« 2025年1月 | トップページ | 2025年3月 »

2025年2月

2025年2月24日 (月)

意外に知られていない「猫」の健康管理

AIで睡眠の質を分析」「表情から痛み識別」(2024529日『日経・朝刊』)より

スタートアップが高齢ネコ向けのサービスを広げている。ネコの飼育数は足元で初めて900万匹を超え、平均寿命も過去最高を記録。人工知能(AI)でネコの表情を分析して痛みがあるか識別したり、睡眠の質を計測したりと高齢ネコの健康に役立てるサービスが出てきた。中国からもスタートアップが進出してくることなど市場が広がっている。

高齢ネコ向けサービスが広がる背景には、飼育数の増加と高齢化がある。ペットフ—ド協会によると、国内のネコの飼育数は2014年に842万匹と初めてイヌ(820万匹)を上回り、その後も増加傾向に。新型コロナウイルス禍ではイヌは一時減少したが、ネコは増加ベースを加速させている。2023年は直近10年で最多の906万匹でイヌを222万匹上回る。

ネコは飼い主の健康意識の高まりから、平均寿命も2023年に15.79歳と2010年から1.36歳伸びて過去最長となっている。環境省のガイドラインによるとネコの15.79歳はヒトの約79歳に相当し、2010年から約6歳伸びていることになる。健康面の問題も増えるが、ネコの特性上、管理が難しい面もある。

ペットフード協会が2023年にネコ782日匹の飼い主を対象にした調査によると、直近1年間で動物病院へ行った回数で「0回」「1回」は計6割を占める。ネコには痛みなどを隠す習性があり、飼い主が異変を察知するのは難しい。飼い主に動物病院へ通院を促すサービスも重要になっている。

AIの診断は、アプリで撮影したネコの画像から痛みの有無を判断する。例えばネコの耳が外側に回転していたり、口元が楕円形に膨らんでいたりしたら中程度の痛みがあると判断する。また、排尿頻度や飲んだ水の量、痛みの画像判定結果などの記録を項目ごとに分類。飼い主が獣医師にアプリを提示することで診断しやすくする。

米の鳥インフル 飼いネコも警戒(2025215日『日経・夕刊』)より

米国で高病原性(HN1)鳥インフルが家畜や動物に流行する中、飼いネコへの感染に当局が警戒を強めている。ネコはイヌに比べ鳥インフルが重症化しやすく、死亡率が高い。

(同記事内に)メリーランド大学獣医学部C・コールマン准教授がこの事態を「ヒトに感染させることができるペットが、その進化に影響を与える可能性がある」と警告している。

米食品医薬品局(FDA)は1月、牛乳や未殺菌の卵・牛肉・鶏肉を材料とするキャットフードとドックフードの製造業者に対し、鳥インフルウィルス汚染のリスクを防ぐために食品安全計画を更新することを義務づけた。原料を仕入れる農場の鳥インフル感染状況を検討したりすることを推奨した。

FDA施策のきっかけは、202412月にオレゴン州で飼いネコが鳥インフルに感染して死んだ例の報告だった。州農業局が調べたところ、七面鳥の肉を使った冷凍生肉ペットフードから採取したウイルスと、死んだネコから採取したウイルスの遺伝子が一致。ペットフード経由の感染と結論づけ、メーカーは問題となった商品を自主回収した。

州農業局調査で、七面鳥の事例確認の翌月、カリフォルニア州でも同様事例が見つかった。米国で販売されるペットフードの多くは加熱処理や低温殺菌済みの原料を使う。生食フードは食中毒リスクがあり、米当局は推奨してない。ただ、近年ペットの「健康志向」の広がりを背景に利用者が増えていた。日本でもネット専門店などで販売されている。

※参考資料は上記2つの『日本経済新聞』の記事

Leaf Wrapping 山本志のぶ ホームページはこちらです

研修講師のチョットいい話/stand.fm

|

2025年2月21日 (金)

