マーケティング・その他

2022年10月 1日 (土)

正しい順番があることを小笠原流礼法とミルクティーの淹れ方で学ぶ

源頼朝に仕え、武士の礼法を確立したとされる小笠原家。その33代目となる小笠原忠統(ただむね)氏によると、「かたち」が身につくと、かたちを追い求める人は、どこまでいってもかたちにばかり囚われがちとなる。しかし、「こころ」を大切にする人が、かたちを身につけると、自然で美しい立ち居振る舞いができるようになる、とのこと。自己の内面から発せられる真摯な心遣いが、美しい立ち居振る舞いとあいまって日常生活が満たされるときこそ、礼法はその究極に達するのである。

「こころ」とは、相手を思うこころである。「かたち」とは、その心を行動によって表すことである。つまり、「作法」は「かたち」である。「こころ」と「かたち」、どちらが先かといえば、もちろん「こころ」である。

次はミルクティーの淹れ方の順番です。ミルクティーを美味しく飲むには、ティーカップに先にそそぐのはミルクか紅茶かという議論が、100年前の英国ケンブリッジのある家庭の庭園でありました。発端は、大学教授などの集まりで、あるご婦人が、「紅茶にミルクを注ぐのとミルクを紅茶に注ぐのでは味が違う」と言ったからでした。

すると、科学知識に自信のある教授たちは、「それはまったくナンセンスだ」「何が違うと言うのだ?」などと言って、ご婦人の発言を一斉に嘲笑混じりに否定したそうです。彼らにしてみれば、紅茶とミルクが混じってしまえば科学的な違いなどあり得ない、との認識以外の判断基準が存在しうることに思いが至らなかったのでしょう。

そのうち、1人の男性が「じゃあ、ここで試してみようじゃないか」と提案し、ブラインド状態で順番を入れ替えながら複数のカップにミルクティーを用意し、ご婦人にテスティングを求めました。注目される中で、テスティングに応じたご婦人は、どちらが先かをすべて言い当て、その後のテストでも一度も間違えませんでした。そして、謎が残ったのでした。

この謎は2003年英国王立科学協会の「1杯の完璧な紅茶の淹れ方」というウィットに富んだプレリリースで解明されました。ミルクは紅茶の前に注がれるべきである。なぜなら牛乳のタンパクは、牛乳が摂氏75度になると変質してしまうから、というのがその理由。これほどミルクティーにこだわるのはまさにイギリス人らしいところですね。

参考文献:『誰も教えてくれない 男の礼法』/『統計を拓いた異才たち』/『統計学が最強の学問である』

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2022年8月22日 (月)

コーヒー初心者のための珈琲豆&ミニ知識

自宅で豆を挽くコーヒー愛飲家が増えているようです。ブログ筆者もご多分に漏れずその一人(初心者レベル)なのですが、『人生を豊かにしたい人のための珈琲』という本に図書館で出会って、コーヒーにまつわるさまざまな知識の一端に触れることができました。今回は私同様の「コーヒー初心者のための珈琲豆知識」です。

そもそも美味しいコーヒーの私なり(筆者の川島氏)の定義をひとことで言えば「冷めても美味しい」です。まずいコーヒーは冷めたらミルクと砂糖を入れないと飲めません。酸味が苦手という話もよく聞きます。コーヒーは甘味と酸味を楽しむものですが、コーヒー本来の酸味と、酸化した「酸っぱさ」は違います。ツンとした酸味は酸化です。

砂糖もミルクも要らない本当に美味しいコーヒーを飲もうと思うなら、焙煎豆を量るのに柄杓状の「メジャースプーン」を使うの合理的ではありません。なぜなら、重さではなく体積で量っているからです。これは抽出時の濃さ・薄さに影響を及ぼします。家庭では、面倒でも重さを量るスケールを使うことをお勧めします。

レシピについて著者のお勧めは、ザラメ程度のやや粗びきで1杯(150㏄)淹れるのに20グラムが適量だそうです。ですが、2杯(300㏄)抽出では40gではなく10%減らして36gを使います。このように増杯に応じて徐々に量を減らし、4杯(600㏄)なら80gではなく25%減らして60gで事足ります。

