橋物語「自殺防止」「執筆法」「告白」
その昔のイギリスの話です。ブラックフライヤーズ橋という自殺の名所といわれた、文字通り黒い橋がありました。何とか自殺を減らしたいと考えた市の行政官は、橋の色を黒から明るい緑色に塗り替えました。すると、色を変えただけなのに、自殺者が3分の1に減ったのです。緑色はアセチルコリンを分泌させ、ストレス解消という効果があるとか。
青色灯の自殺防止、防犯効果と麻薬中毒の関係
青色防犯灯も犯罪の予防効果があるといわれている。イギリスの都市グラスゴーで景観のために街灯を青色に換えたら犯罪が減った(青色だと静脈が見づらく麻薬中毒者が去った?)ことが発端となり、今や日本各地の自治体や自殺の多い駅のホームにも採用されている。他の場所と雰囲気が違うことを警戒して犯罪や自殺が減ると考えられている。
「ヘミングウェイの橋」と呼ばれる執筆法
彼は物語の展開がわかっているときだけ、その日の筆を擱くようにしていたのです。アイデアとエネルギーをすべて出し尽くしてその日を追えるのではなく、次の話の分岐点が鮮明になったところで終わりにする。そうすることで、次の日にまた取りかかるときは、話が見えているのでスタートが簡単だからなのだと。
吊り橋効果
アメリカで行われた心理学の実験では、危険な場所にいた男性ほうが、同一女性に倍くらいの魅力を感じた。ゆらゆら揺れる不安定な橋の上では、手すりを強く握りしめなければならないため、緊張の中で男性の心臓が早く鼓動し、息を切らし、汗をかいていたのでしょう。状況による生理的な違いが感性に働きかけた可能性が指摘されている。
実験は、ブリティシュ・コロンビア州の公園で行われた。魅力的な女性調査員が男性たちに近寄り、「授業の一環として、風景の美しさに関する調査をしているので、質問に答えてください」と言う。研究者たちは、質問に答えた男性のうち、その後何人がアシスタントの女性に電話をかけデートに誘ったか、声をかけられた場所別にその人数を記録した。
すると驚いたことに、安全な場所にいた男性よりも、深い渓谷にかかっている、渡るのに勇気のいる吊り橋の上にいた男性のほうが、女性に魅力を感じる確率がはるかに高かった。橋の上で話しかけられた男性のうち、65%が彼女に電話し、デートに誘った。ベンチで女性に話しかけられた男性のうち、電話をしてデートに誘ったのは36%だった。
吊り橋は高所だから緊張する。高所恐怖症でなくても多少はドキドキする。そうしたドキドキ時に告白されると、脳はおバカさんなので、そのドキドキしている理由を勘違いしてしまう。「あれ、自分はときめいているのか?」と。つまり、本当は吊り橋が怖くてドキドキしているのに、「告白してきたあの人が魅力的だから…」と早とちりするらしい。
※参考文献:『感性がビジネスを支配する』(小暮桂子&青木かおり著/フォーストプレス刊)
『仕掛学』(松村真宏著/東洋経済新報社刊)
『時間に追われない「知的生産術」』(ティアゴ・フォーテ著/東洋経済新報社刊)
『一瞬の表情で人を見抜く法』(佐藤綾子著/ PHP研究所刊)
『単純な脳、複雑な「私」』(池谷祐二著/朝日出版社刊)
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