昭和の「キャンペー広告」代表的な3例
明治製菓「おれ、ゴリラ。」 350万通の応募集める
1972(昭和47)年10月3日の明治製菓(現・明治)「おれ、ゴリラ。」は、景品であるゴリラにフォーカスした大胆な広告。新聞は「おれ、ゴリラ」「おれ、景品」をキャッチフレーズに、ゴリラの体型、扱い方、質感などゴリラの説明だけしかコピーに記されていない。テレビCMでは、「おれ、ゴリラ。おれ、社長の代理」と発言し堂々とスターぶり。
「ネコより、でかいゾ」「おれって、ほんものみたい」との作り方のリアリティーが人気の秘密だったとか。「手も足も思い通りに振り付けすることができる」「首は心持ち曲げる。上・下・左・右自由自在に」「オレの質感はバツグンだよン」「おれのポーズを変えるときは全身の骨をまず、伸ばしてから曲げてネ」などと、ゴリラに語らせる手法が面白い。
応募方法は、明治の板チョコの包み紙100円分を1口とし、毎週土曜日に締め切りの12週間。毎週1000匹が当たる(総数1万2000匹)。キャンペーン応募総数380万通と大人気に。同年10月28日パンダが来日。これをきっかけ動物のCMが目立ち始めたが、「おれ、ゴリラ」はいやし系ペットブームとは違う強烈な存在感を主張する異色な作品だった。
「ペコちゃんいくつ?」 遊び心のあるキャンペーン
1958(昭和33)年10月4日の不二家の広告は、みんなに親しまれているペコちゃんの年齢を決めるユニークな懸賞広告。「ペコちゃんいくつ?」とキャッチフレーズの問いかけに、「リボンを見ると…」「目は…」「こんな生意気な…」「こんなすごいブランコの…」とコピーにヒントが添えられ、一番応募数の多い年齢がペコちゃんの年齢になるとの趣向。
応募の仕方は、ミルキー、またはフランスキャラメル、野球キャラメルの空き箱の裏に、住所、氏名とペコちゃんの年齢を書いて送る(応募166万件)。賞品は1等・日野のルノーデラックス(乗用車)3名、2等・水谷の自転車(22インチ)100名、3等・ペコちゃん人形(大型)5000名。結果、投票の一番多かった6歳がペコちゃんの永遠の年齢に。
「エンゼルは男の子? 女の子?」 応募438万通(当時の世界最高)
1957(昭和32)年4月~6月に行われた森永製菓の「エンゼルは男の子? 女の子?」クイズキャンペーンは、大きな話題になった。60日間に438万5000という驚異的な応募数を記録。投票の多い方を正解にするところがミソだが、キャラメル、チョコレートの外箱に答えを書いて送るため、販売に直結するキャンペーンだった。
賞品の魅力も応募者を増やす大きな要因になった。エンゼル賞・ダットサン乗用車(4人)をはじめ、特賞・撮影映写機セットまたは白黒テレビ(10人)、一等・全音オルガン、サイクリング車、テープレコーダー、ダイヤ指輪、8ミリ映写機(いずれか一品)(50人)などいずれも当時大衆の憧れの品がずらりと並んでいた。
自社のマークに注目を集め、投票の多い方を正解にするところがミソで、販促に大きく寄与し、企業への親しみを増す狙いは成功した。結果、「男の子」が245万通を集めた。
なお、1962年に「不当景品類及び不当表示防止法」制定により、景品付き販売は規制を受けるようになった。現在はキャラメルを買って車が当たるようなキャンペーンは不可。
※参考文献:『日本の歴史的広告クリエイティブ100選〈江戸時代~戦前戦後~現代まで〉』(岡田芳郎著/宣伝会議刊)
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