新入社員研修

2016年5月19日 (木)

ノートを書くと出世したくなくても出世してしまう?  斎藤孝流ノート術(5)

ある作業にどういう意味があり、どういう能力が必要であり、どういう流れになっているのか。一覧できるようなノートがつくれれば素晴らしいと、参考文献の著者はいいます。さらに、文章だけでなく、図にできるともっといいそうです。文章と図がお互い補完しているものを示すことができれば、非常にわかりやすくなるからです。

マネジャーにはそれなりに高い能力が必要だとみなされている
マネジャーは、ある程度年数が経てば自動的になるというものではなく、マネジメント能力のある人がなります。営業マンに営業の能力が必要なのと同じように、マネジャーにもマネジメント能力が要求されます。ひとつの職能ですから、ほかの職種よりも必ずしも地位が高いわけではありませんが、しかし、通常はほかより給料が高いのです。

マネジャーに必要なのは、段取りを見抜いて整理できる能力
それはノートをとることで磨くことができます。会社に入ったら「社会見学的ノート」をつくると、マネジャーへの近道になるそうです。いわば、出世ノートといえるでしょう。本人はマネジャーになりたくなくても、その能力があれば周りが放っておきません。「出世したくなくても、出世してしまうノート」と言ってもいいのです。

指導者に必要な全体を見渡す視点を「段取りノート」で培う
自分に関係のあることころだけ、狭い視野で見るのではなく、一段上から全体を見渡す。この視点は、段取りノートを書くことで育まれます。新入社員のうちから、片足を自分の仕事に、もう片方をマネジメントにつっこんだつもりでいるとよいそうです。ただし、両足ともマネジメントにつっこむと、不遜と見られかねないので気をつけましょう。

便利な仕事構造図
もし、仕事の構造図を描ける人がいたら、職場の人全員にとって便利です。水道管図のようなものがあれば、仕事の流れに詰まりができているところを見つけやすいからです。流れが悪いところを発見したら、配置を変えたりして改善することができます。空間の配置は、意外に大きな意味を持ちます。

コミュニケーション不足は席を変えることで劇的に解消することも
座席が離れているせいで、うまくコミュニケーションがとれないこともあります。新入社員は部長から最も遠くの席に座らされることが多いようですが、これは間違っていると斎藤氏は指摘します。「この会社はこう動いている」「この仕事はこう流れている」を説明するのは、全体を見渡すことができる人が最適だからとの判断です。

参考資料:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』(斎藤孝著/ビジネス社)

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2016年5月15日 (日)

アイデアを生むノート術、ユニークな読書ノート  斎藤孝流ノート術(4)

~聴くStory~音声版はこちら
今回はメソッド8~10を紹介して「斎藤式ノート術10のメソッド」を終わります。

メドッド8 日付を入れる
ゲーテは、詩の下に日付を入れることで、心の状態の日記として役立てていたそうです。
同じようにメモに日付を入れておくと、それはそのまま自分の生きた記録になっていきます。ふと見返したときに、自分の心の変化や成長が分かって、おもしろい体験になります。変化・成長がわかると、モチベーションアップにもつながります。

誰かと話していて思いついたアイデアなら、その人の名前もメモしておく
会議中に、議題とまったく関係ないアイデアがひらめいたときも、会議の名前や日付、場所やアイデアのヒントとなった発言者の名前を書いておきましょう(そのページにあとからメモを追加するときは日付も)。思考のプロセスをたどることができると、アイデアにリアリティが増しますし、そのアイデアを活用しやすくなるからです。

メソッド9 ノートは1冊にする
情報管理上はカードにしたり紙にメモするよりはノートが適しています。この際に、「企画ノート」「段取りノート」のようにテーマごとに分けると、同時にいくつものテーマを並行して追いかけるようになると、何十冊にも増えてしまいます。ノートは分けるのではなく、最終的には組み合わせてひとつのノートにするのがいいでしょう。

仕事は仕事ノート、プライベートは日記、というように分ける必要はない
もちろん企画を仕事にしていて、「企画ノート」は1冊にしたいとい場合もあるかもしれません。その際は、企画ノートとそれ以外のノートの2冊にすればいいのです。結局は、自分がやりやすい方法が一番いいということになります。手帳派の人は、手帳に固定概念を持たず、アイデアをどんどんメモしてノート化することをお勧めします。

