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2025年3月

2025年3月25日 (火)

「ホスピタリティ」と「サービス」の違い

「サービス」serviceの語源

ラテン語のservus(奴隷)という言葉から生まれ、英語のsalve(奴隷)、servant(召し使い)、servitude(苦役)という言葉に発展している。サービスにおいては、顧客が主人であって、サービスの提供者は従者というわけである。ここでは上下関係がはっきりしているから、従者は主人に服従し、主人のみが充足感を享受することになる。

「ホスピタティ」Hospitalityの語源

ラテン語のHospes(客人の保護者)に由来する。本来の意味は、巡礼や旅人を寺院に泊めて手厚くもてなすという意味である。この語源から派生して、長い年月をかけて英語のHospital(病院)、Hospice(ホスピス)、ホスト(Host)といった言葉が次々に生まれていった。ゲストとホストは常に相互信頼、共存共栄という同じ目線の中に存在理由がある。  

サービスとホスピタリティの対比

「協同・協創・協働」(co-operation)の「協」に対し、「共同・共創・共働」(collaboration, interrelation)の「共」が同じように使われる場合が多い。しかし、「協」と「共」とは本質的に異なる。「共」は共に同じ土俵で、同じ目線で行動する対等性に重心がある。しかし、「協」は三位一体性を強調しているが、必然的に「3つの力」には上下の格差が存在する。

「協」の3つの力のうち、協働には主体間にタテ組織による主従関係が含まれている。主従関係が見られるサービスの語源の場合は「協」が有効となる。これに対し、上下関係となる「力」が介在することのないホスピタリティでは、ヨコ組織となる「共」が適切となる。ホスピタリティとは双方が共通の土俵に立ち、対等にキャッチボールし合うこと。

信用と信頼はサービスとホスピタリティの違いに置き換えることができる

サービスで大事なのは、言われたことをきちんとやり続けることです。サービスとは「約束」だからです。提供すべきものを提供し続ける。これは会社やホテルの信用につながります。

これに対して「ホスピタリティ」とは、一人ひとりのお客様に自分の気持ちを寄り添えたときに、自然と導き出される「おもてなし」を意味しています。

たとえば、「ふだんはテーブルに花を置くけれど、このお客様はテーブルでお仕事されるようだから、違う場所にお花を置こう」

「ふだんはソファをテーブルの方に向けるけれど、このお客様は夜景を楽しみながらソファに座るようだから、少し外側に向けておこう」

ホスピタリティの3つの要素

「セイフティ(Sefety/安全であること)」とは、安全を確保することです。命にかかわることであり、サービスの上で最も基本的なことです。客室のドアを二重ロックにするとか、バスルームに手すりをつけるとか、人々にとって、きめ細かい安全が配慮された状況をさしています。

「コーテシーCourtesy/心くばりのあること)」とは、客の立場で役に立つことを考えることです。これは客に対して心をこめて接することを表しています。

「アメニティ」(Amenity /快適であること)とは、「快適さ」を指しています。これは「気が楽になり快適に生活できる」ことです。ホスピタリティは、「厚くもてなす」という心をこめた言葉と理解できます。

参考文献:『「真実の15秒」で個客をつかむ』(浦郷義郎著/光文社刊)

『ホスピタリティ・ビジネスの人材育成』(山上徹著/ 白桃書房刊)

『たった一言からはじまる「信頼」の物語』(高野登著/日本実業出版社刊)

『もてなしの習慣 みんなで観光まちづくり』(福留強著/悠雲社刊)

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2025年3月18日 (火)

サルヴァトーレ・フェラガモと靴のこと

サルヴァトーレ・フェラガモが最初に靴を作ったのは9歳の時で、教会の儀式に参加する妹の靴だったという。11歳の時、自宅で靴屋を開業、15歳でアメリカのカウボーイブーツの工場で働いていた兄弟がいるボストンに渡り、その後カリフォルニアで映画の衣装として靴を製作したり、ハリウッド俳優らを顧客にし「スターの靴職人」と名声を集めた。

また彼は、足を痛めない靴を製作するため、南カリフォルニア大学で解剖学を修めた。1927年、13年間いたアメリカからイタリアに戻りフィレンツェで「サルヴァトーレ・フェラガモ」を開業。大恐慌の余波を受け1933年一度倒産するが、イランの元王妃などの王侯、インドのマハラニなどの貴族やエヴァ・ペロン等の有名人の顧客を獲得し復興した。

フェラガモの靴に関するアドバイス

「合わない靴は万病のもと」だといわれます。イタリアの有名ブランド創始者でもある伝説の靴職人、サルヴァトーレ・フェラガモの著書『夢の靴職人 フェラガモ自伝』(文藝春秋社)には、はっきりとこう書いてあります。「あなたの足が変だとすれば、それは靴が悪いからです」

フェラガモ直伝の靴選び

店員が何を言っても気にしない。

いままでの靴のサイズやフィッティングのことは忘れる。

デザインやスタイルは二の次、三の次。

完全に合う靴を見つけるには、店の外まで歩いてみる。

何よりも、欲しい靴が見つかるまで、時間をかけてじっくり探すこと。

日本のプロの見解(日本はきもの博物館提言と、東靴協会顧問・栗田昌二氏の忠告から)

