、阪急電鉄直営の「阪急百貨店」が鉄道駅に直結する、世界初のターミナルデパートとしてオープンした。同時に、日本的パッサージュ「阪急梅田駅コンコース」もこのときに着工されました。

「パッサージュ」とは、19世紀の古き良きパリを感じられるレトロなショッピングアーケードのことです。宝塚歌劇団の創設、世界初のターミナルデーパート。そして、そのデパートの前身時代から広いスペースの食堂を開設し、食堂の常識を逸脱してライスのみの注文にも応ずるなど、新しい日本の文化の創出に果たした役割は計り知れません。

※参考資料:『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』(鹿島茂著/中央公論新社刊)    Wikipedia:「阪急電鉄」「宝塚歌劇団」

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2023年10月11日 (水)

「メンタルヘルス」に関する研修資料から

・最近のメンタルヘルス事情  新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本国内でうつ病・うつ状態の人の割合が2倍以上に増加したことが、経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルス(心の健康)に関する国際調査でわかった。他の先進国でもパンデミック(大流行)以降、2~3倍に増えており、OECDは対策の強化を呼びかけている。

メンタルヘルス(英: mental health)とは、精神面における健康のこと  精神的健康、心の健康、精神保健、精神衛生などと称され、 主に精神的な疲労、ストレス、悩みなどの軽減や緩和と それへのサポート、メンタルヘルス対策、あるいは精神 保健医療のように精神障害の予防と回復を目的とした 場面で使われる。

うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由か ら脳の機能障害が起きている状態。脳がうまく働いてくれないので、ものの見 方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまう。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという悪循環が起きる。(出典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルスHP

仕事以外のストレスの原因(ライフイベントの順位)

1、配偶者の死   2、離婚   3、夫婦の別居  4、留意所などへの拘留 

5、家族の死 6、けがや病気 7、結婚 8、失業 9、夫婦の和解 10、退職

※ワシントン大学でホームズらが1967年に発表した(社会再適応評価尺度)より

怒りのコントロール法(2秒間待つだけの簡単対処法)

※その場を離れて2秒間待つ。お手洗いに行く、お水を飲むなど。

※自分の怒りを数値化する 怒りの温度を010段階として、0が「怒っていない」、10が「人生最大の 怒り」など、数値化することで、自分の怒りも客観的に見る。

1.怒りが湧いてきたらとにかく黙る 2.怒らないと決めるだけで怒りの20%は減る 

・良好な日常を過ごすには(1)

1.休養、睡眠     2.運動、食事     3.リラクゼーション

4.ソーシャルサポートの活用     5.良好なコミュニケーション

6.カウンセリングの活用     7.生活の中に”笑い”をたくさん取り入れる

8.思考が全ての源! 何事も前向きにとらえる

・良好な日常を過ごすには(2)リフレ―ミング(フレームを変えてみる)

頑固 ⇔ 信念を持って行動している 意志が強い

飽きっぽい ⇔ 好奇心が強い 新しいことチャレンジできる

うるさい ⇔ 明るい 元気がいい 活発である  

あわてんぼう ⇔ 行動的 機敏に取り組む 

調子に乗りやすい ⇔ ノリがいい 雰囲気を明るくする 

メンタルヘルスの現状(調査結果)とラインケア

「強い不安」、「悩み」、「ストレス」の内容(3つ以上の複数回答)

1.職場の人間会計の問題 41.3

2.仕事の質の問題 33.1%

3.仕事の量の問題 30.3%

仕事上でストレスを感じている原因

1.上司との関係45%前後 2。仕事内容29%前後 3。給与・雇用形態24%前後

4.同僚 18%前後(男女差が一番大きい 男性24.4%、女性14.3%)

4 仕事量 18%前後(男女差は 男性23.8%、女性14.1%)

参考資料:(出典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルスHP)など

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2023年10月 6日 (金)

バフェット流「投資法」「タイミング」「スタンス」投資法について

投資法について 「(株式市場は)短期的に見ると人気投票機のようですが、長期的には企業価値を計る計量機です。ウォール街では、「もちろん、それは安いですが、この先値上がりすることはありませんよ」などと言いますが、それはばかげてます。人々が投資で成功してきたのは、よい企業とずっと付き合ってきたからです。遅かれ早かれ市場は企業価値を反映します」

「自分が本当によく理解しているものに対して、ちょこっとしか手を出さないなんて、いいとは思いません。私は何であれ、ちまちまとやりたくない。なぜなら、ちまちまとやる理由は、あまり自信がないからですよね。だったら、そんな考えはすっぱり忘れて、自信をもってやれることをやります」

「投資はシンプルに 自分が良く理解している企業をいくつか選び、その中から企業価値や経営陣の善し悪し、経営難の期間の長さなどの点で基準に達しないものを排除」「勝つための秘訣 試合に勝つ選手は競技に集中している。スコアボードばかり気にする選手はダメ。株価を見ずに週末を楽しく過ごせる人は、平日もそうするとよいでしょう」

タイミングについて「勘とか虫の知らせとか、そういうものはまったくありません。私はただ腰を落ち着けて、ひとつの会社の将来展望はどうなのか理解しようとしているだけです」「我々にとって一番好都合なのは、よい会社が一時的なトラブルに見舞われたときです……我々はよい会社が手術台に乗った時に買いたいのです」

