生き方の「知恵」を「スポーツ」に学ぶ
「挑戦的だが達成可能」の目安は「50-50(達成可能50%)」
選手やチームが目標設定を行うときの方法論としてよく紹介されるのが、「SMART Goal」と呼ばれる指標です。
Specific―具体的に Measurable―測定できる Aggressive,yet achievable―挑戦的だけれど達成可能 Relevant―適切で関連性がある Time bound―期限を設定する。
このスマートゴールは、年単位の大きな目標から、日々の練習における細かい目標設定まで、幅広く活用できます。なお、「挑戦的だけれど達成可能」の目安として、一番いいのは「フィフティフィフティー(達成可能50%)」です。少し厳しい目に設定したいなら「4対6(達成可能性40%)」くらいでしょうか。
スポーツ心理学の「ムカデの法則」
ある日、クモが細い畦道を歩いていたら、反対側から猛毒を持ったムカデがやってきた。このままでは、クモはムカデの餌食に…。そこで、クモは一計を案じた。ひたすら、ムカデを褒めたのである。「ムカデさん、あなたは本当に素晴らしいですね。私など8本の足を動かすだけでも大変なのに、あなたは100本の足を自由自在に使っていらっしゃる」
そういわれたムカデは、初めて自分に100本の足があることを意識する。その途端、ムカデはその場で動けなくなってしまった。1本目の右足を前に出したときに、34本目の左足はどうなるかと考えるようになったからだ。その間にクモはままんまと逃げ、哀れなムカデは冬になってその場で凍死した、というお話である。
柔道を習えば「しつけ」が身につく
柔道家で筑波大学教授・山口香さんの『スポーツの価値』によると、フランスの柔道指導者は、国家資格を有していることが必須で、子どもたちを安心・安全に指導することが保証されています。また、日本と大きく違うのは、全国大会がないということに加え、フランスの親の期待が「試合で勝つ」ことではなく、柔道の教育的効果にあるという点です。
柔道を習えば、先生の話をきちんと聞け、「ありがという」「ごめんなさい」が言える子になれるという「しつけ」の部分が高く評価されています。民間クラブの性質上、こうした親の要望に応えることがビジネスとしても成立している要因。親がそうした動機で預けているので、子どもたちも、友達を作ることや楽しく柔道をするために柔道クラブに通う。
また、指導者たちが重視するのは何よりも柔道を楽しませることで、子どもたちを本当によく褒めるのもその表れです。褒められた子どもたちが「柔道って楽しい。明日も柔道がやりたい」と感じるのは、「楽しんでもらう」ことに重点を置く指導によるところも大きいでしょう。ビジネス感覚が良い報告に機能しているとも言えます。
※参考文献:『バレーボールメンタル強化メソッド』(渡辺英児著/実業之日本社刊)
『苦手な人との会話はこう切り出しなさい!』(蟹瀬誠一著/角川マガジンズ刊)
『スポーツの価値』(山口香著/集英社刊)
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