試し履きのポイント

(1)つま先の前に、1センチ前後の余裕があるか。五本の指が動かせるか。足の先を靴先にぴったりつけて、踵の後ろに鉛筆一本を差し込めるほどの空きがつくれるか。親指の爪が当たる具合は悪くないか。

(2)親指の付け根から小指の付け根にかけての関節部ボールジョイント(足幅の最も広い部分)が、靴の一番広い場所と同じ位置にあるか。

(3)紐付きなら結んでみる。足の甲がぴったりフィットするか。スリッポン(靴ひもや金具が付いていないシューズ)でも同じ。

(4)土踏まずが靴の中底アーチの位置と一致し、曲面同士がよく合っているか。

(5)履き口の周りが足首に馴染んでいるか。食い込んだりしないか。外側のくるぶしは内側に比べて低いから、履き口の上端部に当たっていないか。

(6)靴と足の踵のカーブがよくフィットするか。

試し歩きのポイント

(1)なるべく硬い床の上で歩く。

(2)踵立ち、つま先立ちをしてみて、違和感や異常に締めつけられる箇所はないか。

(3)ジグザク歩きや後退など、不自然な動きをしてみる。不安定な感じがしないかどうか。

(4)靴の内側と外側を床面につけて立ってみる。足裏、土踏まずや踵に妙な圧迫はないか。

(5)ハイヒールの場合は、足踏みをしてみてヒールがぐらぐらしないか。

以上のチェックがすべて合格であることを確かめ終わって初めて、値段のことを考えるようにしましょう。

靴を選ぶのは、夕刻か夜に

朝一番や、昼休みに靴屋へ顔を出してはいけません。ウィンドウ・ショッピングなら結構ですが。足のサイズは、午後3時以降の方が朝より大きく膨らんでいる人の方が多い、というのが理由です。

※参考文献:『健康長寿は靴で決まる』(かじやますみこ著/文藝春秋社刊)

『靴の事典』(岸本孝著/市田京子監修/文園社刊)&「Wikipedia

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2025年3月12日 (水)

「ありがとう」を言える人間になろう!

ピューリッツアー賞3度受賞TL・フリードマン(ジャーナリスト)の場合

トーマス・ローレン・フリードマンには『遅刻してくれて、ありがとう』という著作がある。彼の回想によると、「たしか2015年のはじめで、それは純然たる偶然の産物だった。私は頻繁に、ワシントンDCの中心街にある(ニューヨーク・タイムズ)の支局近くで、朝食をはさんで友人たちや、政府高官、アナリスト、外交官と会ったりしていた。

その理由は、朝食時間を無駄にするのではなく、1日にできるだけ学びの機会を詰め込もうとしたため。だが、都市の朝の交通事情は予測不可で、相手がときどき10分、15分、あるいは20分も到着が遅れることがあった。相手は必ず慌てて、座ると同時に謝る。「地下鉄が遅れて…」、「目を覚まし時計が故障して…」、「子どもの具合が悪くて…」と。

しかし、あるとき、相手の遅刻がちっとも気にならないことに気づき、「いや、やめてくれ、誤らないでほしい。それどころか、遅刻してくれて、ありがとう」言うようになった。

なぜなら、あなたが遅れてきたおかげで、自分のための時間をつくることができたからだと、説明した。超多忙な彼に、やっと、じっと考える時間が〝見つかった〟のだ。

隣のテープルのカップルの話(とても面白かった!)を盗み聞きできたし、ロビー活動(まことにけしからん!)の人間観察もできた。そして、もっとも重要なのは、その空き時間に、何日もの考えあぐねていた思いつきをまとめられたことだった。だから、謝ってもらう必要はない。それで、「遅刻してくれて、ありがとう」なのだと。

著者はそれまで、めまぐるしい変化の速度に打ちのめされ、疲れ果てており、自分(と客)が速度をゆるめるのを許す必要があった。情報ネットワークを切断し、自分1人で考えにふけるのを許す必要があった。遅れてきた相手は、何も問題なしというと、最初は不思議そうな顔をしたが、やがて頭のなかで電球がともったみたいに、理解を示したという。

苦情対応の場合でも・・・

あるコールセンターのベテランは、苦情対応の際に、「(わざわざご連絡いただきまして)ありがとうございます」。そして、「申し訳ありません」という感情のこもった言葉ではじめると、好ましい結果になることを、やってみるまで信じられなかったという。そして、苦情対応に費やす時間が大きく減るという結果にもつながったと。

「相談してくれてありがとう」精神を持つ上司に

上司というのは「困ったときは、何でも相談してくれ」と言うばかりで、「本当に相談したい相手」にはなれていないものです。「相談してくれ」と言われて「じゃあ相談に行こう」と思うほど、人の心は単純ではありません。誰だって、自分が困っていることを正直に打ち明け、相談するには勇気がいります。

仕事に関する悩みだからとって、そう簡単に上司に相談などできません。

つまり、「部下が上司に相談に来る」というのは、相当な信頼関係の上に成り立つものなのであり、上司にとっては涙が出るほど嬉しい瞬間なのです。より正しい言い方をするならば、「部下が相談に来る」のではなく「相談に来てくれる」のです。

※参考文献:『遅刻してくれて、ありがとう』(トーマス・ローレン・フリードマン著/日本経済新聞出版社刊)

『エモーショナルバリュー』(ジャネル・バーロウ&ダイアナ・モール共著/生産性出版刊)

『初めてリーダーになる君へ』(浅井浩一著/ダイヤモンド社刊)

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