人間関係の潤滑油ともいえる挨拶の含意
挨拶言葉は単なる形式的なものではなく、それぞれ意味が込められているものだそうです。
「おはようございます」は、お早い時間からお元気ですね! と相手を励まし、自分も頑張ろう! という言葉です。「こんにちは」は、今日はご機嫌いかがですか、と相手のことを案じながらエールを送っている言葉です。
「こんばんは」は、今晩は一日無事に過ごされていい夜ですね、と平安に一日を過ごされた相手によかったですね! という気持ちと、そのことをありがたく思っている言葉です。
「おやすみなさい」は、一日の疲れを休んで癒しましょう、という気持ちでいう言葉でもあり、まだ起きている人が寝る人に対して「どうぞおやすみ」といった場合に使います。
ビジネスにふさわしくない言葉
①状況をあいまいにする言葉「もしかすると」「一応」「大体」「とりあえず」「やっぱり」「たぶん」「~っぽい」
②理屈っほく、相手に悪印象を与える言葉「つまり」「ですから」「基本的に」「原則として」「私的には」「まあ」「ちなみに」
③相手をストレートに否定する言葉{ありえない」「どうしてですか」「まさか」
④大人げない言葉「だって」「えっと」「あの~」「っていうか」「ちょっと」「やっぱり」「~じゃないですか」「でも、だけど」「~けれども」
⑤同じ言葉の連呼「ええ、ええ」「はい、はい」「まあ、まあ」
あなたは「大和言葉」にいくつ変換できますか?
私たちが日常話しているのは大別すれば日本語ですが、その日本語も、中国から入ってきたもの、中国以外の国々からも外来語として入ってきて、日本語になっているものも数多くあります。例えば、雨の日に羽織るカッパは、16世紀にポルトガルの宣教師が着ていたコートがルーツ。「瓦」は古代インドのサンスクリット語の「Kapala」が語源です。
このように今も昔も海外との交流から言葉は時代とともに変化しますが、その一方で、しっかりと生き続けている日本固有の言葉を「大和言葉」と分類します。「大和言葉」は、平「和語」とも称されます。日本語の乱れを言語学者が指摘しますが、その一方で「大和言葉」が日本語の品格を保ってくれているのも厳然たる事実でしょう。
「大和言葉」への変換例(太字が大和言葉)
- どうしてもお話ししたいことがあります→折り入ってお話ししたいことがあります。
- 余計なことを言ってすみません→差し出がましい口を利いて申し訳ございません。
- お酒は飲めません→あいにくたしなまないもので…
- 手伝ってもらえませんか→お力添えいただけないでしょうか。
- お越しいただき感謝です→ようこそお運びくださいました。
- 私の責任です→私の力がおよびませんで…。
■なお、2018年1月22日の「木の葉ブログ」で「大和言葉」を取り上げております。
※参考文献:『相手のことを思いやる ちょっとした心くばり』(岩下宣子著/三笠書房刊)
『ビジネスマナーがかんたんにわかる本』(日本能率協会マネジメントセンター著&刊)
『日経WOMAN』2016年8月号(1276字)
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