非言語コミュニケーション

2024年2月 8日 (木)

F・ベドガーとD・カーネギーの笑顔

遡ること87年前の1937年に初版(同年に日本でも発刊)が出たデール・カーネギーの『人を動かす』がビジネス書の永遠のベストセラーだとすると、セールス本のベストセラーはフランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』といわれる。この本の冒頭に1917年来の知己というカーネギー氏が「発刊に寄せて」を書いている。

「本書こそ、私が今日までに読んだ販売術に関する著書のうちで、最も有益で、最も示唆に富んだ労作である。本書は保険の外交員だけでなく、すべてのセールスマンに益するところはなはだ大で、フランク・ベドガーの死後も末長く不滅の貢献をなすであろう。私は本書を1ページごとに精読した。そして、私は情熱を傾けて本書を推薦する」

ベドガー氏は、セールスの秘訣を「見込客の事務所に入る直前、立ち止まり、人生で一番嬉しかった事柄を思い浮かべ、心から溢れ出る笑顔を作る(毎朝30分この練習)。その笑顔が消えかけた瞬間に入室する。そうすればいつでも愉快そうに笑うことができ、そして部屋の中で会う人からも、これと同じような意味の笑を誘い出すことができる、と。

『人を動かす』の第二章「笑顔を忘れない」に紹介された「広告」より

「クリスマスの笑顔」

元手がいらない。しかも利益は莫大。

与えても減らず、与えられた者は豊かになる。

一瞬のあいだ見せれば、その記憶は永遠に続く。

どんな金持ちもこれなしでは暮らせない。また、どんな貧乏人もこれによって豊かになる。

家庭に幸福を、商売に善意をもたらす。

友情の合言葉。

疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては明るい兆し(光明)、悲しむ人にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる。

買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない。無償で与えて初めて値打ちが出る。

この広告は、上記コピーの後に、「クリスマスセールで疲れ切った店員のうちに、これをお見せしない者がございました節は、恐れ入りますが、お客様の分をお見せ願いたいと存じます。笑顔お使い切った人間ほど、笑顔を必要とするものはございません」で結ばれている。

近年は、共稼ぎ世帯が多く、忙しさゆえに家庭内の会話が乏しくなっている感があるが、カーネギーは、そうした家庭事情も「笑顔」で問題解決可能と指摘している。殺伐とした世相を反映してクレーマーの存在が問題視される世相についても、お客様との最初の接点で「笑顔」があれば違った結果になるのではとの示唆も。

友情をはじめ、人間関係がぎくしゃくして、ストレスをためる人も多い世の中になりつつあるが、これについてカーネギーは「笑顔」での問題解決を説く。疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむ人にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる、と。これらは現代にもピタリとあてはまるのではないだろうか。

本稿の最後はウィリアム・ジェームズ。彼は「動作は感情に従って起きるように見えるが、実際は、動作と感情は並行する。動作は意志によって直接統制することができるが、感情はそうはできない。ところが、感情は、動作を調整することによって、間接に調整することができる」と。意図的な「笑顔」が感情にプラスの影響を与えるとの見解だ。

※参考文献:『人を動かす』:デール・カーネギー著/創元社刊

『私はどうして販売外交に成功したか』:フランク・ベドガー著/ダイヤモンド社刊

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2022年6月 9日 (木)

BIG BOSSを自称していいかもしれない❤理由

2004年大リーグから日本のプロ野球・日本ハムに入団した新庄選手は香水の香りをさせたユニフォームを着てグランドにさっそうと現れたことが、前回のブログの大谷選手の逸話でも紹介した『プロ野球 元審判は知っている』(佐々木昌信著/ワニブックス)に書かれています。

どうやら最初の頃は変人扱いされたようですが、いつしかチームメイトの日本ハムの選手みんなにそれが飛び火して、次第に他の球団にも広がっていったそうです。そして今では12球団にいきわたり、いわゆる汗臭いということがグランド上でほぼなくなりました。

ちなみに新庄選手は甘い代わりだったそうですが、「この香水、なんていうブランドと聞かれると、さりげなく「シャネルです」と。「シャネル」が女性の口から出るのは自然でしょうが、これがプロ野球選手の口から発せられたのですから、聞いた方は意外性に驚き圧倒されたのでしょう。返した言葉は「さすが、高給取りだね」だったとか。

