ホスピタリティ・CS研修

2016年7月 3日 (日)

出版(共著)のご紹介を兼ね、身近な素材(アメ)によるミニCS講座です

研修でお世話になっているジャイロ総合コンサルティング㈱から6月に『会社を元気にする10のポイント』が刊行されました。ブログ筆者も執筆陣の一員として「CS研修」を担当させていただいております。CS(顧客満足)向上努力は即効性にはやや欠けますが、とても大切だということを身近な素材で、今回、臨時版として取り上げます。

【アメを番台に置くと】ご年配の女性のお客さまに喜ばれる(※1)
とある銭湯が「雨の日にアメを配る」というイベントをやっていることを聞いて、早速、日の出湯(参考文献の著者の経営する銭湯)でも取り入れてみました。番台にアメを入れたカゴを用意して、「自由にお取りください」と張り紙をしておいたところ、お客さま方に大好評でした。ただ、アメを受け取るお客さまは大半が年配の女性でした。

年配の女性がアメを好むのには理由があるそうです。参考文献の著者が調べたところ、ドライマウスで悩む女性は男性の3倍近いとか。喉の乾きは細菌を繁殖しやすくさせ、風邪などを誘発し肺炎の罹患へとつながりかねません。番台にアメを置くことは入浴と直接かかわりはありませんが、この銭湯の重要顧客のCS向上に貢献しました。

【アメを手渡すと】ミントキャンディーの渡し方でチップが変わる(※2・3)
レストランでのミントキャンディーを使った3つの条件下での実験から。
最初の実験では、伝票を渡す際にウェイターが客1人につき1つキャンディーを渡しました。すると、もらわなかった人に比べチップが3.3%増えました。次に、キャンディーの数を2つずつに増やすと、チップは14.1%も多くなりました。

最後に、ウェイターはまずキャンディーを1人1個ずつテーブルで渡し、いったん離れる素振りを見せてから、途中でわざわざ戻ってきて、ポケットから2個目のキャンディーを人数分だけ取り出して渡しました。この動作は、大切なお客さまだから特別に…を演出したものです。これだけでCSが向上しチップは23%も多くなったのです。

【打ち合わせ時のど飴を渡す】そのために常にカバンにのど飴を携行(※4)
面談中にお相手がしきりに咳をすることがあったとします。ご当人はのど飴を持っているかもしれませんが、ミーティング中であれば苦しくても舐めることを躊躇するでしょう。このとき、のど飴を携行していれば、それをすすめることで「咳が出るのでしたら、どうぞのど飴を舐めながら…」とのメッセージも伝えることができます。

これは、風邪をひいて咳き込む方との商談体験をもとに、参考文献の著者が実践している心得だそうです。実際にのど飴を口にして咳を気にせず話をできるようになると、お相手の集中力も理解力も格段に違ってくるとか。この姿勢は常に相手を慮り、最善を尽くそうとするホスピタリティ精神に通じるものがあるのではないでしょうか。

※1:『常連さんが増える会話のコツ』(田村祐一著/プレジデント社)
※2:『影響力の武器 実践編』(N・j・ゴールドスタイン&S・J・マーティン&R・B・チャルディーニ共著/誠信書房)
※3: 木の葉ブログ2010年9月11日「レストラン・飲食店のホスピタリティ5回」
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/28-4d13.html
※4:『接客サービスの達人』(江澤博己著/大和出版)
篇)】(キャンセルが出ました 1席あります)  

 ホームページ https://www.leafwrapping.com/                                 

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「CS研修」の話題から。


にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

|

2015年2月26日 (木)

互恵的利他行動促進にはアメとムチのどちらが効くか? 利他学(5)

互恵的利他行動を維持していこうとする場合、アメとムチではどちらが効果的なのかというと、実はムチ(罰)の方なのだそうです。理論生物学者のロバート・ポイドらは、その理由として、罰を与えることで集団から裏切り者を減らしていくというのは負のフィードバックになるからだ、と言っています。

コミュニケーション上のフィードバックとは別のフィードバック機能
フィードバックとは、入出力をもつ系において、出力が入力や操作に影響を与えること、と定義されています。フィードバックの身近な例は、エアコンの温度調整でしょう。フィードバック機能があるおかげで、放っておいても設定温度よりも低ければ高くなるように調整してくれるし、高ければ低くなるようにしてくれます。