教育現場の方言取扱い変化と方言作品例

小学校の学習指導要領では、「発音のなまりや癖を直し、必要に応じて共通語で話す」(1968年)から「方言・共通語は身につけるべき大切な能力」(2008年)のように、方言の位置づけが変わった。国語教育で方言が重視されるようになって、小学校の国語の教科書で方言の章が設けられたことにより、さまざまな副教材が刊行・発売されている。

NHK教育テレビ(現Eテレ)では、2003年から幼児向けの番組「にほんごであそぼ」を放送。この番組は毎週5日間、各10分の放送で、有名な文学作品の一節や各地の代表的な方言を寸劇風に紹介し、また、「雨ニモマケズ」「春はあけぼの」「私と小鳥と鈴と」などの各地方言訳を放送しており、「日本グッドデザイン賞大賞」(2004年)など8賞を受賞。

宮沢賢治「雨ニモマケズ」の大阪府大阪市方言訳

雨にも負けへん 風にも負けへん 雪も暑いのにも負けへん 丈夫なからだにうんでもうて 慾ばらんと あんまり怒らんと いつもおとなしゅう笑うてる 一日玄米四合と 味噌と ちょっとの野菜もろうて なんでもかんでも 自分のこと おいといて ようみて わかって 忘れへん 原っぱの松の木蔭で こまい萱葺の小屋んなかで 東に病気の子どもがおったら 行って看病したろ 西にしんどそうにしとるおかんがおったら 行ってその稲の束を背負って 南に逝ってしまいそうなもんがおったら 行ってこわがらんでもええと言うて 北にもめてるもんおったら しょうもないから やめとかんかと言うてしまう 雨の降らんときは 泣きぬれて 寒い夏は おろおろして みんなにどうしようもないもんと言われ 褒められんと 相手にされんと そんなもんに自分はなりたい

清少納言『枕草子』~春はあけぼの=の福島県会津地方方言訳

「春は朝っぱらがええ だんだんすろっぽくなり 

山のはじっぽが あがりぐなってくっと 

むらさきがかった雲が よごさ ぬたばったみでぐなる」 

金子みすず「私と小鳥と鈴と」の石川県金沢市方言訳

私が 両手ひろげても、お空は ちょっとも 飛べんげんけんど、飛べる小鳥は 私みたいに、ぢぺだ 速くは 走れんげんよ。

私が からだ ゆらいても、きれいな音は 出んげんけど、あの鳴るすずは 私みたいに たんと 唄知らんげんよ。

鈴と 小鳥と ほれから私 みんなちがうし みんないいげん。

『大阪弁で読む《変身》』(西田岳峰訳/幻冬舎)は大阪弁で訳した世界で唯一の本

「グレゴール・ザムザはある朝けったいな夢から目が覚めてみたら、ベッドん中で馬鹿でかい虫に変わっている自分に気がついた」(中略)

「おれ、どないしてん?」(中略)

〈グレゴールはみなのおるほうをのぞきこんだ。……「ほな」と口を開いたグレゴールは自覚しとった。冷静さを保っとんのは自分だけやと〉

※この稿:2025213日『朝日新聞・夕刊』より

方言カルタ例

▷あっけづばご たがいで、ちゃっちゃとうだれ(酒田)

共通語訳:ごみ箱持ってさっさと捨てなさい

▷あがすけな、やろこあんつぁが、もうとしょり(山形)

共通語訳:生意気だった若者がもう取り寄りになった

▷うっしょまえ、けっちゃに着てで、いずいごだ(仙台)

共通語訳:後ろ前、逆さに着ていてきつい感じだよ=

▷あっぱめは、ねてあっても、かえーしきゃの(八丈島)

共通語訳:=赤ん坊は寝ていてもかわいいね

参考文献&資料(各文末※表記は除く):『滅びゆく日本の方言』(佐藤亮一著/新日本出版社)及び、NHKEテレ幼児向け番組「にほんごであそぼ」関連サイト

Leaf Wrapping 山本志のぶ ホームページはこちらです

研修講師のチョットいい話/stand.fm

|

2025年2月14日 (金)