メソッド10 本をノート化する
読書ノートで大事なのは、要約と、自分のインスピレーションを書くこと。でもそれにはかなりの労力を要するので、本を「字が書いてあるノート」だと考え、いいと思ったところはページを折る。まぁまぁいいと思ったら、ページの下の角を折り、すごくいいと思ったら上の角も折る。そして、線をひき、吹き出しを書きコメントを入れる。

お笑い芸人のように、ツッコミを入れる感覚で吹き出しを埋める
このような感覚で書き込みをすると、ノートと変わりないものができあがります。そうして初めて本が「自分のものになった」という感覚になります。もうひとつの方法としては、引用したい文を探しながら読み、そこに線をひき、そのページとキーワードを空白のページに書き残します。すると、それが「キーワードマップ」になります。

参考資料:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』(斎藤孝著/ビジネス社)

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2016年5月12日 (木)

ノートに図を描き、ポイントを3つにまとめる  斎藤孝流ノート術(3)

~聴くStory~音声版はこちら
斎藤孝流ノート術のメソッド5「3色ボールペン」の一部を4月24日に紹介しました。講演会での心得は前出の通りですが、本や会議に必要な資料を読むときは、3色ボールペンを片手に、線をひっぱったり、丸や四角で囲んだりしながら読むのがよいそうです。
そして今回はメソッド6「図を描く」と、7「ポイントを3つにまとめる」です。

メソッド6 図を描く
ノートには文字だけではなく図を描くといいそうです。
仕事の流れを図にしたり、課題をフローチャートのようにしたりすると、問題や自分の課題が分かりやすくなるからです。今抱えている悩みも、つらつらと文字にしてもいいのですが、フローチャートをつくると解決法がクリアになってきます。

話の構造がスッキリして、理解が深まる「マトリックス図」と「ベン図」
話を整理して理解するのには、マトリックス図やベン図が使い勝手がいいそうで、斎藤氏がよく書くマトリックス図は、縦線と横線を1本ずつひいた座標軸だそうです。対立要素を入れるとごちゃごちゃしていた思考がクリアになるとか。
ベン図は、集合の範囲や複数の集合同士の関係を表現するものです。AとBはどのような関係にあるのか? どちらが含まれるのか、部分的に一致するのか、かけはなれているのか? 斎藤氏は本を読みながら余白にこういった図を描いているそうです。

メドッド7 ポイントを3つにまとめる
仕事の中でスムーズな意思疎通をはかるには、要約力が必要になります。伝言、指示、依頼など、何か言われたときにそれをきちんと行えるかどうか。「これはできているけど、これはできていない!」「いつも必ず抜けがある」という場合は要約力が足りないのです。「なんで言ったことと違うことを…」のトラブル原因は、ここにあります。

話を全部覚えようとするから、肝心なことを聞き逃がす
要約のコツは、ポイントを3つにしぼること。4つ以上になると、どこかかが漏れる可能性が高くなり、5つにすると全部抜け落ちてしまうかもしれないからです。これは伝える側も同様で、大切なことを3つにしぼれば、ほぼ確実に伝わります。「これとこれとはこれだかからね、ハイ、言ってみて」と3点を再生してみると、定着するそうです。

要点を押さえるというのは、テストで得点になる部分を押さえるということ
単純に「覚える」という意識でいるより、「頭にノートする」という意識になると、急激に点数は上がります。どんな話にも、「すごく重要な骨格」と、「まぁ重要な情報」と「面白いポイント」があります。この3点を見つけ、再生するように習慣づければいいのです。大事な情報ほど3つにまとめると、相手にもきちんと伝わります。

参考資料:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』(斎藤孝著/ビジネス社)  

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2016年5月 8日 (日)

ノートに名前をつける、ページにタイトルをつける  斎藤孝流ノート術(2)

聴くStory~音声版はこちら~

喫茶店とノートは相性がいいそうです。コーヒー代を支払うから、モトをとらなきゃという意識も働いて、勢いがつくからだと。その喫茶店には30分くらい寄れるのが理想だとこれも参考文献著者の斎藤教授。書くことが面倒に感じてしまう人は、喫茶店の力を借りるのもよいそうです。ただし居酒屋とノートはあまり相性が良くないとか。

