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2025年8月

2025年8月23日 (土)

交通信号と鉄道信号この似て非なるもの

鉄道では色、形、音、人間の動作といった一定の目印を用いて意思を伝える手段を鉄道信号という。鉄道信号に含まれるものには信号、合図、標識の3種類がある。

信号とは、列車や車両に対し、一定の区間内を運転するときの条件を色、形、音などで示すことを指す。信号の指示内容を表すことを一般的には「表示」と記すが、鉄道の世界では「現示」を用いる。簡単にいうと「現示」とは、信号の指示内容を表すことである。「現示」するものは信号しか存在しないので、合図や標識と区別しやすいのだ。

色というのは信号機の電球の色を指す。青、黄、赤の3色を基本とし、制限速度を現示する場合は2色を組み合わせて行うケースも。ところで、電球の色のうち、青と黄は鉄道の世界では呼び方が異なり、青は緑色、黄は橙黄色(とうこうしょく)と呼ぶ。これは呼称の問題ではなく、実際にそのような色をしているからで、自動車交通の信号機も実は同じ色。

道路に設置されている信号機が表示する信号の色や順序は道路交通法施行令第二条に規定されている。進んでよいを意味する青、速やかに停車できない場合を除いて停止することを意味する黄、停止することを意味する赤。いっぽう、鉄道の信号の色と順序は停止信号を意味する赤、注意信号の橙黄色(道路の信号対応色は黄)、進行信号の緑(同青)である。

そこで、鉄道の信号では順次制限速度を上げ、赤の次に橙黄、橙黄の次に緑となるように配置したのだ。道路上に設けられた歩行者用の信号機のように、鉄道も停止信号と進行信号としか現示しない信号も存在する。この場合、現示する順序は赤→緑→赤と決まってしまう。鉄道と道路交通との間では赤から始まるか青から始まるかの違いだけ。

交通信号「止まれ」はなぜどこの国でも赤なのか

広くて、さまざまな世界にあって、交通信号の〝青(緑)〟は「進め」、〝橙〟は「注意」、〝赤〟は「止まれ」であることは世界。共通である。習慣の違いを考えれば、〝青〟が「止まれ」で、〝赤〟が「進め」というような国があってもよさそうなものであるが、世界中のどこの国でも、やはり、交通信号〝赤〟は「止まれ」で、〝青〟が「進め」なのである。

交通信号の本来の役目は、交差点などにおける交通の流れを整理し、円滑に進めることである。交通の安全性のことを考えれば、いうまでもなく「止まれ」のメッセージの方が重要。

また、交通信号は屋外に設置されるものであるから、雨の日でも雪の日でも埃が舞う強風の日でも、メッセージを確実にドライバーや歩行者に伝えなければならない。

「止まれ」のメッセージがより重要だとすれば、それには、いかなる悪条件下でもドライバーや歩行者により伝わる色を使うべきである。可視光の中で、雨滴や雪や埃などの〝粒子〟に最も散乱されにくく、ドライバーや歩行者の目に届きやすいのが、波長の長い〝赤〟。また〝赤〟は血の色でもあり、最も「ハッ」とするという精神的効果も皆無ではないだろう。

参考文献:『鉄道ダイヤを支える技術  副題:閉そく・信号・合図・標識』(梅原淳著/秀和システム刊)

『いやでも物理が面白くなる 副題:交通信号「止まれ」はなぜどこの国でも赤なのか』

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2025年8月14日 (木)

『アルプスの少女ハイジ』の深遠な物語

作品の背景

『アルプスの少女ハイジ』は、スイスの作家ヨハンナ・シュピリ(またはスピリ)の児童文学作品。1880年から1881年に執筆された。原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代、1880年出版)および『Heidi kann brauchen, was es gelernt hat』(ハイジは習ったことを使うことができる、1881年出版)。

なお、『アルプスの少女ハイジ』の描かれる100年ほど前のスイス・アルプスは、一般のヨーロッパ人にとって、ひどく不気味で、なにも生み出さない不毛の地の象徴であったという。それが、イギリス人によって観光としての価値が見出されたことと、『アルプスの少女ハイジ』作品によって、ヨーロッパ屈指の景勝地として知られるようになったという。

日本のTVアニメ史上最大のヒット作『アルプスの少女ハイジ』

この作品は、1974(昭和49)年16日から1229日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 20:00に全52話が放送され、初回放映から100回以上の再放送! テレビCMなどでも大活躍のハイジは、アニメ界の巨匠(スイス及びドイツにおける現地調査に主要スタッフとなる高畑勲、宮崎駿、小田部羊一及び中島順三を派遣)たちが参加した。

もう一人の主人公(クララ)のリハビリ物語

参考文献(※)によると、足が不自由な12歳クララの日常は、「朝食後10時に家庭教師との勉強」「昼食後午後2時まで勉強」「昼寝後夕食まで自由時間(ハイジ来訪後はハイジと過ごし、その後就寝)」。クララは勉強のときも自由な時間もそのほとんどを書斎で過ごし、周りはみな大人ばかり。そんな退屈な毎日を打ち破って、突然ハイジがやってきます。

クララの病気は何だったのか?