文化勲章受章者に女性の立ち位置を見る

第一回受賞者から女性受賞者が初めて登場するまで

第一回 長岡半太郎(物理学) 本多光太郎(金属物理学) 木村栄(地球物理学) 佐佐木信綱(和歌・和歌史・歌学史) 幸田露伴(文学) 岡田三郎助(洋画) 藤島武二(洋画) 竹内栖鳳(日本画) 横山大観(日本画)

第二回 高木貞治(数学) 西田幾多郎(哲学) 川合玉堂(日本画) 佐々木隆興(生化学・病理学)

第三回 昭和181943)年429日発令 伊東忠太(建築学) 鈴木梅太郎(農芸化学) 朝比奈泰彦(薬学・植物化学) 湯川秀樹(原子物理学) 徳富蘇峰(歴史・政治評論) 三宅雪嶺(社会評論) 和田英作(洋画)

第四回 昭和191944)年 田中館愛橘(地球物理学・航空学) 岡部金次郎(電気工学) 志賀潔(細菌学) 稲田龍吉(細菌学) 狩野直喜(中国文学) 高楠順次郎(インド哲学)

第五回 昭和211946)年 中田薫(法制史・日本法制史) 宮部金吾(植物学) 俵国一(金属学) 仁科芳雄(原子物理学) 梅若萬三郎(能楽) 岩波茂雄(出版)

第六回 昭和231948)年 木原均(遺伝子) 長谷川如是閑(評論) 安田靫彦(日本画) 朝倉文夫(彫刻) 上村松園(日本画):74歳で受章、75歳で逝去

その後の女性受章者

第三十回 昭和461971)年 野上弥生子 81歳時受章 99歳で逝去

第三十九回 昭和551980)年 小倉遊亀 85歳時受章 105歳で逝去

第四十四回 昭和601985)年 園地文子 80歳時受章 81歳で逝去

第四十八回 平成元(1989・昭和64)年 片岡珠子(洋画) 85歳で受章 103歳で逝去

上記中、日本画の小倉遊亀さん105歳、洋画の片岡珠子さん103歳はお見事ですね。

文化勲章は生存者への授与が原則のため長寿が多い画家が最多45

昭和期の文化勲章は、自然科学97人(理学43人、工学23人、医学21)、社会科学13人、人文科学26人、芸術107人(小説・詩歌・評論33人、絵画・彫刻・工芸・書道・陶芸61人、演劇・音楽・映画・舞踏13人)、その他6

この中から絵画をピックアップすると、日本画30人、洋画15人の計45で最多だった。

『一流の画家はなぜ長寿なのか』(霜田里絵著/サンマーク出版)より

現代の日本こそ男女ともに平均寿命が80歳を超える長寿社会ですが、そうではない時代に、圧倒的な長寿をまっとうした職業の方々がいるのです。どんな職業だと思いますか? それは「画家」です。例えば、葛飾北斎や横山大観は89歳。バブロ・ビカソは91歳、マルク・シャガールは98。世界的に著名な画家たちの寿命の長さは驚異的だ

さらに強調したいことは、この長寿の画家たちは決してただ寿命が長かっただけではなく、共通しているのが晩年まで精力的に作品を描き続けた事実。昨今、健康寿命という言葉をよく耳にするが、彼らにおいては、どうもステージがかなり異なるよう。健康なうえに長寿であったのは言うまでもないが、最後まで情熱的に創作という舞台で闘い抜いたのでした。

興味深い受賞例と、二人の辞退者

親子で受章(上村松園、上村松篁)、兄弟で受章(貝塚茂樹、湯川秀樹)、親戚で受章(正田健次郎、水島三一郎)、子弟で同時受章(西川正治、菊池正士)、親友で同時受章(志賀直哉、谷崎潤一郎)など、いろいろな組み合わせがあって興味深い、と参考文献が記している。

なお、参考文献発行時点では上村家は親子受章だが、2022(令和4)年に孫の上村敦之氏が文化勲章を受章し、極めて珍しい親子三代受章の偉業となった。

また、辞退者は2人。第十三回の河井寛次郎(陶芸)と第二十六回の熊谷守一(洋画)

※参考文献:『文化勲章 受章者総覧』(教育者刊)

