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2024年5月13日 (月)

詩歌に詠みこまれた「母の日」の記憶

『角川 現代短歌集成 第2巻 人生詠』20091130日初版発行 角川学芸出版刊より

◆家族 「母」 327341頁 329首中 「母の日」が詠み込まれている短歌は6

八十五の翁となれど母おもへば

ただになつかし今日は母の日  窪田空穂『木草と共に』(64年)

「なまみづ」や「なまきず」という音感と

ゆらゆら棲みぬ母の日きのう  米川千嘉子『たましひに着る服なくて』(98年)

 

母の日も母の姿は常のごと

茄子畑の草這うやうに引く  今野金哉『究竟頂』(00年)

母の日のバラの花首萎えたれば

五月の風に吊るしておくなり  黒沼春代『ゆりかごのうた』(03年)

 

母の日に母なかりしよ一木に

添いてゆうらり草の風鐸  百々登美子『風鐸』(05年)

ははの日を祝う母無しふらここの

夕べ緑の風に軋みぬ  吉濱みち子『春灯』(09年)

 

『秀句350 34 「母」』 伊藤敬子編 199441日初版 蝸牛社刊より

「Ⅰ 春」より「母(はは)の日」の登場する12句及び「母(はは)」の登場する6句

母の日や母亡く母と呼ぶ子なく 山下直子

母の日や息子が造る手巻き寿司 皆川貞子

母の日の母連れて来ぬ百花園 北澤瑞史

母の日の母を饒舌たらしめむ 佐久間慧子

母の日の島を遠目に足浸す 吉田鴻司

母の日や何もせずとも母とゐて 大橋敦子

 

母の日や大きな星がやや下位に 中村草田男

母の日や紡ぐごとくにハープ弾く 赤松蕙子 

母の日に亡き母と聞くほととぎす 広瀬釣仙

母の日や大方の母けふも疲れ 及川 貞

母の日や何もせずとも母とゐて 大橋敦子

母の日に提げてごくらくいろの花 長谷川双魚

 

春著着し母の外出に目ざとき子 稲畑汀子

もう誰もははを叱らず桐の花 菅原鬨也

やや派手を母にすすめて花衣 中村明子

手のひらに母の温もり蓬餅 内藤 豊

傷舐めて母は全能桃の花 茨木和生

立春や母の小包日の匂ひ 柴田左田男

 

2024512日にXに投稿&stand.fm(vol.94)の 葉 祥明作『母親というものは』学習研究社刊より3

嬉しいことがあった時 一番先に 知って欲しいのは 母さん

悲しいことがあった時 一番初めに 知って欲しいのも 母さん

 

大きかった 母さんが 小さくなり 小さかった 私が 大きくなった

でも

こころの中の 母さんは今でも大きくて 私は 小さな子どものままです

 

母さんが いなくなったら 故郷(こきょう)に帰る 理由がなくなりました 

母さんの いない故郷になんか 帰る気がしません

「故郷」って 母さんのことでした!

 

※参考文献:『角川 現代短歌集成 第2巻 人生詠』(角川学芸出版刊)

『秀句350 34 「母」』(伊藤敬子編/蝸牛社刊)

『母親というものは』(葉 祥明作/学習研究社刊)

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