メソッド3 ノートに名前をつける
「仕事ノート」ではそっけないので、もう少し踏み込んで、課題を意識できるような名前、たとえば「段取りノート」とか「ワザを盗むノート」とか「出世したくなくても出世してしまうノート」とかにすることを斎藤教授は勧めています。そのような名前をつけると、課題が認識できると同時に、ワクワク感が醸成されるからだと。

名前をつけると、ノートに書き込むのが楽しくなる!
参考文献にはノートの表紙が9冊載っています。そのタイトルは「頭と心すっきりノート」「すべらないノート」「本質に切り込むノート」「野性ノート」「世の中をナナメにみるノート」「直感力を鍛えるノート」「無知のノート」「才能が目覚めるノート」「プロフェッショナルノート」。このように名前を書くとオリジナル感が出てきますね。

メソッド4 ページにタイトルをつける
王貞治さんが現役時代から書いていたノートには、ページの一番上に「ワキのしめ方」「バックスウィング」「スウィングの速さとしぼり」というタイトルがつけてあったそうです。そして、その下に注意点、気づいたことをメモしていました。ふつうはひとつの項目として書けないようなことでも、1頁を使って書いていました。

仕事面とメンタル面の両方を書く
仕事における成長を目指す場合、技術だけでなくメンタル面も大切です。1冊のノートに、技術面とメンタル面のことが共存していると、客観視と自己肯定を両輪で回せることになります。王さんのノートには、「この問題を解決するまで、必ずやりぬく。なぜなら、それが王貞治なのだ」と まさに自己肯定そのものが書かれていました。

王貞治氏と中村俊輔氏のノートを覗いてみると
王さんの「気」のタイトルのページには「過去のことは忘れてボックスに立つ」「ボックスにおいては自分が世界一だと思うこと」「打てるのが当然だと思うこと」とありました。またプロサッカー選手の中村俊輔さんのノートには「対戦相手にありがとうと言えるように」「自分が海外に行くんだ」といった言葉が書き連ねられてありました。

参考資料:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』(斎藤孝著/ビジネス社)

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2016年4月28日 (木)

自分にフィットするノートを見つけいつもカバンに  斎藤孝流ノート術(1)

~聴くStory~音声版はこちら
大人になってからノートをとらなくなった、という人は、まずはノートをとる習慣を身につけてほしい。それだけでも、知的生産性が格段に上がると、斎藤教授は書いていらっしゃいます。さらに「ノートをとる技術」を磨いておけば、「これほど便利なツールはない」と実感するだろうとも。そして斎藤式ノート術には次の10のメソッドがあります。

1 いつもノートをカバンに入れておく
2 自分にフィットするノートを見つける
3 ノートに名前をつける
4 ページにタイトルをつける
5 3色ボールペンを使う(前回、内容の一部を紹介)
6 図を描く
7 ポイントを3つにまとめる
8 日付を入れる
9 ノートは一冊にする
10 本をノート化する

メソッド1 いつもノートをカバンに入れておく
「考える」ことが大事だとわかっていても、なかなか考えることができない人が多いと思います。頭の中だけでぼんやりと考えごとをしているだけでは、生産的なことに結びつきにくいからです。ところがアイデアを文字にすれば、それを見てまた思考を発展させることができるので、ノートは常にカバンに入れておくべきなのだと。

また、ノートをカバンに入れると、カバンを開けるたびにノートが目につきます。これが、課題認識につながり、ときどきは考えを書きつけるようになります。手帳はフリースペースが小さいので、できれば小さなノート(せめてA5サイズ)のほうがいいようです。ノートの開放的な感じが、積極性や攻撃性につながるそうです。

メソッド2 自分にフィットするノートを見つける
お気に入りのノートを見つけると、ノートを書くことが習慣化しやすくなります。シンプルなノートもいいのですが、特に自分の気に入ったノートを持ち歩くと、書きたいという気持ちがムズムズしてきます。喫茶店でノートを開こうかな、という気が起こります。気分よくノートを開くことができるのは、軽視できない要素だそうです。

エルメスの手帳はカバーの皮も中の紙も高いのですが、それを持ち歩くことによって「せっかく高いお金を払っているんだから…」「重たい手帳を持ち歩いているんだから、心くらいは軽く…」という気持ちになります。高級な手帳を喫茶店で開いたりすると、ちょっとセレブな気分が味わえて、メモする姿を見せたくなったりするとか。

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2016年4月24日 (日)

