ノートを書くと出世したくなくても出世してしまう? 斎藤孝流ノート術(5)
ある作業にどういう意味があり、どういう能力が必要であり、どういう流れになっているのか。一覧できるようなノートがつくれれば素晴らしいと、参考文献の著者はいいます。さらに、文章だけでなく、図にできるともっといいそうです。文章と図がお互い補完しているものを示すことができれば、非常にわかりやすくなるからです。
マネジャーにはそれなりに高い能力が必要だとみなされている
マネジャーは、ある程度年数が経てば自動的になるというものではなく、マネジメント能力のある人がなります。営業マンに営業の能力が必要なのと同じように、マネジャーにもマネジメント能力が要求されます。ひとつの職能ですから、ほかの職種よりも必ずしも地位が高いわけではありませんが、しかし、通常はほかより給料が高いのです。
マネジャーに必要なのは、段取りを見抜いて整理できる能力
それはノートをとることで磨くことができます。会社に入ったら「社会見学的ノート」をつくると、マネジャーへの近道になるそうです。いわば、出世ノートといえるでしょう。本人はマネジャーになりたくなくても、その能力があれば周りが放っておきません。「出世したくなくても、出世してしまうノート」と言ってもいいのです。
指導者に必要な全体を見渡す視点を「段取りノート」で培う
自分に関係のあることころだけ、狭い視野で見るのではなく、一段上から全体を見渡す。この視点は、段取りノートを書くことで育まれます。新入社員のうちから、片足を自分の仕事に、もう片方をマネジメントにつっこんだつもりでいるとよいそうです。ただし、両足ともマネジメントにつっこむと、不遜と見られかねないので気をつけましょう。
便利な仕事構造図
もし、仕事の構造図を描ける人がいたら、職場の人全員にとって便利です。水道管図のようなものがあれば、仕事の流れに詰まりができているところを見つけやすいからです。流れが悪いところを発見したら、配置を変えたりして改善することができます。空間の配置は、意外に大きな意味を持ちます。
コミュニケーション不足は席を変えることで劇的に解消することも
座席が離れているせいで、うまくコミュニケーションがとれないこともあります。新入社員は部長から最も遠くの席に座らされることが多いようですが、これは間違っていると斎藤氏は指摘します。「この会社はこう動いている」「この仕事はこう流れている」を説明するのは、全体を見渡すことができる人が最適だからとの判断です。
参考資料:『大事なことは3つにまとめなさい!~頭と心をスッキリさせる斎藤式ノート術~』(斎藤孝著/ビジネス社)
| 固定リンク