新聞広告のユニークな「人材募集」と「商業広告」等
人材募集3例
1900年、ロンドンの新聞に掲載され人材募集が注目を集めた。その特異な内容は、「冒険旅行の隊員求む。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る」であった。募集したのはイギリスの南極探検隊を率いた極地探検家で、南極探検の英雄時代の主役の一人であるアーネスト・シャクルトン。
ある牛乳取扱店が「アルバイト募集 時給いくらいくら まるまる牛乳店」のチラシを打ったが、電話が一本鳴っただけで、応募者はゼロ。そこで店主は、チラシ広告にある工夫をほどこした。すると次には10人近い応募があったという。店主がチラシにほどこした工夫はただ一か所、「牛乳店」を「ミルクスタンド」に変えたこと。
日本にも関連会社が数多く進出している広告業界の巨人オグルヴィ・アンド・メイザー社の事例。その内容は、「当社海外支社の一つが、今『類まれな白鳥』を求めています」というもの。この類まれな白鳥を、英語ではトランペッタースワンと。天才であり、かつスタッフを奮起させるリーダーシップも兼ね備えている存在を指すそうです
商業広告3例
新聞コラム横の2段突き出し広告を立て原稿と横原稿で多少内容を変えて打ったケース 答えは、横書きが32件、縦書きが87件。そもそも、読者はなぜ新聞を読む? それは記事を読むため。すると、パッと見て、広告とわかるものについては飛ばして読もうとする。つまり広告は、広告っぽいほど、消費者に[私には関係ない」と無視されるらしい。
タイトルを変えただけで 問い合わせが10倍になったケース 「経費節減は、まず航空券から/航空券予約前に、まずご一報を」これで3件の問い合わせ。対して、「まだ、ムダ金を航空券に使いますか?」(2行分に1行なので、その分文字Q数は上がる)にすると、30件問い合わせがあった。
江戸時代から長い歴史を持つ八味地黄丸(8つの漢方薬)のケース さまざまな効能がある伝統薬を、カネボウ(現クラシエ)がこの薬を扱っていたが、新聞広告をしてもなかなか消費者の反応が良くなかった。そこで効能を中高年男性の悩み解決に役立つ頻尿と目のかすみの2つに絞り込んだところ、以前よりも売れ行きが上がった。
参考文献:『集客のルール』(岡本士郎著/明日香出版社刊)
『広告の巨人オグルヴィ語録』(デイヴィッド・オグルヴィ著/ 海と月社刊)
『あなたの会社が90日で儲かる!』(神田昌典著/フォレスト出版刊)
『戦略思考トレーニング2』(鈴木貴博著/日本経済新聞出版社刊)他
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