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2024年4月11日 (木)

さまざまな美術館(展)とその楽しみ方

《パックマン》はなぜMOMAに所蔵されているのか

このゲームは、1980年に現バンダイナムコエンターテインメントから発売されたアーケードゲームです。プレーヤーは、迷路のなかでパックマンを操作し、「ゴースト」を躱わしながら「クッキー」を食べ尽していきます。世界中で一大ブームを巻き起こし、発売から7年間も増産されるなど、最も成功した業務用ゲーム機の1つとして知られています。

美術館はこのゲーム全体、つまり「コード」を所蔵しており、ある展示では、このゲームが実際にプレイできる状態で展示されていました。1920年に野心溢れる3人の女性たちを中心に設立されたMOMANY近代美術館)は、近現代美術専門の美術館だが、この作品の収蔵にはイギリス、アメリカの有名ジャーナリズムから批判があったという。

これに対し、このゲームの所蔵に携わったキャリア25年の学芸員は、「率直なところ、私はビデオゲームや椅子がアートかどうかという議論にはまったく興味がありません」と切り返し、さらに「デザインというものは、人間の創造的表現の中で最高の形式の一つだと考えています。偉大なデザインを有するものならそれで十分すぎることなのです」と。

モネの《睡蓮》にカエルが描かれているか?

岡山県にある大原美術館(倉敷の実業家大原孫三郎による日本で最初の西洋・近代美術館として1930年に開館)で、4歳の男の子がモネの《睡蓮》を指差して、「カエルがいる」といいました。さて、この絵にカエルは描かれているか。描かれてはいません。それどころか、モネの作品群である《睡蓮》には、「カエル」が描かれたものは1枚もないのです。

では、男の子はどこにカエルを見たのでしょうか? たまたまその場にいて、カエルが描かれていないことを知っている学芸員が、「えっ、どこにいるの」と聞き返したところ、その男の子は「いま水にもぐっている」とこたえました。これもひとつのアート鑑賞のあり方との解説が『13歳からのアート思考』という本に紹介されています。

世界的建築家のベースとなった栃木の2つの美術館

広重美術館が2000年に海外で話題作となりました。設計を担当した建築家の隈研吾氏は、地元の職人と一緒に作ると決めて、和紙は、地元の和紙職人が手漉し、石は、地元の石切り場で採れるグレーの地味な石を使いました。木はもちろん裏山のスギです。屋根もすべて地元産のスギを使い、徹底的に地元を大事にすることで完成したのが広重美術館です。

非常にアクセスの悪いこの美術館をCNNが取り上げ、世界中に放映されました。もう一つは石の美術館(ほとんど無報酬で、御歳70歳の二人の石の職人さんと五年をかけて竣工)。この石の美術館は、イタリアの「石の建築賞」を2001年に受賞。こうした予想外なことが重なり、隈氏は海外からコンペやコミッションなど多くの依頼を受けるように。

名画にこの過激とも思えるコピーはありか 

美術展でゴヤの「二人のマハ」が展示されたときの、着衣のマハの絵に、きわめつきのこのコピー「私をこのまま帰す気?」が。マハの目線で訴えたわけ。確かに、寝そべる美女にそう言われては、黙っているわけにはいかなくなる。要件をしっかりアピールし、ちょっとセクシーで、クスッと笑いも起きる。これぞプロのコピーというものだろう。

※参考文献:『13歳からのアート思考』(末永幸歩著/ ダイヤモンド社刊)

『隈研吾という身体』(大津若果著/ NTT出版刊)

『日本語の技法 読む・書く・話す・聞く―4つの力』(斎藤孝著/東洋経済新報社刊)

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