原作には「片足が麻痺しているうえ、身体が弱い」ため、車いす生活を強いられていると。

なお、参考文献には「クララは幼い頃にかかった椎間板ヘルニアのため、身体が弱ってしまった。もうヘルニアは治ったのに、心理的な要因で『歩けない』と思い込んでいたのでは」

片足が麻痺しているということから、椎間板ヘルニアのような脊髄の病気が疑われます。

もう一つは、クララの病気として、ビタミンD不足からかかる、「くる病」という病気ではないかという説もあります。「くる病」は骨が柔らかくなって変形する病気で、カルシウム不足も原因です。人間の身体に必要なビタミンDは日光によって体内で生成されるため、極端な日光不足がこの病気を引き起こします。

家の中で厚いカーテンに遮られ、ほとんど監禁状態のようなクララが、アルプスで日光に当たり、カルシウムが豊富で良質のタンパク質やビタミンを含むヤギの乳を飲むことで元気になったということからもあり得そうなことです。最後は、作品中の医者の意見にあったように、精神面から捉えた見方をあげることもできそうです。

歩けない=自立できないクララが、自分も誰かの役に立ちたいと願ったとき、奇跡が起こります。クララは暗い屋敷で、長いあいだ従順を強いられてきました。周囲の反対を押し切り、アルプスのハイジのもとへ出向くことは、これまでの生き方との決別でもあり、その結果自分で楽しく自由をつかむのです。物語後半の主役はハイジではなくクララなのでしょう。

参考サイト:「アルプスの少女ハイジ」HP

参考文献』:※『アルプスの少女ハイジ』(ちばかおり&川島隆共著/河出書房新社刊)

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2025年8月 4日 (月)

新聞報道からハラスメント5事例を紹介

2024年10月5日『朝日・朝刊』カスハラ深刻化 急いだ条例

あらゆる場においてカスタマーハラスメント(カスハラ)を禁止する――。そう定めた条例が4日、東京都議会で成立した。都が全国に先駆けて条例づくりを急いだ背景には、カスハラによる被害が深刻化している実態がある。サービス業界の労働組合を束ねる「UAゼンセン」の調査によると、2年以内に「迷惑行為を受けた」当事者が46.8%もいた。

「豆腐が腐ってる」と土下座強要

都内のスーパーで福店長を務めていた男性(47)はかつて、客から「購入した豆腐が腐っている」との苦情を受けた。商品を確認するために自宅を訪ね、話を聞くと、豆腐は購入からすでに2週間以上が経過していたという。「時間が経てば腐って当然では……」。そんな思いを抱いたが、立場上、低姿勢を崩せない。すると、その場で土下座を要求されたという。

お前が死ね」とののしられる

都内の区役所で介護保険に関する窓口業務に従事していた女性(52)は、要介護認定されなかった区民から、「死ねというのか。お前が死ね」とののしられた。女性は「公務員相手だと、『税金を払っているのだから』と何を言ってもいいと思っている人が少なくないと感じている。私たち職員も人間なんだと分かってほしい」と話す。

2024年10月8日『日経・朝刊』ペイハラ(ペイシェントハラスメント)対策広がる

患者や家族から医療従事者が暴言や理不尽な要求を受けるペイハラが問題視されている。診察内容に不満な患者が居座ったり、自分や家族の診察を優先するよう要求したりするものから、暴力やセクハラといった事件性を帯びた被害もあり、警察と連携して講習を開く病院も出てきた。識者は「国は自治体が主導し、業界全体で対策をとる必要がある」と。

2025年2月17日『日経・夕刊』令和なコトバ ホワイトハラスメント

初めて接する方もいいかもしれませんが、ホワイトハラスメントとは、部下への思い遣りや配慮が過ぎて、かえってその成長を妨げるような、白黒混ざったグレーなハラスメントのことをいう。(投稿者註)昔から「過ぎたるは及ばざるが如」と申しますが、ホワイトハラスメントは、まさにこれなのかもしれません。

具体例は、上司が、部下が残業しないでいいように業務を命じる代わりに自分でやってしまったり、部下の負担を減らそうと、雑用を自らやってしまう。部下は成長の機会を奪われる可能性もあるほか、その思いやりがかえって精神的な負担なることも。専門家によると「ホワイトハラスメントは、行き過ぎるとパワハラの「過小な要求」につながりかねないと。

2025年1月11日『朝日・朝刊』威圧するコーチ 適切なのか

そこには、「金魚のフンじゃねーか、てめぇはよー」や「バカだね、あんた、一から十まで言われなければわからないの?」などの威圧的な言葉で追い詰められる部員たちのことが紹介されている。指導者は、選手を発奮させようとしているのかもしれない。しかし、発せられるのは人格を否定するような言葉の数々だ。

2024年8月28日『日経・夕刊』

パワハラ恐れ「放任上司」意思疎通避け職場環境悪化 「対等な関係」研修で喚起

部下とのコミュニケーションに自信のない組織の管理者が、パワハラの指摘を恐れるあまり、部下との必要な意思疎通を避けて「放任上司」となる課題が指摘されている。コンプライアンス意識の高まりに伴い顕在化。職場環境の悪化にもつながりかねないと。

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