少しでもコーヒーをかじった方なら「コーヒーはフルーツである」と聞いたことがあるかもしれません。これは著者が言い始めた言葉だそうです。コーヒーはワインと同じようにフルーツからできた飲料です。だからこそ取り扱いもフルーツ同様でなければいけません。クオリティと同じく鮮度も重要とのことです。

寒暖差のある畑で収穫されたコーヒーは、花が咲いてから熟するまでの期間が長くなるので、密度が高くずっしり重たい豆になります。ゆっくり成長することで、油脂やショ糖の量が増えるのです。コーヒーの量り売りで、いつも通り200g買うと「今回はやけにかさばって量が多くて得をした」と感じたことはありませんか?これは得をしたのではなく、密度の低いコーヒーを買ったということです(ただし焙煎度合いによって体積は変わり、深煎りほど体積が増えます。ですから同じ焙煎度合いで比較しての話です)。

最後は誤解を招きそうな「ゲイシャ」という名が登場する珈琲豆のお話です。昨今ではゲイシャが世界中でもてはやされているそうですが、日本語の芸者とは無関係で、産地のひとつ、エチオピアのゲイシャ村がその由来です。ジャスミンの花にも例えられる独特の香りが特徴だそうです。是非一度楽しみたいです。

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2022年8月16日 (火)

セミ・ヘビの脱皮から、組織の脱皮に思いを馳せる

夏の風物詩の一つにセミ時雨がありますが、その足元には「脱皮」したセミの抜け殻があちこちに見受けられます。この夏、公園で両手いっぱいにそのセミの抜け殻を誇らしげに捧げ歩く九少年を見かけたとき、10年ほど前に読んだ本のある一節を思い出しました。そこには親子のさりげない会話が記されていたのですが、その内容が深かったのです。

本の著者は『サラダ記念日』などで有名な歌人の俵万智さんで書名は『小さな言葉』ですが、その親子の会話を俵万智さんは、コピーライターとして高名な糸井重里さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の「いいまつがい」というコーナーで見たそうです。その回のテーマは言い間違いばかりを集めていました。

その中で、俵さんが今までに特に印象に残っているのが以次のフレーズでした。「あっ、セミのなきがらだ」と子どもが言い、親は「ぬけがら」の言い間違いだと思うのだが、よく見ると「脱皮の途中で干からびてしまったセミ」だった、というもの。つまり間違いではなかったというお話です。

私はセミ時雨を浴びながら、生命のたくましさを感じることが多かったのですが、この文章を読んでから「脱皮」が命がけの行為であることに思いが至りました。そして調べてみるとセミの幼虫が「脱皮」に成功するのは全体の40%にも満たない(なきがら60%強)ことを知りました。彼らにとって「脱皮」は命がけの戦いなのです。

デジタル大辞泉の「脱皮」の解説は以下の通りです。

1.昆虫類や爬虫類(はちゅうるい)などが、成長のため古くなった外皮を脱ぎ捨てること。

2.古い考え方や習慣から抜け出して新しい方向に進むこと。「旧弊からの脱皮を図る」

この解説1.2を包含したような内容が『ニーチェの言葉』に中にあります。

「脱皮しないヘビは破滅する。人間も全く同じだ。古い考えの皮をいつまでも被っていれば、やがて内側から腐っていき、成長することなどできないどころか、死んでしまう。」

『脱皮成長する経営』という本には、「脱皮には、ヘビのように脱皮を繰り返すことで単純に体を大きくしていくタイプと、セミやトンボ、カゲロウのように脱皮することで姿形だけでなく、活動空間や食べ物まで変えて変態を遂げるタイプの二種類の脱皮を思い浮かべることができる。本書でイメージして欲しい脱皮は後者である」と。

そして、この本の主人公ともいえる前川正雄氏(※)が用いる脱皮には、組織の文化を更新し、あらたな製品で新しい顧客を対象としたビジネスを展開して、成長を遂げていくといった意味を有しているそうです。同氏によると、「組織を同じ姿で成長させてきたのではない。過去の姿や取り組みを捨て去りながら成長させてきた」のだと。

参考文献:『小さな言葉』『ニーチェの言葉』『脱皮成長する経営』

※前川正雄氏(前川製作所・会長歴任後顧問に)

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2022年8月 4日 (木)

その曲が球場に鳴り響くと何かが起きる!

