メンタルの問題をメンタルで解決しようとしない
タイトルは順天堂大学医学部教授・小林弘幸著『リセットの習慣(日経BP)』からの引用。同書には2021年2月10日 国立成育医療研究センター 小・中・高生のメンタル不調:「コロナ×こどもアンケート」結果から、中程度以上のうつ症状がある子どもの割合は、高校生で30%、中学生は24%、小学4~6年生で15%にのぼると報告されています。
参考までに記しますと調査方法概略は以下の通り。対象は、① 7~17 歳のこども、および、② 17 歳以下のこどもがいる保護者。回答は匿名で、説明・同意(代諾を含む)・回答はすべてオンライン上。調査への参加呼びかけは、若年層を中心に利用者割合が高い LINE や SNS(Facebook、Twitter)を積極的に活用。2020/11/17~12/ 27実施。
以下、小林先生の『リセットの習慣』から、ポイントを著者なりにピックアップ。写真はできるだけ処分する:「思い出の品」を大事にしていると、それだけ過去に囚われます。半分でもいいので思い切って処分する。物理的に物を捨てると、確実に気持ちがスッキリします。物理的にも、精神的にも軽くすると自律神経は整ってくるものです。
メンタルの問題をメンタルで解決しようとしない:落ち込んだら廊下で「スキップ」。スキップをしながら落ち込んだり、イライラできる人はいません。心と体はつながっていて、心が落ち込んでいると体の状態も悪くなります。反対に、体が元気よく、活動的な動きをしていれば、心もそれに引っ張られます。
実際には、自律神経が整って、血流が良くなり、脳が正常に機能し始め、感情や思考のコントロールができるようになる。それとまったく同じ構造なのが「ほほえみ」です。「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」との言葉(*)がありますが、自律神経の研究からいっても、これは事実です。気持ちはあとからついてきます。
(*)筆者注:「楽しいから笑うのではない,笑うから楽しいのだ」は,アメリカの高名な哲学者ウィリアム・ジェームズの言葉です。心理学的な裏付けは「アズイフの法則」とも呼ばれます。なお、ウィリアム・ジェームズはパースやデューイと並ぶプラグマティスト(実用主義)の代表として知られている。弟は小説家のヘンリー・ジェームズ。
音楽が自律神経を整えるのに効果的で、コンディショニングに役立つことはさまざまな研究で立証されています。朝、交感神経を高めて「活動モード」に入っていくときには「リズム感のある曲」がお勧め。ハードロックなどを朝に聴いて、そのリズムに乗っていくのはいい方法です。また、ウォーキングは「スピード」よりも「リズム」を大切に。
人の体は「流れに乗る」のは得意だが「流れを変える」のは苦手。体がだるさを感じていても、自律神経が乱れていると、十分に副交感神経が上がっていかないためリラックスして休むことができません。すると睡眠の質が悪くなり、翌日も「悪い流れ」を引きずってしまう。心と体をよい状態に保つ上で、もっとも大事な意識が「リセット」。
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