ミステリーの「語源」「定義」「形式」
ミステリーの語源
「ミステリー」の語源は、ギリシャ語のmusterionです。これは遡ると「両目や口を閉ざす」もしくは「秘伝や奥義を授ける」という意味のmueinから派生しています。いまでも英語のmysteryには、キリスト教をはじめとする宗教にかかわり、秘儀や祭式にまつわる意味もありますが、日本では一般に、神秘や不可思議、そして推理小説を指しています。
ミステリーの定義
ミステリーは一般に、「謎を論理によって解明する操作をおもな筋とする小説」と定義されています。さらに犯罪やその捜査を取り扱ったもの、という要素が加味されることもあります。だが広義では、論理的捜査以外にスリルとサスペンスを含んだものや、探偵が登場するもの全般を意味し、怪奇、幻想小説や、スリラー、冒険、スパイ小説も含むことも。
ミステリーの形式が誕生を遅らせた
ミステリーは特殊な例外の除き、時間軸には一定の共通点があることが多い。それはミステリーの大前提が、まず「時間を遡って考える」という行為にあること。このことから、ミステリーは変則的な構成を持った小説ということになり、その発生は通常小説よりも後れを取ることになった。世界初のミステリー作品登場は19世紀も半ばになってからのこと。
世界初のスリラー小説とは
世界初のミステリーと目されるのはエドガー・アラン・ポー(1809~1841年)の『モルグ街の殺人』(1841年)。この作品はその大胆さ、今までに例を見ない斬新さで世界を瞠目させた。フランスの高名な作家・評論家であるゴングール兄弟は「新しい文学の世界、20世紀文学の兆候」「病的にしてしかも明晰なる文学」という言葉でその驚愕を表した。
スリラー本翻訳は45年後(明治22年:読売新聞)に
『モルグ街の殺人』を最初に日本に紹介したのは、小説家であり、劇評も手掛けた饗庭篁村。彼は明治20(1887)年、『ルーセルグの人殺し』の邦題で、『読売新聞』12月14、23、27、30日にわたって分載した。意訳に近い翻訳が多かった時代に、この作品は丁寧に原作の筋をなぞっていた。なお、ポー作品は1月前に『西洋怪談 黒猫』が紹介されていた。
江戸のシャーロック・ホームズは半七
『修善寺物語』などで知られる岡本綺堂には『半七捕り物帖』がある。この作品執筆動機を「丸善で、ジャーロック・ホームズのアドヴェンチュアとメモヤーとレターンの3種を買い、一気に3冊読み終えると、探偵物語への興味が油然と沸き起こった」と。ちなみに、第一編『お文の魂』に、「半七は江戸の隠れたシャアロック・ホームズであった」とある。
世界の3大スリラー作家と登場する名探偵
世界の三大名探偵とは❖シャーロック・ホームズ:イギリス出身の探偵で、エドガー・アラン・ポーの作品に登場。 ❖エルキュール・ポアロ:ベルギー出身の探偵で、アガサ・クリスティの推理小説に登場。 ❖エラリー・クイーン:アメリカ出身の探偵だが、フレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーが探偵小説を書くために用いた筆名の一つ。
『日本ミステリー小説史』による日本の3大探偵
1人目は横溝正史の❖金田一耕助。2人目が江戸川乱歩の生み出した❖明智小五郎(明智の登場は金田一よりかなり早いが、雰囲気が次々変わることから2人目に)。そして3人目は現代ではあまり知られていないが、高木彬光が生み出した超人的天才探偵❖神津恭介(かみずきょうすけ)。その卓抜した頭脳、華麗なる経歴、洗練された容姿が眩しい。
参考文献:『日本ミステリー小説史』(堀啓子著/2014年9月/中央公論新社刊)
参考Web:Wikipedia & https://search.yahoo.co.jp/search?p
| 固定リンク
「マーケティング・その他」カテゴリの記事
- ガリガリ君を日本緩和医療学会が表彰(2026.08.01)
- 『「至極」のラーメンを科学する』より(2026.07.13)
- おにぎりの海外事情と「おむすび権兵衛」のこと(2026.06.20)
- 今5月『朝日』掲載の抹茶関連記事2本 2026年5月14日『朝日・朝刊』 抹茶原料 沸いて最高値 初市 前年の1.7倍「取り合い状態」 (2026.05.24)
- 自分に似合うパーソナルカラーのこと 「似合う色」ってどういうこと? (2026.02.20)