私は、研修の谷間に頭休めと気分転換を兼ねて気軽に読めそうな文庫本を中心に数冊買うことにしています。そして今年の春に購入した中に『20歳(はたち)のソウル』(幻冬舎文庫本)が入っていました。そしてこの本が、その後の2か月の間に、私の周りで大きなうねりを生じていたことについて書くことにします。

この7月に書名と同じタイトルでロードショーされましたので、本もしくは映画で内容をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単にストーリーを紹介すると・・・。この物語の主人公は、千葉県のスポーツ強豪校のひとつに船橋市立船橋高校(略称は市船)吹奏楽部に所属した浅野大義(たいぎ)さんです。

浅野さんは母校に「市船ソウル」という応援歌を残します。そして市船はスポーツ競技会場で吹奏楽部の後輩たちがこの「市船ソウル」を熱く演奏するのですが、不思議なことにこの曲が流れると野球ならその回に点が入るのだと。私は、そんな・・・と思い2022年7月27日の千葉県の決勝戦をテレビで観戦したところ、本当にその通りの展開となり感動したのでした。

主人公は卒業2年後、20歳の若さで肺がんでなくなっており、自分の作品が母校を鼓舞し続け春夏の甲子園の切符を手にしたことは知りません。ある意味悲しい物語ですが、ブログ筆者が2か月にわたり心を揺さぶられ続けたのはどうしてかと思いをめぐらしたところ、思い当たったのが「カドカワ」が一時期を風靡した「メディアミックス」の効果でした。

プレゼンテーション研修の際にメディアミックスについて触れることがあります。簡単に言えば、情報を介する手段として言葉という単独メディアだけよりは、画像などの別のメディアを併用した方がはるかに相手の記憶に残るので、たとえ紙の資料を用意している場合でも、新しい技術やサービスについてプレゼンする際にはメディアミックスが大事なのだと。

では、メディアミックスをするとどのくらい効果があるかを2例紹介しましょう。まず最初はアメリカ空軍(※1)から。彼らは説明の仕方(①ことばだけで説明したとき、②図表だけ見せたとき、③図表を見せながら、言葉で説明したとき)によって、3日後に記憶されている情報の量がどのくらい違うかを調べました。

それぞれを比較してみると、①ことばと②図表の組み合わせが最もよく、72時間後、ことばと図表(①と②)を併用した時の聞き手は、①ことばだけの聞き手の6.5倍以上、②図表だけの場合の3倍以上、記憶していたといいます。次は神経科学の研究(※2)から、情報を耳から聞いただけでは内容の役10%しか覚えられないが、耳から聞くのと同時にその画像を見ると内容の65%を覚えている可能性が高いと確認されたそうです。

メディアミックスを最大限活用したのは「カドカワ」でした。1970年当時に流されたキャッチフレーズ「見てから読むか」「読んでから見るか」を記憶している人も多いと思いますが、仕掛人の角川春樹さん、お見事ですね。これに『20歳(はたち)のソウル』は『聴いてら・・・』が加わりましたので、その効果に私は完全に取り込まれてしまったのでしょう。

※1:『発表する技術』、※2『ビジネスと人を動かす驚異のストーリープレゼン』

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2022年7月30日 (土)

アフター5に行くならどっち? 「大阪環状線総選挙」という“仕掛学”の試み

この2年ほど研修のほとんどはパソコンの画面を通してオンライン研修でしたが、先日久しぶりに以前からお付き合いのある会社さんのリアル研修のため3日間大阪に出張しました。移動日は大きなスーツケースを携えており、乗り換えのJR西日本大阪駅では通常昇る階段をパスしてエスカレーターを利用しました。

夕方の帰宅時間帯でもあり、広い階段のわきに設置されたこのエスカレーターには行列ができていると覚悟していきましたが、これが意外にスムーズでした。研修講師という仕事柄、常に先を予測しながら行動を心がけているのですが、この時も「どうして・・・」と頭を巡らせたところ、2か月ほど前に読んだある雑誌の記事を思い出しました。