本の著者は元心配で、アンパイアを務める時はキャッチャーの真後ろでほぼ密着状態です。そのキャッチャーを代表して阿部慎之助選手(現在は巨人軍の二軍監督)の現役時代のことが紹介されています。阿部選手はなんと、お香の白檀の香りを漂わせていたそうです。戦略家と称されていた名キャッチャーのことですから、深遠な意図があってのことだったかもしれませんね。

選手の中には香水をプレゼントするのが得意な人もいて、チームメイトが好きな香りをプレゼントしてくれることもあったようで、プロ野球の世界もずいぶん様変わりしたと元審判は述懐されていました。ちなみに日本ハム時代の大谷翔平選手は「自分でブレンドする」と言っていたとか。

今日では香水が審判にも波及しています。審判は4人制ですから、試合前に4人整列するとお互い違う香りがすることがあり、若い審判の中には流行歌に登場するドルチェ&ガッバーナをつけるセンスの持ち主もいて様々な香りの協奏が演じられるとか。

新庄さんはドラフト4位で阪神に入団しましたが、阪神の選手時代に「ジーパンがはけなくなるから筋トレはしたくない」など、おしゃれに関しては既に一家言持っていたそうです。2009年MLBのニューヨーク・メッツへ入団し、その後移籍したサンフランシスコ・ジャイアンツでは日本ジ選手初のワールドシリーズ出場も果たしています。

印象的なプレースタイルや言動、立ち居振る舞いから「記録より記憶に残る選手」とも称され、いろいろな意味で球界に革命を起こしてきた新庄監督ですから、ユニフォームの香水革命ばかりではなく、自らBIG BOSSと名乗る資格があるのかもしれません。

参考文献:『プロ野球 元審判は知っている』(佐々木昌信著/ワニブックス)

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2020年10月14日 (水)

非言語コミュニケーションの重要性を改めて思う

コロナ禍が続いて半年以上が過ぎました。研修や講演もリアルが戻りつつありますが、やはりこのコロナ禍、オンラインでの実施も並行して進んでいます。今回は改めて非言語コミュニケーションの重要性について気付かされたお話しです。

先日のオンライン研修でのこと、私は東京からzoomにて発信。その先は秋田県でしたが、個々にzoomに入るのではなく、受講者の皆さんはホテルの会場に着座し、大スクリーンに映し出される私の画面から学んでいただくというもの。当方も初めての経験で少しドタバタしてしまい、反省です。ご担当の配慮で受講者の様子がわかるようにとiPadを複数つないで受講者が画面を見ている様子をzoomでつないでくださいました。

しかし、距離的に遠くて顔の表情までは全くわからなかったのです。そんな中、複数台が同じ場所でzoomに繋がっていることから、当方の声がどうやらハウリングしてしまうようでミュート(消音)にしてくださったのですが、それが・・・

当方には全く会場の様子、特に周辺言語が伝わってこないのです。例えば誰かが咳をする、ざわつくなど。これらが全く感じ取れないので沈黙の中で相手の反応がわからずひたすらしゃべっている感じです。講演会ならまだ良いかと思いますが、スキルを上げていく研修では反応を見ながら進行していくので大変苦労しました。終わった時には正直やれやれといった感じでしたが、なかなかできない貴重な経験にも思いますので大変勉強になりました。

それとは真逆に社会的距離を保ちながらのペアワークでは、ご担当がiPhoneをあるペアに近づけ大きく映し出し声も届くようにしてくださったので、受講者の理解度がわかりやはりコミュニケーションはこれでなくてはね!と思った次第です。

下記、以前ブログに書いたもの
対人コミュニケーション用の信号「9つの非言語メディア」とは(※1)
1 人体(コミュニケーション当事者の遺伝因子にかかわるもろもろの身体的特徴の中で、なんらかのメッセージを表すもの。たとえば性別、年齢、体格、肌の色など) 
2 動作(人体の姿勢や動きで表現されるもの)
3 (「視線の交差(アイ・コンタクト)」と目つき)
 周辺言語(話しことばに付随する音声上の性状と特徴)
5 沈黙
6 身体接触(相手の身体に接触すること、またはその代替行為による表現)
7 対人的空間(コミュニケーションのために人間が利用する空間)
8 時間(文化的形態と生理学の2つの次元での時間)
9 色彩

