日々の生きる姿勢が最大の老化防止策⁉
65歳から90歳までの入居者の自己決定権の認識を操作する実験
施設の世話係が、2つの階の入居者を別々に集め、ある階では入居者一人ひとりに鉢植えを配り、鉢植えの世話は看護師がしてくれること、また自由時間(映画鑑賞、入居者との交流、読書、TV&ラジオ視聴等)のなどを含め、入居者にはある程度の自由は許されているが、彼らの健康は有能な職員が責任を持って管理する、というメッセージを伝えた。
これに対し、別の階の入居者には、一人ひとり好きな鉢植えを選ばせ、鉢植えの世話は自分でするように伝え、自由時間の使い方は別の階と同じ内容を伝え、この新しい施設を楽しい場所にできるかどうかは、入居者次第だということを強調し、「皆さんの人生ですよ。どんな人生にするかは、みなさん次第です」とのメッセージを伝えた。
選択権には多少違いはあったが、施設職員は2つの階の入居者をまったく同じように扱い、同様の世話をした。そして三週間後にどのような違いがあるかを調べたところ、選択の自由度が大きい入居者(後者)は、そうでない入居者に比べ、満足度が高く、生き生きしていて、身体的な健康状態は90%改善された。一方の階の人々には70%も悪化が見られた。
松下幸之助氏70歳時想起の「座右の銘」
パナソニック(旧・松下電器)を創業した松下幸之助氏が、晩年、座右の銘にしていた言葉があります。それは、「青春とは心の若さである/信念と希望にあふれ、勇気にみちて/日に新たな活動を続けるかぎり/青春は永遠にその人のものである」で、昭和四十年、幸之助翁が七十歳の時にサムエル・ウルマンの「青春」をベースにつくり上げたものでした。
サムエル・ウルマン「青春」(作山宗久訳)
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体 ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
青春とは怯懦(きょうだ)を退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、二〇歳の青年よりも六〇歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、熱情を失えば心はしぼむ。
苦悩・恐怖・失望により気力は地に這い、精神は芥になる。
六〇歳であろうと一六歳であろうと人の胸には、
驚異に魅かれる心、おさな児のような未知への探求心、人生への興味の歓喜がある。
君にも吾にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美・希望・喜悦・勇気・力の霊感を受ける限り君は若い。
霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ、悲歎の氷にとざされるとき、
二〇歳であろうと人は老いる。
頭(こうべ)を高く上げ希望の波をとらえる限り、
八〇歳であろうと人は青春にして已む。
※参考文献:『選択の科学』(シーナ・アイエンガー著/文藝春秋社刊)
『「青春」という名の詩 幻の詩人 サムエル・ウルマン』(宇野 収&作山宗久共著/産能出版部刊)
※参考Webサイト:https://konosuke-matsushita.com/column/cat64/leader48.php
https://mobility-career.jp/2022/10/10/seishun/
https://konan-es.com/past/8.hobby/hobby.htm
http://fukushima-net.com/sites/meigen/720
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