社会が持つ司法制度や警察制度は多額の税金によって維持されている
ある集団の中に多くの裏切り者がいるとします。これらに罰を与えるのはコストのかかることですが、その結果として裏切り者の数はどんどん減ります。すると、数が少なくなったぶん、罰を与えるコストは少なくて済むようになります。つまり、どんどん裏切り者を探し出し、罰を与えていけばいくほど、コストは少なくなるのです。

もしかして、日本の高い治安はムチ政策によってもたらされた!?
最終的には、実際に罰を与えなくても、罰があるという可能性だけで裏切り者の発生を抑えるところまでいくでしょう。もしかしたら、現代日本のような治安がよい社会は正にこういう状態なのかもしれません。一方、報酬を与えることで集団内に利他主義者を増やしていくのは、その逆のフィードバックになります。

利他主義者に報酬を与えることも、もちろんコストがかかります
ある集団のなかに利他主義者が何人かいて、これらに報酬を与えることで集団内の割合を増やしていこうとするとどうなるでしょうか。報酬によって利他主義者は増えていきますが、数が多くなるとそれだけ報酬にかかるコストも増えていきます。つまり、このやり方では利他主義者が増えるほどコストがかかってしまうのです。

自然淘汰は、より少ないコストで適応度を上げるものを選択していきます
ゆえに、裏切り者を探し出したり記憶したりすることで罰を与えるしくみの方が、利他主義者を覚えておく「しくみ」よりも発達したのかもしれません。
以上が、小田亮氏の「アメとムチ」論でした。日本の社会に「減点主義」が多いのは、こうした考え方が根底にあるのだとしたら、少しさみしい気がいたしますね。

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願い致します。今回は「ホスピタリティ・CS研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月22日 (日)

視線を感じると人は利他的行動を取る 利他学(4)

2人の米国の心理学者が大学生に実験室に来てもらい、独裁者ゲームに参加してもらいました。パソコンの前に座った参加者には、分配者(独裁者)かあるいは被分配者のどちらかの役割が割り振られます。分配者には、実験者から与えられる10ドルの中から、1ドル刻みで好きなだけ被分配者に分配するようにとの指示が与えられます。

4グループに分け、独裁者ゲームを行うと
分配者をパソコンの画面上に、「ホルスの目(古代エジプトのシンボル)」が2つ表示されている、同じ位置に単に文字が表示されているグループに分けます。もうひとつの条件としてヘッドホンをする、しないのグループ分けもしました。これらの4つの組み合わせにそれぞれ、20人強の分配者が割り振られました。

ホルスの目が2つあると1.5倍も気前がよくなる
さて、相手に対する分配額をそれぞれの条件で比べてみると、いちばん分配額が多かったのが、ヘッドホンなしで、目の絵がある条件でした。平均して3.79ドルが相手に分配されました。一方、ヘッドホンなしで、目の絵がない条件では平均2.45ドル。これらのあいだには、統計的に意味のある差がありました。

「目」だけのポスターには盗難を防止する力がある!
つまり、この差は偶然ではない、ということです。同じ目の絵がない条件でヘッドホンをした場合の分配額は2.32ドルであり、どうやら外界の音が聞こえているかどうかは分配額には影響しないようでした。しかし、目の絵のあることによって、分配額は増えました(この現象は、目のポスターを貼ると盗難防止に役立つことに共通する)。

なぜ目があると利他的になるのか?
この実験から、目の絵があることが利他性を高めるということが分かりました。つまり、人間には自分の方を向いている目をみると利他性が高まるという「しくみ」があるということなのです。では、なぜそのような「しくみ」があるのでしょうか。そこで考えなければいけないのが「機能」の問題です。

その鍵になるのは、「評判」ではないかと考えられている
前号で述べたように、お返しが期待できないような赤の他人への利他行動は、間接互換性によって維持されていると考えられます。そのためには、利他行動のやり手がよい評判を得ることができなければならなりません。そこで、他人の目があるときにはより利他行動をする、という「しくみ」が進化したのではないかというわけです。

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願い致します。今回は「ホスピタリティ・CS研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月19日 (木)

「評判」が人に互恵的利他行動を起こさせる? 利他学(3)