「色は3色だけ使う」の2通りの考え方  東大式合格ノート術(5)

3色ボールペンはマスコミ露出度の高い斎藤孝氏(東大卒、明治大学教授)の専売特許かと思っていましたが、参考文献も3色がご推薦です。色構成はほぼ一緒(赤・青・緑で『東大式合格ノート術』は緑or黄)ですが、その使用目的は学習とビジネスとの性格の違いを反映してか若干異なります。まずは『東大式合格ノート術』から。

男子と女子では色の使い方が異なることから悩みが分かれる
色分けの悩みには2つのパターンがあります。「色ペンをあまり使わないから、見直しの際にどこが重要なのかわからない」。それとは逆に「たくさんの色ペンを使いすぎて、どこが重要なのかわからない」。前者は男子に、後者は女子にありがちなパターン。これからいえることは、「色ペンは少なすぎても多すぎてもダメだ」ということ。

多すぎず、少なすぎず、3つに色分けするのが最適
例えば、赤・青・緑や赤・青・黄の3色。特に、赤は頭に残りやすい色なので、3色の中には必ず入れることを参考文献は勧めています。3色の色ペン+シャープペンというのは、ノートをまとめるうえで最もバランスのとれた色の数だそうです。そして、3色にすることで、重要なところもわかりやすくなります。

色分けをしてあると自分の見直したい項目だけを簡単に見つけられる
同じノートでも5色に分けてしまうと、かなり見直しにくくなります。5通りもある色の中から、自分の見直したい項目の色を見つけ出すには少し手間がかかるからです。
3色の色分けパターンは無限に考えられるので、ノートを使う目的に合わせて自分なりの色分けパターンを決めるのが大切です。

斎藤式ノート術10のメソッド その5 3色ボールペンを使う(※)
3色ボールペンの3色には次のような意味があるそうです。
赤……すごく重要なこと
青……まぁ重要なこと
緑……個人的に面白いと感じた部分
3つに分けるのは、人間の脳に最も適した分類方法です。あまり多くに分類すると、複雑になって収拾がつきません。さらに、3つの「色」を使うことで、記憶に定着しやすくなります。色の持つインパクトは大きいのです。

講演など、人の話を聞いてノートをとる際には、重要な情報を赤、まぁ重要な情報を青で書き、質問・コメント・感想は緑で書きます。手帳に応用すれば、最重要な用事は赤で、まぁ忘れてはいけない用事は青で、趣味や遊びなどプライベートの予定は緑で書くことにするのもよいでしょう。斎藤式ノート術は次回以降で紹介します。

参考資料:『東大式合格ノート術』(東大ベストセラー出版会PICASO著/辰巳出版)
※:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』
(斎藤孝著/ビジネス社)

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2016年4月21日 (木)

理解を深めるため自分の言葉で説明しなおす  東大式合格ノート術(4)

人間は、学んだことを記憶にとどめるためには20秒集中する必要があるということを、以前何かの本で読んだ記憶があります。しかし、授業中や講演を聞いている最中に20秒の空白ができたら、高度な内容であれば付いていけなくなるでしょう。今回は、いかにすれば要領よく「記憶の出来る記録術」が身につくかの実践編です。

言われたことをそのまま書き写したのでは「分かるノート」にはならない
ノートは自分のために作るものです。自分のためノートなら、後で読んでみて自分だけがわかるノートでかまわないわけです。ですから、大切なのは自分の言葉で書くこと。わかりやすいノートを作るためには、聞いた話を一度頭のなかで整理して、自分の言葉に置き換えてからノートを書き起こします。

自分の頭のなかを経由させ、しっかりと内容を頭に叩き込む
ただ板書だけを書き写すだけなら目と手とペンしか使いませんから、内容を記憶するのは難しくなります。自分の言葉で説明しなおすことは、「記憶に残る記憶術」の重要ポイントです。また、自分の言葉で説明できるかどうかを見れば、自分が理解できていないのはどこか、見極めることができるのです。

