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2025年3月12日 (水)

「ありがとう」を言える人間になろう!

ピューリッツアー賞3度受賞TL・フリードマン(ジャーナリスト)の場合

トーマス・ローレン・フリードマンには『遅刻してくれて、ありがとう』という著作がある。彼の回想によると、「たしか2015年のはじめで、それは純然たる偶然の産物だった。私は頻繁に、ワシントンDCの中心街にある(ニューヨーク・タイムズ)の支局近くで、朝食をはさんで友人たちや、政府高官、アナリスト、外交官と会ったりしていた。

その理由は、朝食時間を無駄にするのではなく、1日にできるだけ学びの機会を詰め込もうとしたため。だが、都市の朝の交通事情は予測不可で、相手がときどき10分、15分、あるいは20分も到着が遅れることがあった。相手は必ず慌てて、座ると同時に謝る。「地下鉄が遅れて…」、「目を覚まし時計が故障して…」、「子どもの具合が悪くて…」と。

しかし、あるとき、相手の遅刻がちっとも気にならないことに気づき、「いや、やめてくれ、誤らないでほしい。それどころか、遅刻してくれて、ありがとう」言うようになった。

なぜなら、あなたが遅れてきたおかげで、自分のための時間をつくることができたからだと、説明した。超多忙な彼に、やっと、じっと考える時間が〝見つかった〟のだ。

隣のテープルのカップルの話(とても面白かった!)を盗み聞きできたし、ロビー活動(まことにけしからん!)の人間観察もできた。そして、もっとも重要なのは、その空き時間に、何日もの考えあぐねていた思いつきをまとめられたことだった。だから、謝ってもらう必要はない。それで、「遅刻してくれて、ありがとう」なのだと。

著者はそれまで、めまぐるしい変化の速度に打ちのめされ、疲れ果てており、自分(と客)が速度をゆるめるのを許す必要があった。情報ネットワークを切断し、自分1人で考えにふけるのを許す必要があった。遅れてきた相手は、何も問題なしというと、最初は不思議そうな顔をしたが、やがて頭のなかで電球がともったみたいに、理解を示したという。

苦情対応の場合でも・・・

あるコールセンターのベテランは、苦情対応の際に、「(わざわざご連絡いただきまして)ありがとうございます」。そして、「申し訳ありません」という感情のこもった言葉ではじめると、好ましい結果になることを、やってみるまで信じられなかったという。そして、苦情対応に費やす時間が大きく減るという結果にもつながったと。

「相談してくれてありがとう」精神を持つ上司に

上司というのは「困ったときは、何でも相談してくれ」と言うばかりで、「本当に相談したい相手」にはなれていないものです。「相談してくれ」と言われて「じゃあ相談に行こう」と思うほど、人の心は単純ではありません。誰だって、自分が困っていることを正直に打ち明け、相談するには勇気がいります。

仕事に関する悩みだからとって、そう簡単に上司に相談などできません。

つまり、「部下が上司に相談に来る」というのは、相当な信頼関係の上に成り立つものなのであり、上司にとっては涙が出るほど嬉しい瞬間なのです。より正しい言い方をするならば、「部下が相談に来る」のではなく「相談に来てくれる」のです。

※参考文献:『遅刻してくれて、ありがとう』(トーマス・ローレン・フリードマン著/日本経済新聞出版社刊)

『エモーショナルバリュー』(ジャネル・バーロウ&ダイアナ・モール共著/生産性出版刊)

『初めてリーダーになる君へ』(浅井浩一著/ダイヤモンド社刊)

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