私たちはしばしば、お返しができない相手に対しても利他行動を行います。前出のトラック運転手と子ども連れは初対面であり、その後も顔を合わせることはありませんでした。これを取り上げた放送局が運転手をつきとめて取材を申し込みましたが、「当然のことをしたまでだから、取材は勘弁してほしい」と言われたそうです。

情けは人のためならず
お返しが確実でなければ互恵的利他行動は成り立たないはずなのに、なぜ人はこのようなことをするのでしょうか。その答えは、「情けは人のためならず」ということわざにあると筆者。なお、このことわざは、情けをかける、つまり他人を助けることは、その人のためではなく、廻り回って自分のためになるのだ、という意味でしたね。

たしかに人間社会においては、助けてあげた相手から直接ではなく、まったく別の人から間接的にお返しがあることがあります。これを、「間接互恵性」と呼びます。
あるラジオ番組が紹介した投書があります。車でショッピングセンターに出かけたのはいいのだが、買物を終えて屋外の駐車場に戻ろうとすると、突然雨が降ってきた。

あいにく傘は持っていないが、ずぶ濡れになるのはいやなので、しばらく待っていると、ある人が傘を指し掛けてくれて、一緒に車のところまで行きましょう、と言ってくれた。その親切さに感動したので、今後は自分もそういう人を見かけたなら同じように傘を差し掛けよう、と決心した。

これはまさに間接互恵性の一例だといえます。傘を差し掛けた人は直接お返しをもらったわけではなく、傘を差し掛けられた人のお返しは第三者に向かっているのですが、このようないわば親切の輪が廻っていけば、最終的には傘を差し掛けた人に何らかのかたちで利益が戻ってくるかもしれません。

しかし、文明以前の小さな集団ならともかく、現代の文明社会にみられるような大きな集団で、そのように廻り回ってお返しがくることがありえるでしょうか。そこで注目されているのが、「評判」なのです。

進化生物学者リチャード・アレグザンダーは誰かにした利他行動に対し、たとえ本人から直接的なお返しがなくても、それを見ていた第三者によって、「あの人は親切な人だ」という評判がたてば、その後のやりとりで利他的に振舞ってもらえるだろう、ということを提唱しました。そうすれば、利他行動は十分に報われたことになります。

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願い致します。今回は「ホスピタリティ・CS研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月15日 (日)

4つの「なぜ」 続・ティンバーゲンの問い(後篇) 利他学(2)

2015年2月10日の朝日新聞「声(Voice)」の欄に「冬の無人駅で受けた親切に感謝」という投書がありました。なぜ、人間は困った親子を通りすがりのトラック運転手が100キロも遠回りして助けたり、この投書のような利他行動を取る「しくみ」があるのでしょうか。今回は、そのメカニズムに「機能」との関係から迫ります。

人間が利他行動をする「しくみ」と「機能」の関係
道具を例にとって考えてみよう。一般的なハサミがどういう「しくみ」になっているかというと、ふたつの刃が交叉するように固定されていて、反対側には穴が空けられている。なぜこんな形になっているかというと、穴の部分に指を入れて刃を操作し、紙をふたつの刃ではさみこんで切断するためである。つまり、紙を人力で切るという「機能」を最も効率的に果たすために、ハサミの「しくみ」があるのだ。

人間が設計した人工物の場合、このように、「しくみ」は「機能」のためにある。ゆえに、ある人工物を前にしたとき、それがもつ「機能」が何であるかを考えると、その「しくみ」についての理解が進む。これが、「リバース・エンジニアリング(逆行設計)」という考え方だ。

人間がつくった道具というものは、普通は何らかの機能を持ち、目的を果たすように設計されている。つまり、人工物というのはエンジニアリングによって何らかの機能を果たすために各部分がつくられ、働いている。ということは、その人工物がもつ「機能」を考えれば、その人工物の「しくみ」につての理解が進むのではないか。

いままでハサミというものを見たことがない人が、生まれて初めてハサミを目にしたとしたらどうだろうか。なぜ、ふたつの刃が交叉するようになっていて、なぜ反対側に穴が空いているのか疑問に思うだろう。そこで、ハサミの機能を考えてみることが、その「しくみ」を理解するうえで大きなヒントになるに違いない。

同じことは、生物につてもいえる。人間だけでなく、すべての生物について、なぜその種がそんな「しくみ」をもっているのか、という問いかけをするとき、その「機能」を考えることが大きな助けになるのだ。