「私の考えでは、株を買ってよいのは、その企業のあらゆる要素を考慮したときに、その株が本来の価値よりも低い価格で売られていると思ったときだけです」「今日魅力的なものを、明日はもっと魅力的になるだろうと思って見逃してはいけません」「年に一度、正しい判断ができればそれでいいんです」

「景気が良いときというものは、シンデレラが舞踏会にいるときのようなものです。彼女は12時になったらすべてがカボチャとネズミになると知っています。でも舞踏会はあまりに楽しすぎて、周りにいる人々も立派だし、酒もどんどん出てくるし、ホールの壁には時計もない。それが資本主義の社会に起こったことです」

投資に対するスタンスについて 「世の中は、こんなお買い得品があるよ、と教えてはくれません。堀り出しものは自分で見つけなければならないのです」「企業を評価する際の、唯一の、最も重要な判断材料は、価格決定権です。競合相手に顧客を奪われることなく商品の価格を上げることができれば、それはとてもいい会社です」

「技の難易度はオリンピックでは重視されます。でも、ビジネスでは難易度は関係ありません。とても難しいことを成し遂げたからといって加点されることはないのです」「人がやっているから我々もやらなくてはいけない」という陳腐なセリフは、どんなビジネスでもトラブルのもととなります」

「第一に、市場に蔓延する不安は投資家にとって味方です。なぜなら、それはいいものが安く買えるチャンスが増えるからです。第二に、個人的な不安は投資家にとって敵です。そういう不安は根拠もありません。堅実な財務運営を行っている選りすぐりの大企業に、じっくり長期間付き合っていれば、必ずといっていいほど利益が上がります」

参考文献:『ウォーレン・バフェットの生声』(デービット・アンドリュー編/文響社刊)

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2023年10月 2日 (月)

知っておきたいクリーニング業法による依頼者保護

クリーニング店の約款に「スーツ上下など、一組になったものの片方が紛失した場合には、片方の賠償だけさせていただきます」「お客様が当店から品物をお引取りになって一か月以降は、いっさいの苦情は受け付けません」などが明記されていることがあります。普段は気にしていなくても、いざトラブルが発生すると納得できないこともあるでしょう。

たとえば背広のズボンだけなくなった場合、上着だけで着用できるものではありません。ですから、法的にはズボンが紛失したことで、上着の価値も喪失したことになり、このような場合はスーツ上下両方の価格から賠償額が算定されます。ワンピースのベルトがなくなったりした場合は微妙な感じがしますが、元々のセット商品ならスーツ同様の扱い。

多くの業者の約款では「引渡し後一ヶ月以上の面倒はみない」となっていることが多いようですが、「クリーニング標準約款」では、「引き取ってから半年以降は苦情を申し立てることはできない」となっています。また、「通常コースでの事故の際の賠償金額は5万円まで」も、注文ランクによってクリーニング店側が賠償額を限定することはできません。

クリーニング店のシミ抜きに関するエピソード  『日本一の秘書』という本の著者(リアリティを大切にするタイプ)は、食事時にワイシャツにシミをつけることが多かったという。必然、クリーニング店にお世話になることが多かったが、いくつか店を変えても、なかなか満足な仕上がりが得られなかった。そこで、評判のクリーニング店の腕前をチェックしようと思い立ったという。

実験のためには、派手にシミのついたシャツが大量に必要となる。以下は、衣類にシミがつくのをじっと待っていたときの体験なのだが、不思議な事が起こった。「シミをつけたい」と念じながらスパゲティを食べると、パスタの先からトマトソースがシャツに跳ね返ったりしないのだ。シミをつけたいと思えば思うほど、シミはつかない。

そこで、これまでの体験を思い起こすと、シミがつくのを恐れて、こわごわフォークを動かしていた。すると、てきめん、トマトソースはシャツの袖口や胸元にはねてシミを作ったのだ。この体験から著者はひとつ学んだ。パスタや赤ワインが出たときはおそれてはいけない。「シミなんかいくらついても構わない、といった態度で悠然と食べることだ」と。

コーヒーカップとクリーニグ代、どちらが高くつく  コーヒーを運ぶ熟練ウェイターは、体勢を崩したらそのままカップを床に落とすそうです。カップは消耗品であり、一杯分のコーヒーのコストもしれているとわかっているからです。ところが、新米ウェイターは、一杯のコーヒーを救おうと体勢を崩しながらも一歩も二歩も足を進めてしまうとか。

結果、お客さまの洋服にコーヒーをかけてしまうことになりかねません。大げさにいうと二次被害を引き起こしてしまうのです。店側が平謝りしなくてはならないわ、クリーニング代は出さなければいけないわ……といった大事に発展してしまいかねないのです。「損して得取れ」の諺は、まさにこのような状況を指しているのかも。

参考文献:『ニホンを洗濯する クリーニング屋さんの話』(鈴木和幸著/駒草出版刊)

『日本一の秘書』(野地秩嘉著/新潮社刊)

『「教え方」の教科書』(古川祐倫著/すばる舎刊)

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