主に3つある自分の言葉で書くテクニック
この3つの方法を授業中に意識すれば、自分の言葉で書き換え、表現したノートをとるのも難しくはありません。
1)5秒待つ
すぐにはノートに書き込まず5秒待ちます。そうすると核心部分は記憶にあるものの、細かい説明は抜け落ちているので、どうしても自分の表現で補うことになります。これは観た映画のストーリーを3日後に書くことに似ています。このように意図的に間隔をあけることは、「自分の言葉で書く」ための練習になるのです。
2)口に出してみる
ノートに書こうとする内容を、書く前に口に出してみます。書き言葉と話し言葉はまるで違い、どんなに頑張っても、まったく同じにすることはできません。書き言葉を自分の話し言葉に変換すると、自然と自分の表現が混ざります。これを繰り返すと徐々に自分が話しやすい、そして聞きやすい、自分の表現に変換されていきます。
3)たとえてみる
何かをノートに書き留めるときに、喩えの表現を付け足すのも有効です。「まるでサッカーのイタリアリーグのように」「動物園の猿山と同じで」」と自分の中で解釈を加え、自分なりのイメージを広げなくてはなりません。つまり、「たとえる」という行動そのものが、授業の内容を自分の言葉に置き換え、表現することと同じになるのです。

参考資料:『東大式合格ノート術』(東大ベストセラー出版会PICASO著/辰巳出版)
※公開セミナーのお知らせhttp://kokucheese.com/event/index/392056/

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2016年4月17日 (日)

重要ポイントには「ようするに」という「目印」が  東大式合格ノート術(3)

昨年同時期(2015年3月22日~4月5日の5回)に、新入社員向けに「ビジネスマンのためのメモ術(※)」を取り上げましたが、その中に、言葉で聞き漏らしていけないのは「ようするに」であると書きました。今回のテーマはまったく同じなのですが、それだけ重要だということで、繰り返しになりますが紹介いたします。

「ようするに」は重要ポイントの前に出てくるキーワード
ノートをとるときに大事なのは、メインテーマだけではありません。メインテーマにかかわる重要ポイントが、授業の中にはちりばめられています。例えば授業のメインテーマが「大化の改新」なら、大化の改新が起こった理由やその後の影響なども、ノートに書かなければなりません。

「ようするに」の次に話す内容をノートに写す
「ようするに」という言葉は、文字通り、それまでに話した内容を要約するときに使います。また、人は、大事な話をするときは2回も3回も同じことを言います。まとめたり、言い換えたりしながら何度も繰り返します。「ようするに」という言葉も、そんなまとめ・言い換えテクニックのひとつなのです。

「ここに重要ポイントがありますよ」というその他の目印キーワード
他にはこんな「目印キーワード」があります。これらのキーワードを目印に、授業の内容から一部を抜き出し、ノートに書き留めてください。すると自然に、授業の重要ポイントだけが書き連ねたノートができあがるはずです。
1 というのは、つまり
これも「ようするに」と同じ、まとめ・言い換えテクニックのひとつです。
2 例えば
この言葉は、具体的事例がこれから聞こえてくることを示しています。
3 〇〇の条件、なぜなら
これらのキーワードの後には、必ず何かの「原因」や「条件」が来ます。
4 だから、結果として
これらのキーワードの後には必ず「結果」や「影響」が来ます。

コラム「学びの現場から」 相手の『間』を読む
「黒板を見て!」など先生が発する重要シグナルは数多くありますが、特に注目してほしいのは『間の取り方』です。何度か授業を受けていくうちに、重要事項の前に一定の間をとっていることに気がつくはずです。授業に散りばめられている指導のポイントが、どこにあるか分かるようになれば、楽しさもさらに広がることでしょう。

参考資料:『東大式合格ノート術』(東大ベストセラー出版会PICASO著/辰巳出版)
※: http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-8e8c.html

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2016年4月14日 (木)

「6つの余白術」の使い分けは日本人向き!?  東大式合格ノート術(2)

前回の「記憶の出来る記録術」は半分の余白から――を読み返しながら、2014年11月20日に書いた内容(※)を思い出しました。そこには、「日本人が取り戻すべき世界に誇れる資質として、空白に意味を認める感性がある。例えば、墨絵の余白には何も描かれていません」がありました。存外、日本人は空白の使い方がうまいのかも…。

【6つの余白術】
余白を半分以上とる、と意識します。すると次の大きな課題は、「どんな」余白をとればいいのか、です。ノートの上か下か、右側か左側か、どんな風に余白をとるのが効率的なのか迷います。そんなお悩みを解決するのが、これから紹介する6つの余白術です。
(1) 行間は2行空ける
(2) 縦半分に線を引く
(3) 右端5センチに線を引く
(4) 左右に余白を作る
(5) 上下に余白を作る
(6) 右ページはまるまる空ける