もちろん生物は誰かが設計して造ったものではない。その点は人工物と異なるところである。しかし、生物もメカニズムが働けば、あたかも誰かが設計したかのように非常に機能的なものになるのである。それが、「自然淘汰」だ。
文章は「自然淘汰と適応」に続きますが、本稿では割愛させていただきます。

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願い致します。今回は「ホスピタリティ・CS研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月12日 (木)

4つの「なぜ」 続・ティンバーゲンの問い 利他学(1)

前回の「美しいセオリー(5)」は、少々難解だったかもしれません。しかし、あえて最終回で取り上げたのは、今回紹介する内容で「ティンバーゲンの問い」をある程度補足できると考えたからでした。京都大学霊長類研究所でおサルさんの研究をしていた小田亮氏の著書『利他学』が、「ディンバーゲンの問い」に触れています。

なぜ、私たちは他人に対して親切にするのだろうか
先日あるテレビ番組を見ていたら、大雪による列車の運行停止で高校の入試に遅れそうになった親子連れがヒッチハイクを試み、たまたま乗せてくれたトラック運転手が100キロほども遠回りをして、受験会場まで送り届けてくれた、というエピソードが紹介されていた。運転手は「ヨコヤマ」とだけ名乗って去って行ったそうだ。

なぜ彼は、そんなことをしたのだろう
人間に限らず、動物一般の行動について、「なぜ」そんなことをするのだろう、ということを考えるときには、4つの異なる考え方がある。これは、動物行動学の創始者の一人であり、1973年にノーベル医学・生理学賞を受賞したニコ・ティンバーゲンが提唱したものだ(前回記したものと文言は多少違いますがほぼ同内容です)。

4つの「なぜ」とは? ( )は専門家による要約
(1) その行動が起こる仕組みは何なのだろうか (至近距離)
(2) その行動にはどんな機能があるのだろうか (究極要因)
(3) その行動は個体の一生のうちに、どのように発達してくるのだろうか (発達要因)
(4) その行動は、進化の歴史においてどのような過程を経て今日に至っているのだろうか (系統的進化要因)

これらは、メカニズムかプロセスか、時間軸が長いか短いか、という分け方もできる。(1)(2)はメカニズムであり、(3)(4)はプロセスである。
これらの4つの問いは、それぞれ別々の視点から同じ行動を眺めているのであり、どれが正しいというものではないし、混同してはいけない。ところが、「なぜ」ということを考えるとき、「しくみ」についての答えで終わってしまうことがよくあるのだ。

心理学では利他行動は「援助行動」あるいは「向社会的行動」などと呼ばれることが多く、どのような場面でどういった感情が働いて、このような行動が発現するのか、という記述に終始している。しかし、それだけでは答えになっていない。なぜ、人間はそのような「しくみ」があるのだろうか。また、なぜその「しくみ」はそのような特徴を持っているのだろうか…。(後篇に続く)

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願い致します。今回は「ホスピタリティ・CS研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月28日 (日)

イチロー選手の贈り物の仕方  「贈り物の話」(3)

当ブロクでは2012年3月20日、27日に「イチロー選手の心構え(*)」を書きましたが、2年近く経過した今日でも閲覧ランキング上位に登場します。ファンである筆者は嬉しいかぎりです。そのイチロー選手、大リーグでの去就が気になるところですが、プレゼントにイチローさんらしい思いやりのある話がありますのでご紹介します。

お世話になった人へのイチロー選手からのプレゼントの仕方(※)
イチロー選手は、お世話になった人や友人の記念日には、そっとプレゼントを贈ったりします。参考文献とした『遙かなイチロー』の著者(義田貴士氏)の誕生日もちゃんと覚えていて、いつもプレゼントをくれるので恐縮してしまうそうです。

それも、氏が探していたものをちゃんとリサーチして、いきなり鞄から出して驚かされたりするのだそうです。氏が、「これ、前から欲しかったんだけど、何でわかったの」と不思議がって聞くと、イチロー選手はうれしそうに笑うのだそうです。

スタンドのファンへのプレゼントの仕方
ある日のこと、外野で守備につくイチロー選手を見ていると、なぜかきょろきょろとしていました。スタンドで誰かを探しているような感じなのです。知り合いでも応援に来ているのかなと義田氏が思いましたが、次の試合でもまた同じようにきょろきょろしています。