※1:『非言語コミュニケーション』(マジョリー・F・ヴァーガス著/新潮社)

上記の9つを参考にすると今回の研修では、動作、目、周辺言語、沈黙、対人空間などが当てはまります。相互で良いコミュニケーションを取るには非言語がいかに重要であるか身をもって感じました。皆さんも大いに9つの非言語をご活用ください。

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2015年10月29日 (木)

倫理観にも影響を与える身体変化とは?  非言語情報と五感(7)

このシリーズ最後の今回は、前回同様これまで取り上げることができなかった章(10章中5章)の中から、ビジネスマンの倫理観に触れた研究を抽出してみました。嘘をついたあと、なぜ人は口をゆすぎたくなるのか。そして、シャワーを浴びた直後は、なぜカンニングに走りやすくなるのか。心の汚れと体の汚れの繋がりとは…。

浄めの研究から 「物理的な嫌悪感は道徳的嫌悪感にも影響を与える」
◎道徳違反や道徳上のジレンマを描いたストーリーを読ませると…
→悪臭を嗅がされたり、まずい飲みものを飲まされたり、不快な映像を見せられたりした人は、道徳上の問題に厳しい判断をくだした。
→しかし、こうした物理的な嫌悪感を抱いたあとに手を洗った場合は、このような傾向が見られなかった。
【結論】洗浄をおこなうと、実際に心も浄化され、罪悪感などが薄れる。物理的な嫌悪感を抱いているときは、道徳的な嫌悪感を抱きやすくなる。

光の研究から 「黒色や暗い部屋は人の暗い衝動を引き出しやすい」
◎NFL(アメフト)とNHL(ホッケー)のチームごとのペナルティー数を調べると…
→ユニフォームが黒のチームは、ほかの色のチームよりその数が多かった。
→ユニフォームが白のチームは、ほかの色のチームよりその数が少なかった。
【結論】黒は暴力性の強さを連想させ、それが実際の行動にも影響を及ぼす。

◎自分の過去の行動を思い出させたあと、部屋の明るさを評価させると…
→非倫理的な行動を思い出した人は、倫理的な行動を思い出した人よりも部屋が明るいと判断した。
【結論】私たちの明るさの感覚は、心の影響を受けており、好ましいものを見たり、好ましい気分のときは実際よりも明るく、悪いものを見たり、悪い気分のときは実際よりも暗く感じる。

重さの研究から 「心に重荷を感じると、体も重く感じる」
◎秘密を思い出させたあと、少し離れた容器にお手玉を投げ入れさせると…
→重大な秘密を思い出した人は、距離を長く感じ、遠くへ投げ過ぎてしまった。
◎浮気をしている人に、日常的な課題の労力を見積もらせると…
→浮気に強い罪悪感を抱いている人は、体を動かす必要がある課題により多くの労力が必要だと感じた。
【結論】心に重荷を感じると、体も重く感じる

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)

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2015年10月25日 (日)

PC画面は上下で広告の訴求力が異なる  非言語情報と五感(6)

今回は、これまで取り上げることができなかった章(10章中5章)の中から、ビジネスに欠かせないパソコンに関する研究を抽出してみました。「光」と「空間」の研究に共通して画面の上と下で印象がどう違うかがでてきます。大変興味深い内容で、HP制作やWebマーケティングに携わっている人には参考になるのでは…。

光の研究から 「好ましい表現は明るい文字で画面上に」
◎ストループ効果を応用して、画面に表示された単語の色を答えさせると……
→好ましい意味の単語が「明るい色」で、悪い意味の単語が「暗い色」で記されているときに、被験者は迅速に、かつ正確に識別できた。
【結論】白と明るさは好ましさと、黒と暗さは悪さと結びついている。

