意外に知られていない「猫」の健康管理
「AIで睡眠の質を分析」「表情から痛み識別」(2024年5月29日『日経・朝刊』)より
スタートアップが高齢ネコ向けのサービスを広げている。ネコの飼育数は足元で初めて900万匹を超え、平均寿命も過去最高を記録。人工知能(AI)でネコの表情を分析して痛みがあるか識別したり、睡眠の質を計測したりと高齢ネコの健康に役立てるサービスが出てきた。中国からもスタートアップが進出してくることなど市場が広がっている。
高齢ネコ向けサービスが広がる背景には、飼育数の増加と高齢化がある。ペットフ—ド協会によると、国内のネコの飼育数は2014年に842万匹と初めてイヌ(820万匹)を上回り、その後も増加傾向に。新型コロナウイルス禍ではイヌは一時減少したが、ネコは増加ベースを加速させている。2023年は直近10年で最多の906万匹でイヌを222万匹上回る。
ネコは飼い主の健康意識の高まりから、平均寿命も2023年に15.79歳と2010年から1.36歳伸びて過去最長となっている。環境省のガイドラインによるとネコの15.79歳はヒトの約79歳に相当し、2010年から約6歳伸びていることになる。健康面の問題も増えるが、ネコの特性上、管理が難しい面もある。
ペットフード協会が2023年にネコ782日匹の飼い主を対象にした調査によると、直近1年間で動物病院へ行った回数で「0回」「1回」は計6割を占める。ネコには痛みなどを隠す習性があり、飼い主が異変を察知するのは難しい。飼い主に動物病院へ通院を促すサービスも重要になっている。
AIの診断は、アプリで撮影したネコの画像から痛みの有無を判断する。例えばネコの耳が外側に回転していたり、口元が楕円形に膨らんでいたりしたら中程度の痛みがあると判断する。また、排尿頻度や飲んだ水の量、痛みの画像判定結果などの記録を項目ごとに分類。飼い主が獣医師にアプリを提示することで診断しやすくする。
米の鳥インフル 飼いネコも警戒(2025年2月15日『日経・夕刊』)より
米国で高病原性(H5N1)鳥インフルが家畜や動物に流行する中、飼いネコへの感染に当局が警戒を強めている。ネコはイヌに比べ鳥インフルが重症化しやすく、死亡率が高い。
(同記事内に)メリーランド大学獣医学部C・コールマン准教授がこの事態を「ヒトに感染させることができるペットが、その進化に影響を与える可能性がある」と警告している。
米食品医薬品局(FDA)は1月、牛乳や未殺菌の卵・牛肉・鶏肉を材料とするキャットフードとドックフードの製造業者に対し、鳥インフルウィルス汚染のリスクを防ぐために食品安全計画を更新することを義務づけた。原料を仕入れる農場の鳥インフル感染状況を検討したりすることを推奨した。
FDA施策のきっかけは、2024年12月にオレゴン州で飼いネコが鳥インフルに感染して死んだ例の報告だった。州農業局が調べたところ、七面鳥の肉を使った冷凍生肉ペットフードから採取したウイルスと、死んだネコから採取したウイルスの遺伝子が一致。ペットフード経由の感染と結論づけ、メーカーは問題となった商品を自主回収した。
州農業局調査で、七面鳥の事例確認の翌月、カリフォルニア州でも同様事例が見つかった。米国で販売されるペットフードの多くは加熱処理や低温殺菌済みの原料を使う。生食フードは食中毒リスクがあり、米当局は推奨してない。ただ、近年ペットの「健康志向」の広がりを背景に利用者が増えていた。日本でもネット専門店などで販売されている。
※参考資料は上記2つの『日本経済新聞』の記事
| 固定リンク
