繊維業が続々と新しい試み
2025年11月11日『日経・朝刊』伝統織物、現代風アレンジ
絹織物やニットなどの繊維業が集まる富山県南砺市で、老舗による現代流製品づくりが進んでいる。女性の健康問題に配慮した製品や手汗を防ぐ手袋などだ。生地を卸すだけでなく独自製品を開発することで、芸術系の学生などとの連携も始まっている。地域交流拠点も設けて「繊維関係人口」を拡大につなげている。
松井機業(1877年創業)の6代目社長・松井紀子さんは、2010年Uターン後に家業を継ぎ23年から経営者に。長らく絹織物を呉服など衣類生地として問屋に納めてきたが、現在は日傘やストールなどのブランド「JOHANAS(ヨハナス)」等の製品づくりを推し進める。女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」関連商品の開発も手掛ける。
2025年2月6日『日経・朝刊』着物ドレスで「ハレの場」に
着物ドレスの製作・販売を手掛ける季縁(京都市)は、呉服店などで新品のまま売れ残った着物のデッドストック(流通在庫品)や、顧客が持ち込む古い着物をアップサイクルしている。元の柄を損なわないように裁断・縫製し、着物本来の美しさを生かしたデザインが特長。コロナ禍が落ち着いてパーティ需要が復活した2023年以降、受注は右肩上がりだという。
インバウンド(訪日外国人)需要にも活路を見だす。24年にオープンした同社の東京銀座店では、旅行客も持ち帰りが可能な既製品を50着以上用意。立地も生かした営業で売り上げの約2割は外国人が占める。北川淑恵社長は「着物自体は着付けが難しく、土産物として課題があった。ドレスならば帰国後も気軽に着用できる」と強調する。
「廃棄される着物は今後20年ほど増え続ける。形を変えることで1着でも多く後世に残し、着物の価値の再認識につなげたい」。きものと宝飾社(京都市)によると着物は家庭のタンスに約3000万点が眠ると。洋服としての活用が普及すれば廃棄を減らすだけでなく、新たな反物の需要創出にもつながる。なお、着物ドレスの価格は1着10万円ほどから。
フォトスタジオのリリアの城(千葉市)では自社ブランドの子ども用「和ドレス」のレンタル依頼が全国から相次ぐ。ワンピース型のため締め付けがなく、長時間着用が気にならない。ベビーサービスもあり、家族全員和装で記念撮影も。女の子は3歳と7歳の七五三で着物を着るため、10歳を祝うハーフ成人式で特色ある和ドレスを着用する要望が強いという。
2025年3月13日『日経・夕刊』丹後ちりめん ポップで身近に
京都府北部・丹後地区の伝統的な織物「丹後ちりめん」を身近に使って貰おうと、同府丹後市の若手3人がポップな商品を開発している。地元給食の牛乳パッケージをデザインしたポーチなどが話題。丹後ちりめんは主に着物に使われるため、地元でもなじみのない人が多く、「気軽に手に取り、知ってもらう一歩目になれば」と話す。
商品開発に携わる3人はそれぞれ別の会社で織物業に携わっていたが、地元業者のあつまる勉強会が縁で、一緒に事業展開する「たてつなぎ」を2020年に結成した。カップ麺に模した容器に布を入れてお湯を注ぐと、丹後ちりめんに特徴的な生地の凸凹を出す工程を再現できる「カップチリメン」も話題に。3分後におにぎりのようなデザインの巾着ができる。
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