空間の研究から 「男性は画面上、女性は画面下で異性の高感度が高まる」
◎パソコン上に表示した単語が「強い意味」か「弱い意味」かを答えさせると…
→「強い」単語は画面上に、「弱い」単語は画面の下に表示されたときのほうが、迅速に答えることができた。
◎異性の写真をパソコン上で見せ、その人物の魅力を評価させると…
→女性は画面の上の方に表示された「男性」を、男性は画面の下の方に表示された「女性」を魅力的だと感じた。
【結論】高さは強さと好ましさ、低さは弱さと悪さと強い結びつきがある。

浄めの研究から 「除菌シートで手を拭くだけで心が浄化される!?」
◎過去の非倫理的な行為をパソコンで入力させたあと、ボランティアを募ると…
・入力後、除菌シートで手を拭かなかった人:74%が協力を申し出た。
・入力後、除菌シートで手を拭いた人:41%しか協力しようとしなかった。
【結論】心理的な汚れを感じると、物理的に洗浄をおこないたくなる。また、特定の体の部位による行動で心の汚れを感じたときは、その部位を綺麗にしたくなる。
そうした洗浄をおこなうと、実際に心も浄化され、罪悪感が薄れる。

温度の研究から 「仲間外れにされても温かい飲み物が慰めてくれる」
◎パソコン上のゲームで、仲間外れを経験させると…
→実際に指の温度が下がった。
→しかし、温かい飲み物を持たせると感情は改善した。
【結論】孤独は本当に「冷たい」が、温かいものをもてば気持ちはやわらぐ。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)

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2015年10月22日 (木)

甘いものが好きな人は感じが良く受け止められる  非言語情報と五感(5)

甘いもの好きには「良い人」が多い――。こう判断されることが多いのはなぜ? さらに、人は甘い香りからも影響を受け、特定の行動(たとえばお財布のヒモが緩みがちとなる)が喚起されます。(あまり感心しませんが)ナンパの成功率を上げる匂いがあれば、部屋を片付けたくなる匂いや脚が速くなる匂いもあるそうです。

研究1:好きな食べ物についての説明を添えた、人物の写真を見せると・・・
・甘いもの好きな人は、ほかの味の食べ物が好きな人より感じがいいと評価された。

研究2:ピザレストランで、店内にラベンダーの香りを発散させる・・・
→なんの香りも発散させなかったときと比べて、客が店に長時間滞在し、多くの金を使った。

研究3:ペパーミントの香りがする部屋で、さまざまな課題をやらせると・・・
・認知的活動(注意力と記憶力を要する課題、事務的な作業)や運動のパフォーマンス(走る速さ、握力の強さ、腕立て伏せの回数)が上がった。

研究4:待合室にゼラニウムのエッセンシャルオイルの香りを発散させると・・・
→なんの香りも発散させなかったときと比べて、人々が互いに関わり合おうとする傾向が見られた。

研究5:一つの部屋に滞在させたあと、なんの香りもしない部屋に移動させると・・・
→移動前に清潔な香りのする部屋にいた人は、なんの香りもしない部屋にいた人よりも、テーブルの上のビスケットの屑を掃除するケースが多かった。

【結論】
・甘いものが好きな人は感じが良いとみなされる。
・実際に甘いものを食べると、他人に親切な行動をとりやすくなる。
・店に訪れた客の滞在時間を長くし、財布のヒモを緩ませる香りがある。
・認知的行動や運動のパフォーマンスを高める香りもある。
・浄化に関係する香りを嗅いだ人は、浄化行為をおこないやすくなる。

【応用編】
・デートや商談のときは、相手に好印象をもたせるため、甘いものを食べよう
・店作りや、事務作業、勉強には匂いの力を活用しよう。
・子ども部屋を綺麗にさせたいときは、浄化にかかわる香りを嗅がせよう。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)

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2015年10月18日 (日)

交渉は論理と感情の使い分けが大事  非言語情報と五感(4)

相手との距離によって、あなたの行動や感情は大きな影響を受けています。人はパーソナルスペース(具体的な距離は下記※1を参照ください)を侵されるとどうなるでしょうか。メールや電話だけでビジネスを済ませてよいのかは、大いに議論のあるところです。なお、交渉では座る位置(同※2)にも注意しましょう。