『日経ビジネス』2022年5月23日号「大阪発のオモロイ仕掛学」には、人の行動を変える「仕掛学」を提唱する大阪大学大学院経済研究所の松村真宏教授の研究チームによる3年前(2019年7月末~8月初)の、「大阪環状線総選挙」という面白い実験(当日私が利用したそのエスカレーターのその横の階段でおこなわれた)のことが書かれていました。

「アフター5に行くならどっち?」と、実験では、エスカレーター横の広い階段左側部分を赤く塗り、白抜きで「福島派」、右側を青く塗り同じく「天満派」と大きく書きました。要するに、大阪環状線への乗り換え方向を示し、この会談を利用した人の数をリアルタイムで公表するという遊び感覚の仕掛です。

たまたま実験期間中は連日うだるような暑さで、階段を使ってもらえるか心配されたそうですが、実験の結果1週間の階段利用者のうち福島派は50,731票(人)、天満派は85,759票(人)となり、投票結果は天満派の勝利だったそうです。

研究チームによると、これがそのまま、それぞれの街の人気を表しているかは分からないとのことですが、階段利用者が1日あたり1,342人増加(全体の7.4%)したことが推計上ですが確認できたそうです。実験成功というか仕掛けがうまくいったのですね。

この大阪駅と同じような実験がアメリカの大学最寄りの地下鉄の駅で行われたことがあります。「学生は、階段を利用すること」というプラカードを立てたのです。すると、学生たちは階段を利用するようになりました。そして、これが間接的暗示法、簡単に言えば波及効果をもたらし、一般の利用者も階段を使うようになったそうです。

最後は前出の大阪大学・松村真宏教授の著書『仕掛学』に、教授がハリウッドで見かけた白い階段の間に一部黒い階段が混じることでピアノの鍵盤に見立て、実際に歩くと音が鳴るピアノ階段のお話です。2022年7月29日の毎日新聞のウエブ版によると、これと同様巨大階段ピアノ」が、福岡市中央区の西鉄福岡(天神)駅北口に登場しました。

44段ある大階段の中央の踊り場から下部分の4段目から18段目までを踏むと音が鳴るそうです。赤外線センサーが階段の端に設置されており、ステップを踏むことで赤外線が遮られ、それを感知して音が鳴る仕組みなのだとか。西日本鉄道と福岡市が街中のにぎわい創出と市民の健康増進を目的に、共同で9月11日までの期間限定で設置したそうです。

参考文献:『日経ビジネス』2022年5月23日号、『人は「暗示で」9割動く!』、『仕掛学』

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2022年7月23日 (土)

スポーツ競技と熱中症対策

今回は『医療者のための熱中症対策Q&A』という本の中から主にスポーツを取り上げます。特に熱中症のリスクが高い競技はありますか?  熱中症発症、死亡者は野球、サッカーに多いですが、重症の割合が高いのは陸上競技です。運動を行う環境や運動の強度、持続時間、特有のユニフォーム、ヘルメットなどの装備などが危険因子となります。

環境面でリスクが高い競技は?暑熱環境下ではいかなるスポーツも熱中症に陥るリスクがありますがが、特に日射を受ける野球やサッカーなどの野外運動やマラソンや競歩のように道路から輻射熱を受ける環境は危険度が高い。バドミントンや卓球のように、無風条件が要求されるスポーツは締め切った体育館で行うので、これも危険であります。また、登山のように身体を冷やして休ませる場所が得られにくい医療関係が身近にないような状況では、たとえ発症時は軽症で会っても重症化のリスクが高くなります。

インターバルトレーニングのような強度が高いものや、ランニング、競歩のような連続運動するもの、野球やサッカーの様に区切りの時間が長く思う通りに休憩や給水が取れないスポーツはリスクが高い。さらに剣道やアメリカンフットボール、フェンシングのようなヘルメットや防具、野球のような重ね着のユニフォームは高いリスク因子となります。

連続運動する場合には気楽に水分補給できる環境を整えることが必要であり、いつでもトイレに行ける環境を整えることで、選手や参加者たちが尿意を抑えるために水分を控えることが決してないように配慮する。ヘルメットや防具はできるだけこまめに外して熱の放散を促すように指導する。衣服も頻回に交換することを勧める。休憩時には日陰を確保し、症状出現の際は速やかに冷房の効いた部屋で休ませることができるようにしておく。

