運命の本に出合うための図書館の活用法 探している本に出合うのは難しい⁉
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(福井県図書館(講談社)という本があります。これはネットで話題になった図書館関係者の「覚え違いタイトル」の実例を集めたもの。たとえば、タイトルにある「100万回死んだねこ」ですが、正しい本のタイトルは『100万回生きたねこ』。ロングセラーとして有名な絵本です。
近年、タイトルの長い本の出版が増えていますが、その典型といえるかもしれない例が同書籍に紹介されています。それは「『年だから解雇よ』みたいな本…」ありますか?」です。これだけの情報をもとに図書館司書が行き当たったのは、『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』だったとのこと。実に奥深い。
検索は「全文ひらがな」と「助詞抜き」がオススメ 福井県立図書館の場合、司書が検索するとき、タイトルならば基本的に全文ひらがなで入力するとのこと。図書館の検索システムはGoogleなどの検索エンジンとは仕様が違うため、正しくはひらがな表記のところを漢字にしてしまうとヒットしないらしい。ところが、ややこしいことに、著者名は逆に漢字で検索したほうが見つかりやすくなることがあると。
たとえば福井県立図書館の蔵書検索で開高健の著作を探すときに間違って「かいこうけん」と入力しても見つかるが、図書館によっては正しく「かいこうたけし」で検索しないとヒットしない場合があるとのこと。このあたりは導入している検索システムによって異なるので、レファレンスカウンダ―でその図書館のシステムの確認はしておきたい。
それからもうひとつ〝助詞の罠〟にも注意。『NHK出版から出ている、「感性と哲学」はないですか?」の問い合わせに、福井県立図書館では、「かんせい てつがく」と間にスペースを入れて検索する。検索システムが「てにをは」を間違っているとヒットしないためで、助詞を抜き、複数のキーワードから探すと正しい『感性の哲学』に到達する。
なおGoogleで調べる場合、検索対象が多く、「かんせい てつがく」ではなかなか書籍情報にたどり着けないらしい。対して、図書館の蔵書検索は基本的に書籍しか登録されてないため、こうしたやり方が合理的とのこと。Google検索をよく使う人ほど勝手の違いから戸惑いは大きいようだが、図書館検索術を身に付けるとヒット率は格段に向上すると。
上記以外の勘違い問い合わせ例 「手術はしたけど首から下が動きません」という本を探しているんだけれど…このようなケースでの図書館司書の利用者へのレファレンス・インタビューは「どんな話ですか?」「どこで本の存在を知りましたか?」「日本の本ですか?」「新しい本か古めの本か、わかりますか?」。レファレンスにおいてはこの過程がとても大事だとか。
このケースでは、「そういえば、以前この図書館の闘病記コーナーに置いてあった」との情報を手掛かりに、「手術はしたけど首から下が動きません 闘病」をGoogleでも検索。その結果『命の授業 30万人が泣いた奇跡の実話』に行き着いたそう。なお、この本の帯に「手術はしたけど首から下が動きません」と似た文言の記述があったとのこと。
※参考文献:『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(福井県図書館編/講談社刊)
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