研究1:誰かに至近距離に立たれた人の脳をfMRIで調べると・・・
→扁桃体と呼ばれる部位が活性化していた。

研究2:教室に集めた人に、4種類のTシャツの中から好きなものを選ばせると・・・
・席の移動がなかった人:座席の間隔が狭い教室の人は、広い教室の人と比べて、周りの人たちに否定的な感情を抱き、他との違いが明白なTシャツを選ぶ人が多かった。
・途中で前方の好きな席に移動させられた人:座席間隔が狭い教室の人も、周りの人たちに好ましい感情を抱いていた。そして、座席間隔が広い教室の人のほうが、ほかとの違いが明白なTシャツを選ぶ人が多かった。
研究3:研究2の類似例のため割愛。

研究4:デカルト平面*上の2つの点にしるしを記入させ、文章を読ませると・・・
→比較的近くの点に印をつけた人は、遠く離れた点に印をつけた人よりも、文章の登場人物に感情移入した。
*:平面上に直角のX軸Y軸を描いたもの。1637年に発表された『方法序説』で平面上の座標の概念を確立したルネ・デカルトの名を採ってこう呼ばれる。

【結論】
・パーソナルスペースを侵されると、扁桃体が活性化し、不快感を抱く。
・そして、みずからの個性を主張し、ほかの人との違いを際立たせたくなる。
・空間的な距離の近さを経験すると、目の前の物事との心理的な距離も近くなる。
【応用編】
・多様でユニークな意見がほしいときは、狭い場所に詰めて座りながら会議しよう。
・相手との心理的な距離を近づけるためには、電話やメールですませず、対面でのコミュニケーションをおこなおう。
・相手の論理に訴えかけたい交渉では、普段より相手との距離を取って座ろう。
・反対に、相手から感情を引き出したいときは、体を寄せて座ろう。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)
※1:http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/63-46d6.html
※2:http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/64-e91c.html

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2015年10月15日 (木)

商談に勝つ椅子、負ける椅子がある!?  非言語情報と五感(3)

交渉に対して、強硬な姿勢で臨む人もいれば、柔軟な姿勢で臨む人もいます。調べてみると、その違いを生んでいたのは私たちの「触覚」でした。その影響は子育ての環境にも関係します。柔らかく手触りのよいものを与えた場合と、硬いものを与えた場合とでは、大人になったときの、人に接する態度に違いが出るというのです。

研究1:スーパーで試食を勧める販売員が客の腕に軽く触れると・・・
→客が試食を受け取り、商品を購入する割合が上がった。
研究2:レストランのウェイトレスが客の肩や手に1秒触れると・・・
→受け取るチップの額が多くなった。

研究3:マジックの道具を持たせたあと、ある人物(A)の評価をさせると・・・
→硬い木のブロックを持った人は、やわらかい毛布を持った人よりも、Aを頑固で厳しい性格の持ち主だと評価した。

研究4:椅子に座らせ、自動車を購入するための価格交渉を想像させると・・・
→最初の提案が拒絶されると、再提案において、やわらかいソファに座った人は硬い木の椅子に座った人よりも、大幅に価格を引き上げる傾向があった。

研究5:触感にまつわる比喩を聞かせ、その人の脳の活動をf MRIで観察すると・・・
→実際に物体に触れて触感を感じ取ったときと同じ脳の領域が活性化された。

【結論】
・私たちは人と接触すると、その人への信頼感が強まり、協力的な行動を取る。
・物理的に硬さを感じると、他人を頑固で厳しい人だと評価する。
・交渉の姿勢も触感に応じて強硬になったり、柔軟になったりする。
・触感にまつわる比喩を聞いたときには、実際の触感と同じ脳の領域が活性化する。

【応用編】
・子どもも大人も、文字通り人と触れ合おう。
・柔軟な姿勢で交渉に臨むには、柔らか椅子に座り、硬いものを持たないように気をつけよう。
・子どもにはやわらかく、手触りのよいオモチャを買ってあげよう。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)

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2015年10月11日 (日)

赤ペンの使用を禁じた学校があるのはなぜ  非言語情報と五感(2)

さまざまな色の中でも赤は別格のようなのです。試験の解答用紙のごく一部に赤色が印字されているだけで、あらゆるテストの成績は下がりました。また、赤いユニフォームを着るだけで、あらゆる試合の勝率は上がったのです。なぜ赤色には、こんなにも私たちをつき動かす力があるのでしょうか?