プールでも熱中症は起こるのでしょうか? 水の中でも運動をすれば、体内で熱を産生し汗をかきます。口渇を感じにくく、水分摂取量も怠りがちです。そのために水泳の練習中に熱中症を発症することがあります。また、プールの水温が高いと熱中症になる危険性が増します。

汗をかきにくい体質の人が気を付けることは? 特に気をつける必要があるのが室温と湿度です。冷房使用時は室温「28℃」を目安に、適切な温度となるように冷房を設定することが推奨されています。ただし、窓際など室内の場所によっては温度が高くなる場所がありますので、注意が必要です。また、湿度が高いと同じ室温でも汗が蒸発しにくくなるため、湿度は70%を目安にコントロールしましょう。なお、室温が24℃を下回り、外気との室温差が大きいと部屋に出入りする際に体の負担になるため、注意が必要です。

熱中症予防の食生活の基本は? アルコールや多量のカフェイン、糖分の摂取を避け、偏りのない食事を定期的に摂取し、十分な休息をとり規則正しい生活を送ることです。熱くなる前にはたんぱく質やビタミンCを中心に、暑くなってからはビタミンや水分、電解質を中心に摂取するとよいでしょう。

※:参考文献『医療者のための熱中症対策Q&A』

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2022年7月17日 (日)

熱中症にかかりやすい人と、その対策

最近はテレビで夏になると「熱中症に注意しましょう」という言葉を聞く機会が大変多くなりました。類似語の日射病が、直射日光による日焼けや熱が原因で起こる脱水症状や貧血などを指す限定的な言葉に対し、熱中症は広範囲な症状を含む医学用語です。したがって熱中症は太陽光が原因でなくても、気温や湿度の高い環境で起こるものを含んでいます。

熱中症のなかでも一番多いのは熱射病だそうで、これは体温が異常に上昇することで脳障害が起こり、意識がうすれ、放置すると死に至る危険性もあるそうです。人間は汗をかくことで(打ち水すると気化熱で涼しくなることに通じる)体温を下げることができるのですが、汗をかきにくい(汗を出す汗腺が少ない)人は熱中症になりやすいのです。

ところで、熱中症リスクと密接な関係にある汗腺の数は、ロシア人180万個、日本人230万個、フィリピン人280万個といわれています。つまり、寒い国で育った人ほど熱中症リスクが高いことになります。なお、汗腺の数は、3歳ぐらいまでに育った環境(室内温度や土地の気候)に影響を受けるそうですから、心当たりがある方は注意が必要です。

社会耐性が乏しいと目される人を温室育ちなどと形容したりしますが、無菌環境にいると、免疫力が低下して菌に弱くなってしまいがちです。日本は世界的に見てもトップレベルの清潔な国で、抗菌や除菌グッズなど様々なものが売られています。そうした環境ならではの問題の一つが、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患の増加です。

丁寧に体を洗いすぎると、本来必要な常在菌までがいなくなり、そのために逆に悪玉菌が繁殖しやすくなるのだそうです。また、集団食中毒の原因としてたびたび話題になるO-157 も、実は清潔な国にしか存在できないきわめて弱い細菌で、汚い場所では発生できず、清潔志向が行き過ぎた国でのみ発生し、除菌を進めるほど皮肉にもより発生しやすくなるのだとか。

さて、本稿の最後は、もっとも熱中症に気をつけなければいけない年配者についてです。お年を召すと筋肉量が減少しますので、体内の水分が若い年代より少なくなっています。また、動脈硬化が進んでいることや自律神経の機能が低下することにより、汗をかきにくく、体にこもった熱を放出しにくくなっているのです。

加えて、感覚神経や運動神経の機能が低下することにより、水分補給や避暑行動をとるのが遅くなりがちです。他にもトイレの回数を減らすために水分摂取を控える、エアコンを嫌う、といった高齢者によく見られる傾向も熱中症を引き起こす要因になっています。このことは、「服薬中」「持病あり」「体調不良」の方にも当てはまりますのでお気をつけください。

参考文献:前・中段『逆説の法則』、後段『食べて飲んで身を守る!熱中症レシピ』

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2022年7月 8日 (金)

メガネのフレームにこめられた「変身願望」とは?