科目別お悩み別に【6つの余白術】を使い分ける
この(1)~(6)の余白を教科や授業に合わせて使い分けることで、勉強の効率が格段にアップするそうです。「6つの余白術」にはそれぞれ特徴があって、向いている科目やノート形式で違います。どんなノートを作りたいか、どの科目でノート作りに迷っているかによって、自分にぴったりの余白術を選んで実践してください。

今まで余白をとるなんて考えていなかった人も、余白をとりたいけどどうすればいいか分からなかった人も、この余白テクニックを使えば効率よく簡単に余白ノートが作れるそうです。本稿の参考文献は高校生向けに書かれていますが、ノートの余白術はクリエイティブな仕事をしている人にはピタリと当てはまりそうな気がします。

学びの現場から 視覚的な効果で記憶から呼び覚ます!
余白を多くとることは書かれた重要語句や事柄をより強調させます。ノートを見返す際、その強調された1つ1つのページがイメージされ、情報として右脳に逐次記憶されていきます。
例えば、ある歴史上の人物の政策を答える問題がテストに出題されたとします。いくら考えても頭の中にその政策が浮かばなくても、自分のノートを頭の中にイメージしながら、書かれた項目を足がかりにし、答えを辿っていくこともできます。まさに余白は記憶のセーブとロードの両方の効果を持ち合わせているのです。

参考資料:『東大式合格ノート術』(東大ベストセラー出版会PICASO著/辰巳出版)
※:富士山「世界文化遺産」登録に関する3つの視点 「察しの文化」(7)
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/index.html

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2016年4月10日 (日)

「記憶の出来る記録術」は半分の余白から  東大式合格ノート術(1)

新入社員研修で「ノートの取り方」のご依頼を受けました。「メモ」ですとどちらの研修でも必ず触れますが、ノートは初めてなので、何冊か勉強のため手に取りました。そしてわが身の認識不足を痛感させられたのです。そこで今回から、中でも忘れられない何冊かを紹介させていただきます。まずは『東大式合格ノート術』から。

ノートはまず「書かない」のが鉄則。文字よりも余白が多い白ノートを作る
ノートを書くときの最初の原則。それはノートを「書かない」ことです。「書かない」とは、どういうことなのでしょうか、それは「余白をとる」ということだそうです。
余白をとるメリットは2つあって、まず第1は効率アップ。余白をとることで簡単に見直せるようになり、見直しやすいノートは勉強の効率を上げてくれます。

「書かない」ノートが「記憶の出来る記録術」の第一歩
第2のメリットには、説明書きや補足のしやすさ。余白がなければ、先生が後から付け加えた説明や注意書きが書けません。そして余白をとるときには、必ずノートの半分以上を余白に費やすようにしてください。余白だらけの「書かない」ノートを作ることが、一目で内容が頭に入ってくる「記憶の出来る記録術」の第一歩です。

余白の重要性を科目別に見てみると
ノートは1回書いただけではなく、あとから見直し、繰り返し使ってこそのノートです。その中で余白に書きこみたい内容も必ず浮かんできます。例えば、
数学の場合
数学ノートの特徴は、1問あたりに必要なスペースが大きいこと。解いた後に答え合わせをし、自分が間違ったポイントを見直して、注意点や解説を書き込みます。そんなときは余白をとって、解説や注意を書くスペースと問題を解くスペースを明確に分けます。
社会の場合
年号、年表、歴史上の事件の経緯、地図など、書くことは盛りだくさん。ポイントは、ノートを「何と」一緒に見直すか。参考書と一緒にノートを見直すと、授業では触れられなかった重要ポイントも参考書に書いてあると気づきます。ノートと一緒に使う教材を変えると、そのたびに新しく付け加えたいポイントが浮かび上がるのです。
理科の場合
理科の特徴は「ハイブリッド」。歴史のような知識系と、数学のような演習系が両方含まれます。物理でも生物でも化学でも、公式や語句などの説明と、それを使って解く問題とに分けられます。そのため数学のように注意点や解説を書き込む余白、歴史のように追加ポイントを書き加える余白を確保します。

参考資料:『東大式合格ノート術』(東大ベストセラー出版会PICASO著/辰巳出版)

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