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2023年12月21日 (木)

『タイム誌』が取り上げた9家族の調査

親は普通で、生まれた子供がすべてそれぞれの道で成功を収めている9家族を調査した結果報告。ただし、親は普通の人々で、親の七光りは皆無。この9家族の教育から共通点を引き出すと、次の6つの要素「移民」「親の教育熱心度」「親の社会活動」「家庭環境」「子ども時代の臨死体験」「親の教育方針(幼児教育と放任主義)」が見えてきた。

第一は、ほとんどが他国からの移民でした。移住者はそれだけで、本国人に比べてすべての面でハンディキャップを負います。簡単に言えば、百メートル競走を、スタートラインの後方、5メートルか10メートル地点から、スタートするようなものです。しかしこのハンディが、子どもたちに負けてなるものかという向上心と忍耐強さを与えていました。

第二に、両親は子どもの小さい頃、教育熱心でした。0歳から5歳までの学校教育以前の早い時期に、子供たちにさまざまなことを学ばせていました。つまり学ぶ心を、就学以前に植えつけていたのです。

第三は、親が社会活動家であり、世の中をよりよく変えていくための運動をしていました。子どもは親の行動を通して、社会の不合理を学びとり、それを変革していく姿勢を学んでいたのです。いわばこうして自分を取り巻く世界の理解を深めたのです。

4は、家庭の中が決して平穏ではなく、両親の言い争い、きょうだい喧嘩と無縁ではなかった点です。とはいっても両親の争いは決して暴力沙汰ではなく、社会の見方の違いからの意見の突き合せのようなものです。不登校や万引、喫煙、殴り合いの喧嘩も、子どもたちは十代の頃経験しています。移民の子としていじめられた子供もいますが、これが却ってなにくそという精神力を培っていました。

5は、子供時代に人の死を何度も見て、生きていることの貴重さを学んでいる点です。人の死を知ることは、自分の人生の限界を知ることに直結します。だからこそ、生きているうちに自らのやりたいことを成し遂げる馬力も、生まれてくるのでしょう。

最後の6つ目は、丁寧な幼児教育の後の、放任主義です。すべての子供が、何をしても許されたと言います。すべてを自分自身の責任に任されると、逆に子供は野放図なことはできません。「お前たちは、他人のゴールには絶対辿り着けない。お前がテープを切れるのはお前のゴールだけだ」と言われたのです。

この6つ「移民」「親の教育熱心度」「親の社会活動」「家庭環境」「子ども時代の臨死体験」「親の教育方針(幼児教育と放任主義)」のどれも、いわゆる教育ママやパパのやり方とは正反対。親が敷いたレールに子供を乗せ、猛スピードで後ろから押して行く方法とは好対照。そこに、私たちはネガティブ・ケイパビリティ(*)の力を見ることができます。

Wikipediaによると、ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability)は詩人ジョン・キーツが不確実なものや未解決のものを受容する能力を記述した言葉で、日本語訳は定まっておらず、「消極的能力」「消極的受容力」「否定的能力」など数多くの訳語が存在。

※参考文献:『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生著/朝日新聞出版刊)

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