前回のブログ(2022年7月2日更新)で、「似合うメガネ」「良い印象を与えるメガネ」のどちらを選ぶ・・・を取り上げる際に、以前ピックアップしておいた資料を見直したところ、その中に「メガネのフレームにこめられた『変身願望』(※)」がありました。似合う・印象をよくするとは別に、メガネに託された変身願望を今回取りあげることにします。

 

①メタルフレーㇺのメガネをかけている人は、自分をクールに見せたい:

メタル(金属)のグッズはメガネに限らず、知的・合理的なイメージを与えます。言い換えれば、冷たくてクール、人工的で、あまり人好きしないイメージかもしれません。しかし、その深層心理を探れば意外と情熱的な人が多かったりします。メタルフレームのような「硬い」ものを身に付けている人というのは、ややもすればあふれ出しそうな自分の感情をそういった硬質のアイテムで抑制しているということのようです。本人は無自覚なのでしょうが、「熱っぽさとクールさ」が同居しているということなのでしょう。

 

②太めの黒縁メガネをかけている人は、自分を「デキる人」に見せたい:

かつては「がり勉・融通のきかない正直タイプ」の定番だった黒縁メガネも、今では、若い女性のファッション・グラスとして利用されています。メイクや髪型の変化を楽しむように、若い人で縁の太いメガネを大胆にかけている人は、「自己顕示欲の旺盛なタイプ」と見ているようです。しかし、裏を返せば、それだけ素の自分に自信がないとも解釈できます。メガネや帽子は、心理学的には自分の素顔を隠す小道具であり、自分を守るプロテクターとしての意味合いを持ちますので、不安や自信のなさの現れとも受け取れます。

 

③縁なしメガネをかけている人は、自分を「そのまま」見せたい:

ファッショナブルなメガネを試してみたい、いろいろな自分を演出してみたいという願望はあっても、勇気がなくて、なかなか実践できない性格と考えられます。大幅なイメージチェンジに抵抗のある、保守的な性格がそこから読み取ることもできるでしょう。

 

④サングラスの人は、「人との関係」が不安な人:

サングラスは、瞳の色が薄い欧米人にとっては、紫外線から瞳を守る必需品ですが、瞳の濃い日本人にはどちらかというと装飾品というイメージが強いようです。ただ、サングラスには、「目(顔)を隠す」仮面としての役割も見逃せません。「顔を見られていない」という安心感からか、普段よりも大胆な行動ができるという人も多いようです。心理学的にもう少し深い意味を探りますと、「人に対して警戒心を抱いて、本心を隠そうとしている」「自分にやましいことがあって、それを見せたくない」があるそうです。格好つけていうようで、人の目を気にしている「気の小さい人」なのかもしれません。

参考文献※『得するしぐさ ダメなしぐさ』

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2022年7月 2日 (土)

「似合うメガネ」「良い印象のメガネ」のどちらを選ぶ?

ある写真家の方がメガネ屋さんの店員さんに「こちらの四角いフレームですとよりシャープに見えて、こちらの丸いフレームですとお優しい感じになりますね」というアドバイスをもらい結局、この方は二種類のメガネを購入しました。それから1か月後に振り返ってみると、優しく見える見えるフレームの出番が圧倒的に多かったそうです。(※1)

ご本人にとって意外な結果だったのでしょう。このエピソードの後に添えられた文章は「かつて、ロンドンに住んでいた1970年代から80年代にかけてのバンクロックの時代、人を引き寄せるような着こなしが必要だ。自分が身にまとう服やメガネにも人に与える波動があるのだから」と。

メガネと面立ちとの相性について、ある本(※2)に以下のように紹介されていました。

眉が直接的で輪郭が四角い顔立ちなら四角い顔のフレーム。眉が曲線的で面長ならオーバル型といわれる横長のもの。丸顔には面長とは逆に縦幅があまりなく、フレームの上部に色やデザインで特徴があり、下のカーブが柔らかい曲線になっているものがお薦め。

 