研究1:学生に数学や言語のテストを受けさせると・・・
→解答用紙の右上に記されている受験番号が赤色で印刷されていたり、表紙が赤色だったりした人は、際立って成績が悪かった。

研究2:2004年のアテネオリンピックにおける格闘技の試合結果を調べると・・・
→4競技すべてで赤のウェアや防具を着た選手が、青の選手より勝率が良かった。

研究3:1947年以降のイングランドのサッカーチームの成績を調べると・・・
→赤いユニフォームのチームの成績が、ほかの色のチームを上回っていた。

研究4:テコンドーのベテラン審判に、対戦の動画を見せると・・・
→赤の防具を着けた選手は、青の防具を着けた選手より多くの点数を与えられた。
→デジタル画像処理で防具の色を入れ替えると、同じ試合にもかかわらず、青から赤に変わった選手は与えられる点数が増えた。

研究5:スクリーンに「握る」という文字が表示されている間、握力計を握らせると・・・
→「握る」の文字の背景が赤色だった人は、青や緑だった人よりも強く握力計を握ることができた。

【結論】
・赤色を見ると、頭を使う課題のパフォーマンスは悪化する。
・しかし、単純な身体的課題のパフォーマンスは高まる。
・スポーツやゲームなどでは、赤を着たチームには自信が生まれる。
・また、対戦相手や審判からも有利な反応を引き出すことができる。
【応用編】
・テキストや学校の教材、また人への指示などに赤色を使うのはやめよう。
・スポーツやゲームでは赤いウェアやユニフォームを着用しよう。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)

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2015年10月 8日 (木)

赤を身につけるとなぜもてるのか?  非言語情報と五感(1)

本ブログでは「赤」をテーマに2014.1.05から7回シリーズや2012.07.26「赤い色の不思議」)※を書いてきました。その閲覧数が多いことから赤色の魅力を強く認識していたのですが、それを先日実体験しました。打ち合わせの後に都立中央図書館(広尾)に立ち寄ると、新刊コーナーの真っ赤な本が目に飛び込んできたのです。

本のタイトルはそのものズバリ! 『赤を身につけるとなぜもてるのか?』でした。さっそく手に取ると、内容はかなり艶っぽいお話が多く、当ブログには馴染まないのでパスしようかと思いましたが、それぞれの章のまとめが見事にキマッテいたので、その一部を紹介(前述の理由で一部カットのケースも)させていただきます。

研究1:男性にある女性(A)の写真を見せると・・・
→背景やシャツの色が赤色の写真を見せられた人は、他の色の写真を見せられた人よりも、Aを魅力的でセクシーだと判断した。
研究2:内容的に当ブログにふさわしくないと思われるので割愛。

研究3:レストランのウェイトレスが客からもらうチップの金額を調べると・・・
→男性客は、赤いTシャツを着たウェイトレスに、他の色のウェイトレスよりも多額のチップを渡した。
→女性客には、そうした傾向はみられなかった。

研究4:女性にある男性(A)の写真を見せると・・・
→背景が赤色の写真を見せられた人は、他の色の写真を見せられた人よりも、Aを魅力的でセクシーと感じた。
→背景でなく、シャツの色で実験してみても、赤には同様の効果があった。
→女性は、赤いシャツを着た男性のほうが地位が高く、将来成功する可能性も高いと判断した。

【結論】
・男性は「赤い」女性を見ると、その人をセクシーだと感じる。
・赤の効果は、平均レベルのルックスの女性において最も顕著に見られる。
・赤に引きつけられる男性の反応は、実際の行動にもあらわれる。
・女性もまた、「赤い」男性を魅力的でセクシーだと感じる。

参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)
2014.10.5 「1960年の米国大統領選挙で言語情報を非言語情報が凌駕した!?」
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1960-d5f1.html   
2012.7.26「赤い色の不思議 どうして異性の赤い服装に惹かれるのか【服装③】」
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-1c92.html
2011.5.14色彩③「頭にパッと浮かぶ〝赤〟」
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/58-49fb.html

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