『一流の画家はなぜ長寿なのか』(霜田里絵著/サンマーク出版刊)

Leaf Wrapping 山本志のぶ ホームページはこちらです

研修講師のチョットいい話/stand.fm

|

2025年2月 6日 (木)

絵手紙に命を吹き込む「書」と「言葉」

国会図書館所蔵『月刊 絵手紙』 毎号掲載の「相田みつおの言葉」より抜粋

➡は、ご子息相田一人氏の誌上コメント。なお【書】中の「/」は改行部

【書】 「筆を持つということは/自分が自分をさがすための行であり/祈りである」

「筆を持つ以前の自分」という言葉が、時折父の口から出ました。「書く時だけ気合を入れてもだめだ。それ以前の自分が充実しているかどうかが大事。充実していなかったら、いくら頑張ってもいい書は書けない。書にはその人間のすべてが出てしまう」(20245月号より)

【書】 「夢はでっかく/根はふかく」

➡「大きな夢を持ちたいのなら、根が深くならなくてはいけない。根が深くなればなるほど夢も大きくなる」父が夢について語ったことです。夢というのは、父にとっては常に根と一対でした。(20246月号より)

【書】 「どう/ころん/でもおれ/のかお」

➡この作品は傲慢な開き直りと、とれなくもありません。しかし、本当はそうではなくて、自己顕示と自己嫌悪が、ごちゃ混ぜになった自画像なのです。(20249月号より)

【書】 「空を見上げてごらん/ゆったり/悠遊/雲もゆうゆう/鳥も悠遊/小さな自分がわかるから」

➡「お父さんの若い頃の書は、力強さが前面に出ているけれど、個展で飾ると会場の大きさに負けていることもあってね。それが六十を過ぎたころからは、強さが後ろに隠れるようになった分、飾ってみると壁に負けなくなってたね」。晩年の父の一面がよく出ている作品です。(202410月号より)

【書】 「おかげ/おかげ/おかげさん/合掌」

➡父は年賀状用に「寿」のろうけつ染めを創っていたようです。もう一つ年賀状によく使われたのが「おかげさん」です。「寿」と「おかげさん」は表と裏のような関係だったのかもしれません。ご縁ある方に思いを伝える意味で、年賀状は父には大切なものでした。(202411月号より)

【書】 「いのちあるかぎりは/いのちいっぱいに/生きてゆかむと/朝の筆を持つ」

➡亡くなる少し前のテレビ番組で、ナレーターの森本レオさんが30分の番組の最後にこの短歌を万感を込めた声で読みました。この歌に父の全てがあると考えたディレクターの演出でした。(20251月号より)

『絵手紙に添えたいことば』(日本絵手紙協会監修)より

本書には≪ことばいろいろ≫として23項目が紹介されている。その中から

「励まし」や「応援」を表すことば

ドンマイ/ファイト/フレーフレー/ガンパ!/ガッツ!/エール/気合/入魂/パワーアップ/元気をチャージ/大丈夫!/あなたらしく/そんなときもあるさ/心に栄養補給/のんびりと/じっくりと/無理なく/ひと息ついて/休み休み/一歩一歩/マイペースで/気分転換/心機一転/諦めないで

「きれいな様子」を表すことば

ぴかぴか/ぴっかぴか/きらきら/つやつや(艶々)/美しい/美々しい/きれい(綺麗)/可愛い/お洒落/麗しい/眩い/華やか/鮮やか/艶やか/煌びやか/嫋やか(たおやか)/淑やか/清らか/はんなり/すっきり/うっとり/見とれる/見惚れる/雅び/雅やか/上品/ビューティフル/エレガント/クール/シック/キュート/スタイリッシュ/クリーン/素敵/魅力的/カッコいい/見事/清楚/可憐/瀟洒/端整/清潔

※参考文献:『月刊 絵手紙』(日本絵手紙協会刊)

『絵手紙に添えたいことば』(日本絵手紙協会監修/成美堂出版刊)

Leaf Wrapping 山本志のぶ ホームページはこちらです

研修講師のチョットいい話/stand.fm

|

« 2025年1月 | トップページ | 2025年3月 »