メガネのフレームの特徴は

ラウンド型(丸形)のフレーム:個性的でユニーク、クリエイティブな印象。

オーバル型(楕円形)のフレーム:優しくエレガントな印象。

スクエア型(四角形)のフレーム:知的で固い印象。縦幅が狭いものだとシャープな印象。

バタフライ型(蝶々のような形)のフレーム:都会的でこだわりのある印象。

多角形型のフレーム:知的ながらも柔らかさのある印象。

ブローライン(上部だけに枠があるタイプ)のフレーム:洗練されたクールな印象。逆にブローだとかなり個性的。

 

最後はとても個性的なメガネ屋さんのお話です(※3)馴染みの美容院で「結構職人気質のオーナーが、お客さんに似合う眼鏡しか売らない」という話を聞き、その店のドアを開けるとバーカウンターで、カップルがお酒を飲んでいました。一瞬間違えた!けれどよく見ると、壁には一面、眼鏡のフレームが並んでいました。  

カウンターに座るとオーナーが抹茶を立ててくれて、くつろぐ中での眼鏡の話をする、というスタイルだったとか。しばらくすると、目と目の距離や、頬の角度、耳の位置など、さまざまな計測をし、顔の色も調べる。オーナーの客観的な判断により選ばれた10本ほどのフレームの中から、客は好みのものを選ぶという流れだったそうです。

このオーナーと話していて、著者が一番印象に残った言葉は「せっかく目が悪くて、メガネをかけるんだから」でした。40年近く、自分にとって眼鏡とは、いやいやかけるものでしかなかった。けれども彼と話しているうちに、「そうか、自分には、眼鏡を選ぶ楽しみが与えられていたのか」と思えてきたというのです。

参考文献

(※1)『人を幸せにする写真』

(※2)『男の「外見」コーチング 一瞬で「できる男に変わる服装術」』

(※3)『ちいさな言葉』

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2022年6月24日 (金)

ついつい甘いモノ💛に手が伸びてしまうのはなぜ?

今回は、『私たちはなぜ、犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか、:カーニズムとは何か』という、変わったタイトルの本の中から、現代人は美容と健康によくないかも・・・と思いつつ、どうして甘いモノや脂っこいもモノに手を伸ばしてしまうのかの真因を探るお話です。

今日地球では、飢餓、戦争、テロでの死者を合計した数よりも多くの人が、なんと肥満と糖尿病で命をを落としています。普通の人はアルカイーダの攻撃よりもマクドナルドの食べ過ぎで死ぬ確率の方がはるかに高いということです。にもかかわらず、私たち人間はなぜ甘いモノや脂っこいモノに手を伸ばしてしますのでしょうか。

それは、私たちの感情や感覚の世界が現代的産業社会ではなく、数万年前のアフリカのサバンナにいた先祖の生きていた世界で繁栄するように進化したからなのだと著者は言います。五万年前、私たちの先祖がアフリカのサバンナを歩いていた時、よく熟している甘い果実がなる木を見つけたとしましょう。その状況で正しいと思われる反応は、近くの群れのヒヒに横取りされる前に、できる限りたくさんの果実をできるだけ早く食べることなのだそうです。

もし私たちの祖先が希少突然変異の遺伝子があって、甘くて脂っこい食べ物が嫌いだったら、恐らく生き延びることはできなかっただろうと。著者は、自宅の冷蔵をを開けてチョコレートケーキを見たら、DNAと脳の神経細胞は今が21世紀だということがわからず、未だにアフリカのサバンナにいると思ってしまうため、そのチョコレートケーキをどうしてもたべなければならないという欲求にかられるのだと記しています。

これと同じ原理が動物にも当てはまるそうです。子犬がじゃれて遊ぶのが好きなことを例に挙げると彼らはなぜ、そうするのでしょうか?なぜなら数万年前、犬の先祖である狼にとって遊びが生存に不可欠だったからなのだと。

狼は社会的生き物です。彼らは群れの仲間と協力し合うことによって生き延び子孫をを残すことができたのでした。多くの場合遊びを通して群れの中のルールを学びます。だから、ほかの子供たちとあまり遊びたがらない希少突然変異の遺伝子を持つ狼の子は、恐らく生きながらえることができなかったであろう、と。

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