イチロー選手が探しているのは一体誰だったのか? 
実は、イチロー選手はグローブを持って外野席に応援に来ている少年ファンを探していたのでした。外野へ飛んでくるフライを補球したイチロー選手は、サービスでスタンドのファンにボールを投げ入れます。
その際、あらかじめ見つけておいた少年に向けてボールを投げていたのです。

「どうせプレゼントするなら、わざわざグローブを持って球場に見に来ている子にあげたいじゃないですか。それに、グローブを持ってきている子なら取り損ねてけがをすることもないでしょう」

●思い遣りと、優しさに溢れたプレゼントの仕方ですね。大リーグでの3000本安打まであと156本。是非達成し、大リーグの殿堂入りを果たしてもらいたいと思います。
*「道具を…」http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/3-878e.html
*「準備を…」http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/4-ace5.html

※:『遙かなイチロー』(義田貴士著/KKベストセラーズ)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「ホスピタリティ研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月25日 (木)

思いがけない贈り物、記憶の贈り物  「贈り物の話」(2)

5回シリーズで前々回まで書いた松浦弥太郎氏の近著に『僕の好きな男のタイプ』(講談社)があります。その中に「記憶の贈り物をする男」と題して、素敵なお話が2つ書かれていますので紹介します。贈り物は「思いがけなさを含めて贈るもの」「嬉しい気持ちを誰かにもらったら、嬉しさを誰かに贈る」。心に響きます。

松浦氏が、仕事で京都に行ったときのこと
昼食をとろうと入った店で、草木染めのドレスを着た女性客に気づきました。おそらく作家のもので、服というより作品のような美しさ。大胆な色合いは個性が強いものですが、60代くらいの大人の女性だからこそ、しっくり着こなしています。

「すてきですね」と僕は思わず声をかけ、しばし彼女のグループと言葉を交わした。とはいえ昼食の席。女性たちはやがて席を立ち、僕は連れと仕事の話を続けました。「さすが京都だな、本当の女性がいるな」と、ふとした出会いに小さく感動しながら。

プレゼントは、思いがけなさも含めて贈るもの
おいしく食事をすませ、会計をしようとレジに立つと、お店の人が紙袋を差し出し「これ、先ほどのお客さまからです。京都のお土産ですと」
ごく普通の紙袋に入った、麩まんじゅうでした。(中略)

言葉を交わしただけの僕らのために、「東京から来ているのだから」と、わざわざ近くの店で麩まんじゅうを買い求め、レジにあずけてくれたのでしょう。
メモもカードも入っていませんでした。名前も聞いておらず、手がかりはあの美しい染色されたドレスだけ。

びっくりして、嬉しくて、贈り物とはこういうものだと、その粋なはからいに魅せられました。思いがけなさと、女性のやさしさが合さって、もっちりつやつやした麩まんじゅうは、なおさらおいしくいただけたのです。

あるとき食事に招待され、とても珍しい季節の逸品が出てきた
「すごいですねえ」とびっくりしていると、その人はにっこり笑って言ったのです。
「松浦さん、いつか食べてみたいと言っていたじゃない」。珍しいごちそうの話を聞いたとき、あまりにおいしそうにその人が話すので、確かにそう言ったかもしれません。

自分でも忘れていたのですが、ちゃんと覚えていてくださったことに、びっくりして、どきどきして、たまらなく嬉しかったのです。嬉しい気持ちを誰かにもらったら、誰かに嬉しい気持ちを贈る。贈り物の意味も教えていただいた気がしています。

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「ホスピタリティ研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月21日 (日)

長い道のりは、プレゼントの一部  「贈り物の話」(1)

世の中はクリスマスからお正月に向かって、年の瀬の独特な雰囲気に包まれています。この時期の話題の多くは贈り物(プレゼント)なのではないでしょうか。「贈り物の話」を3回書きますが、今回は筆者お気に入りのお話です。文末に、プランタン銀座の「クリスマスプレゼント」女性アンケート調査結果の一部も紹介します。

南の島での、少年と女性教師の心温まるエピソード(※1)
南洋諸島にある島で、一人の少年が女性教師の話に注意深く耳を傾けていました。女性教師は、「私たちがときどきお互いに贈り合うプレゼントは、愛を思い起こさせるものであるべきです。贈り物を通じて互いに愛を伝え合うのです」と話した。

翌日、少年は、素晴らしく美しい貝殻を先生に贈った。先生が、それまで見たことのないような美しい貝だった。「こんなに美しくて貴重な貝を、いったいどこで見つけたの?」と、先生は少年に尋ねた。

少年は、島の裏側にたった一箇所、ときどきこんな貝が見つかる場所があると答えた。その小さな秘密の入り江まで、20キロメートルほど離れているという。

「本当にとても美しいわ。この貝を一生大事にして、あなたのことをずっと覚えておくわ。でも、プレゼントをするためにだけに、そんなに遠くまで歩いて行かなくてもいいのよ」と、先生は言った。
すると少年は瞳を輝かせて、こう言ったのだった。
「長い道のりは、プレゼントの一部です」

「プランタン銀座 クリスマス調査」で検索ください(※2)
(調査期間;2014/10/14~19。調査対象:メルマガ女性会員。回答:482名)
恋人・パートナーから期待するクリスマスプレゼントは?(複数回答)
1位 外食26%) 2位 その他アクセサリー(25%) 3位 指輪/ネックレス(各23%) 4位 バッグ(16%) 5位 スイーツ(13%)

恋人・パートナーに贈るクリスマスプレゼントは?(複数回答)
1位 洋服(31%) 2位 ネクタイ/手料理(各17%) 3位 財布(16%) 4位   マフラー(14%) 5位 メンズアクセサリー(13%)

※1:『心を上手に操作する方法』(トルテン・ハーフェナー著/サンマーク出版)
※2:http://www.printemps-ginza.co.jp/special/noel_2014/question.php

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「ホスピタリティ研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月14日 (日)

思い遣りのある行動とは  『朝日新聞』ある中学教師の「投書」から(*)

7月19日に東京駅発のバスの中で俳人が色気を感じたという“少女が体の具合の悪いご年配者に席を譲る”シーンを書きましたが、今回は新聞投書から“若い男女が老夫婦に見せたさりげない譲席の配慮”です。これを取り上げたのは心理学者ですが、俳人と心理学の“言葉に対する思い”に相通じるところがあるのは興味深いところです。

ある新聞に、ちょっと面白い投書が載っていましたので、それを紹介してみましょう。この人の乗った電車は次第に混み出して、空席はほとんどなくなっていました。
ある駅に到着する間際に、ホームで待っている老夫婦に気づいたらしい男性の若者が席を立った。彼はその駅で下車することなく、立ったままで本を読んでいる。まるで今までも立っていたかのように。

彼の作った1つの空席に老夫婦が向かうと、今度は若い男性が作った空席の隣に座っていた若い女性がさりげなく立ち、別の車両に移っていった。
2人の若者に面識はなかった様子だったが、席の空け方が、どちらも絶妙のタイミングだった。老夫婦に席を譲ったことを、あえて知らせることはない、との配慮だったのだろうか」*:『朝日新聞』(2012年4月24日付朝刊 Voice「声」より)

心理学者の、この投書の受け止め方
ぼくがこの投書に引かれたのは、こうしたさりげないことに気づく人がいて、それを投稿しようとする人がいることに面白さを感じたからです。「見る人は見ているんだなあ」という気もしますし、心理学を勉強しているぼくは、果たしてこういうことに気づくだろうかと思ったりしました。

もうひとつは、この若者たちはどうして「どうぞお座りください」と老夫婦に言わなかったのだろうかということです。
「どうぞ」「やあ、どうもすみませんね」といった経験を何度もしてきた後期高齢者のぼくは、そのやり方のほうがすっきりするような気もします。
しかしそうなると、すんなりと座ってくれないお年寄りもいるでしょうし、お礼を言われたりするのも面倒なことかもしれません。

この投稿者は、「席を空けたタイミングに、二人の優しさを感じた」と書いていますから、最近の若者にはこうしたスタイルでの優しさが広がっているのかもしれません。
この方がお互いに気持ちの負担を感じずに済むともいえますが、しょっちゅうそこまで気を遣っていなくてはならないのもしんどいともいえます。

※:『思いやりはどこから来るの?』(日本心理学会監修/高木修&武村和久編/誠心書房)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「ホスピタリティ研修」の話題から。

にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


エチケット・マナー ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